採用確度を高める「内定後面談」のポイント│内定辞退の防止策
内定後の面談は、企業側が応募者に対して入社意思の最終確認をする重要な機会であり、雇用条件の調整も行う場です。特に中途採用の場合、即戦力を期待されるため、このタイミングでの内定辞退や入社直後のトラブルは避けたいところです。
採用選考のプロセスを無駄にしないためにも、内定後の面談で確認しておくべき事項や、積極的に情報提供すべき内容について、中途採用担当者が心がけるべきポイントをご紹介します。
専属スタッフが採用までフォロー。
初期費用0円「マイナビ転職 Booster」の資料を受け取る
内定後面談での効果的なコミュニケーション戦略
内定後面談では、コミュニケーションの取り方が極めて重要です。まず、内定者に対してはオープンな姿勢を示すことが不可欠です。事前に話し合いたい内容をメールで共有することで、情報のやり取りがスムーズになります。また、話しやすい雰囲気を作るために、雑談を交えた会話から始めるのも効果的です。
次に、内定者の話をじっくりと聞く姿勢を持つことが大切です。なお、コミュニケーションの中ではできる限り誠実な回答を心がけましょう。
内定後の面談も、採用面接同様、話しやすい雰囲気づくりから
中途採用者は、選考時に「選ばれる」ためのアピールから一転し、新たな第一歩を踏み出すにあたって、企業が自分にとって相応しいかどうかを「最終選定」する思考に変わります。
このため、内定者は「この企業で自分は活躍できるのだろうか」「雰囲気になじめるだろうか」といった緊張や不安を抱えて面談に臨むことが多いです。
そのため、まずは内定者がリラックスして本音を話せる雰囲気をつくることが大切です。内定を出した後だからといって事務的な対応をするのではなく、初対面の応募者同様に笑顔で出迎え、親しみを込めて話しかけることが大切です。また、雑談を交えながら面談の趣旨を説明することで、担当者からざっくばらんな態度を示し、内定者の緊張を和らげることを心がけましょう。
内定辞退の原因とその対策
内定辞退の原因は多岐にわたりますが、主に以下の要因が考えられます。
他社の選考状況
内定者が他社の選考を並行して進めている場合、より魅力的な条件を提示された企業に転職を決定することがあります。特に中途採用市場が活発な現在、これには注意が必要です。
コミュニケーション不足
企業側のフォローが不十分だと、内定者は自分が大切にされていないと感じ、不安を抱くことになります。業務内容や職場環境についての不明点が残ることも、内定辞退の引き金となります。
条件の不一致
給与や福利厚生などの条件が内定者の期待と合わない場合も、辞退の理由となることが多いです。
内定辞退の対策
これらの原因に対する対策としては、内定後の面談やフォローアップが重要です。定期的なコミュニケーションを通じて、内定者の不安や疑問を解消することが求められます。具体的には、他社の選考状況や内定者の入社意思を確認し、必要に応じて条件の見直しや追加情報の提供を行うことが効果的です。
また、内定者が実際に働く場所やチームを見学する機会を設けることも有用な対策の一つです。職場環境を直接体験することで、内定者に安心感を与え、内定辞退を防ぎ、入社までのプロセスを円滑に進めることができるでしょう。
内定後面談での具体的な質問例
内定後面談では、応募者とのコミュニケーションを深め、双方の期待や疑問点をクリアにするためにいくつか具体的な質問を準備しておくことが効果的です。以下に、内定後面談で有効な質問例を紹介します。
1. 仕事内容に関する質問
例:
「今回のポジションの具体的な業務内容について、ご理解いただいていますか?」
「これまでの経験をどのように活かそうと考えていますか?」
「このポジションで特に興味を持っている業務は何ですか?」
「業務に関して不明点や懸念点はありますか?」
2. チームや職場環境に関する質問
例:
「弊社の職場環境について不安や疑問点はありますか?」
「チームの雰囲気や働き方についてのご要望はありますか?」
「他のメンバーとのコミュニケーションについて、どのように考えていますか?」
「職場の文化や価値観について、何か気になることはありますか?」
3. キャリアプランについての質問
例:
「今後のキャリアプランについてお聞かせください」
「弊社でのキャリアアップをどのように考えていますか?」
「5年後にどのようなポジションにいたいと考えていますか?」
「スキルアップのためにどのようなサポートが必要だと思いますか?」
4. 条件面に関する質問
例:
「給与や福利厚生について、何か確認したい点はありますか?」
「働く時間や場所に関するご希望はありますか?」
「残業や休日出勤についての考え方はどうですか?」
「福利厚生の中で特に重視しているポイントはありますか?」
これらの質問を通じて内定者の意向や不安を把握し、適切な対応を行い、内定辞退のリスクを減らしスムーズな入社を目指しましょう。
内定条件の交渉相手は、内定者だけではない!?
