外国人採用・外国人就業受入れで、人事は社員に対しどんなフォローを行っていけば良いか
様々な業界で活発になっている外国人採用。私達が普段利用するコンビニエンスストアでも外国籍の方々の活躍が目立つようになってきました。将来の日本国内の労働力人口は総務省調べによると2013年時点で7,883万人だが、2020年予測で7,341万人、2030年予測で6,773万人とみられています。
労働力人口が減っていくと確定している中、外国人採用は今後拡大を見込む業界・事業・企業において重要な役割を担っています。今日は、外国人の方との採用面接時の対応方法や、日本にて就業受け入れを行う際の注意点について、皆さんへご紹介していきたいと思います。
参考:総務省|平成26年版 情報通信白書|我が国の労働力人口における課題
私達日本人は、生活習慣の中に宗教や自国の文化を取り入れているということがあまりありません。もともと文化による制約を課していない生活を営んでいる、且つ島国だったために外国人の流入が発生しづらく他国の習慣や文化を受け入れることに日本人が慣れていない、などの背景があります。
文化の違いというのは、生活環境・業務態度など様々な部分で影響が出てきます。ご自身の食事制限であれば、周囲に及ぼす影響度も低いのですが、例えば宗教的な理由により“一日2回、決まった方向にお祈りを数分間する必要がある”といったことや“必ずこの衣類(帽子等)を身に着けている必要がある”など、一緒に働く職場内の同僚から理解を得る必要性があるケースもあります。
一旦、一緒に働く仲間として受け入れれば暖かく見守れる人ばかりかと思いますが、まだ仲間となっていない状態・採用時にはそれがハードルとして受け取られてしまう要因の一つになってしまいます。
強固な企業体質の構築や、ダイバーシティ化の手段として有効な外国人採用は、まだ取り組まれたことのない企業の皆様にもぜひご活用いただきたいと感じています。積極採用を行ってみたい・検討したい・これから採用する予定があるという企業人事の皆さんのために、受入れに伴う配慮やフォロー案についてご紹介していきます。
- 入国後の役所での手続き方法(児童手当、保育園申請などの手続き)
- オムツなどの無料配布など、各市町村での違いや手当を教える
- 幼稚園、小学校の入学手続き、面接同席、各種手続き指導
- 小児科、内科、歯科などの病院紹介
手続き関係は非常に大変な作業になってくるので、もしその辺りの手厚いフォローが貰えれば、社員満足度は大きく変わってくると思います。
以上が、外国籍の方を受け入れる際に参考にして頂きたい項目になります。
私自身も多くの国内メーカー様へ、外国人エンジニアの配属受入れについてご提案する仕事を行っておりますが、現在の日本国内での就業受入れ基準を確認していると、最も重要になるのは日本語力になるのではないかと感じています。
日本語能力検定は1級から4級まであり、多くの企業は2級以上を求めてきますが、実際2級を保持していてもなかなか業務指示が伝わらないことや、ビジネスマナーの面での文章能力に欠けていることも多いため、手厚いフォローが必要になってきます。つまり、入社後も継続的に日本語能力向上に向けて、専門的な講師や日本語学校に通い、語学の授業を受けて頂くことが重要になってきます。
他には、プライベートな部分になりますが、コミュニティ作りに関してもフォローできる部分があったほうが良いと考えています。目的意識を持って来日された方々なので、そういったサポートが不要な方も多いのですが、友人作りが苦手な方も中にはおられます。職場の同僚内でコミュニケーションの機会を作るなどといったケアやフォローも重要になってくると思います。
これまでお伝えしたように、外国籍の方を企業が受け入れる際に配慮すべき点は沢山あります。企業・人事にとっては簡単なことではないのですが、受入れの仕組みを早い段階で構築しておけば、非常に優秀な方を採用しやすくなるとも考えられます。今後益々日本の市場だけでなく、海外への展開を強めていく会社も増えてくる中で、社内での外国人の活用は非常に重要な要素になります。
外国人の方は、給与面にシビアなこだわりを持たれて就職活動をされている印象があります。それには理由があるのです。海外には“総合職”という概念が無いため、契約によって会社に就業しているだけなので、自身のスキルを高めるためにより良い契約を結べる会社があれば転職を行うという考え方になります。
海外の方の離職を防止する策のひとつとして、日本の企業体質や文化を理解して頂けるよう説明をしていきましょう。そのためにも、簡単ではないですが、前述したプライベートのサポートが有効的です。
併せて、帰国時の帰省旅費に関する福利厚生を整えるなど、外国籍の方に向けた制度を構築することも効果が高いと考えられます。本気で取り組まれる場合は、ぜひ検討頂ければと思います。
多くの多様性を認めた働き方が、新しい価値観を醸成し組織課題の突破口となったり、新しい市場を創り出すチャンスとなる可能性もあります。固定概念に縛られず、自分達と違う文化を受け入れる社会をぜひ創っていければと思っています。
- 人材採用・育成 更新日:2019/01/29
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