転職を考える際、誰もが少しでも条件のよい会社に就職したいと思うものです。内定者の不安や迷いを解消するために、相手が知りたいと思う情報を積極的に提供することが大切です。以下の項目については、特に意識して伝えるようにしましょう。
近年は、入社の最終的な意思決定が内定者本人だけでなく、家族の意見にも影響されることが増えています。応募者が自宅に戻った際に家族を説得できるよう、条件や家庭生活に影響を与える福利厚生などを文書にまとめておくと良いでしょう。
①ポジションや業務内容
具体的にどのような仕事を任せるのか、役職が付く場合は部署や部下の人数についても明確に伝えましょう。
②給与
給与面に納得しているか確認し、給与の仕組みや支払日などの詳細を伝えると良いでしょう。
③勤務労働条件
休暇制度や勤務時間、時間外労働について、求人票の説明を補足する形で詳細を伝えます。配属される部署の繁忙期がわかる場合は、それも合わせて伝えましょう。
④勤務地
どのような場所で働くことになるのかを明示することで、通勤のイメージがしやすくなります。
⑤福利厚生
社会保険や企業年金、社宅や家賃補助などの制度について、特に出産や育児に関する制度についても伝えておくことが重要です。
他社の選考状況や入社意思は必ず確認
採用担当にとって最も避けたいのは、内定承諾後、突然ドタキャンされてしまうことです。特に優秀な人材は、複数の企業から内定を得ていることが多く、現在のような売り手市場ではその傾向が一層強まります。
面接が進むにつれて、他社の選考状況や内定者の入社意欲の把握は優先確認事項となります。内定承諾の期限については、企業側であらかじめ譲れる範囲を設定し、応募者の志望度合や他社の進行状況を考慮して判断する必要があります。
最終的には内定を承諾するかどうかは、応募者自身の意思に委ねられています。
採用担当者は「入社してもらいたいが、応募者が悔いのない転職活動を進めることも大切である」と理解し、また「すぐに働ける人材を求めているため、あまり回答期限を延ばせない」といった点をを内定者に対して誠実に説明することが求められます。このように、内定者の立場に立った真摯なコミュニケーションを心がけることで、内定者の良識ある対応を促すことができるでしょう。
内定者の不安を解消するための情報提供
内定者が抱える不安や疑問はさまざまです。これらを解消するには、企業側から適切な情報を提供することが求められます。
まず、内定者の不安を解消するためには、具体的な業務内容や職場の雰囲気について説明することが重要です。例えば、オフィスツアーを実施したり、担当するチームとの顔合わせを設定することで、内定者が実際に働く環境をイメージしやすくなります。また、内定者に対して企業文化や価値観についても詳しく伝えることが必要です。企業理念やミッション、働き方に対する姿勢などを説明することで、内定者が企業とのマッチングをより深く理解できます。
そして、内定後の具体的なサポートプランを提示することも効果的です。例えば、入社後の研修プログラムやメンター制度についての詳細を伝えることで、内定者は自身の成長やキャリアプランに対する安心感を得ることができます。
さらに、給与や福利厚生の詳細についても透明性を持って説明することが大切です。内定者が疑問に感じやすい部分を事前にクリアにしておくことで、不安の解消に繋がります。
このように、内定者の不安を解消するための情報提供は、内定辞退を防ぎ、安心して入社を迎えるための重要なステップです。
内定後のフォローアップの重要性
まず、フォローアップの主な役割は、内定者に安心感を提供することです。内定通知後も定期的に連絡を取り、企業側からのサポートが続いていることを示すことで、内定者は自分が大切にされていると感じることができます。具体的には、内定者が入社前に参加できるイベントの案内や、入社準備に関するガイドを提供することが効果的 です。また、内定者からの質問に迅速に対応することもフォローアップの重要な要素です。これにより、内定者の不安や疑問が早期に解消され、ポジティブな気持ちで入社日を迎えることができます。
さらに、フォローアップを通じて内定者と企業のコミュニケーションを継続的に保つことが大切です。このコミュニケーションが円滑であればあるほど、内定者は企業に対して好感を持ち、内定辞退のリスクが低くなります。
このように、内定後のフォローアップは内定者の不安を軽減し、内定から入社までのプロセスを円滑にするための重要な施策です。各企業は、しっかりとしたフォローアップ計画を立てることが求められます。
最後の一押しは、採用担当者の人間力
内定後の面談は、会社の雰囲気を伝える最後の機会となります。この際、会社に関するさまざまな情報を提供するだけでなく、社内の人間関係や制度の利用状況も具体的に案内することで、社風が伝わりやすくなり、実際に働くイメージを持ちやすくなります。
採用担当者が自らの体験を交えながら、本音で話すことを心がけることで、内定者には会社の雰囲気がより伝わります。たとえ転職のきっかけが雇用条件であったとしても、入社を決める最後の一押しは「この会社で、この人と働いてみたい」と思わせることにかかっています。
採用担当者は、企業の顔として、また、内定者にとっての一人目の友人として信頼関係を築きたいものです。
- 人材採用・育成 更新日:2017/03/24
-
いま注目のテーマ
-
-
タグ
-