内定辞退の防止策| 内定・入社前辞退、早期退職を減らす5つの工夫
今の会社を辞めたいという消極的な理由で転職活動をしている人には、明確な転職理由がありません。面接で転職理由を聞かれたとしても、「今の会社を辞めたい」がホンネなので、はっきり答えられない場合が多いのです。
こういった人材は、仕事で不完全燃焼の状態に陥ったときに、周囲の人間や環境のせいにする傾向が見られますので、採用は見合わせたほうが無難でしょう。
一方で、次のキャリアステージを描いて転職という道を選択している人の場合は、退職理由と転職理由とを分けて答えられる人が多いはずです。
「なぜ、転職という選択をしたのか?」と質問してみてください。退職理由と転職理由の両方が見えてくるはずです。
2.一発面接の場合は、採用のプロを介入させるとベター
1回の面接で最終合否を出す場合、同日に複数回の面接を行う場合でも、応募者には一発面接(選考)と受け取られやすいものです。在職中の応募者に配慮して、1日の選考で内定を出した場合、かえって応募者に「誰にでも内定を出しているのではないか」という不安を与えてしまうことがあります。これが、応募者の心理です。
人材紹介会社が介入している場合であれば、採用担当者に代わって応募者のフォローが行われるので辞退は少ない傾向にありますが、公募で一発面接(選考)を行う場合は、内定辞退・入社前辞退は増える傾向があります。
公募の場合は、条件確認と内定提示として、採用担当者がもう一度、応募者と会うなどのプロセスを入れると、辞退率が低下します。
3.内定前にオフィス見学、メンバーの紹介をする
どんな職場環境で働くことになるのか、応募者はとても知りたがっています。選考プロセスの一環としてオフィス見学やメンバー紹介を実施すると、それだけでも応募者の意向は高まります。その会社で働いている自分のイメージが描けるので、入社の覚悟を固めやすいのです。
オフィス見学、メンバー紹介を行うステージとしては、1次面接ではなく、最終面接の手前くらいの面接時に行うと、より効果的です。応募者も会社の理解が深まっているので、よりリアルに働くイメージが描けるからです。メンバー紹介は、全員集めなくても、その時にいるメンバーだけで十分です。
4.選考のスピードは他社より遅すぎず・早すぎず
「ほかにどこか応募している会社はありますか?」という質問は、応募者にとって答えにくいものです。他社を受けていると選考に不利になるのでは……と考えているためです。しかし、採用担当者にとって、他社の選考状況を把握することは非常に大事です。他社が最終選考の段階であれば、選考に時間をかけるわけにいきません。
逆に、他社がこれから選考するという状況で早く内定を出しても、応募者は入社の決意を固めることができません。その結果として、内定辞退となるか、あるいは入社しても早期退職となってしまう可能性が高くなります。
採用担当者は、応募者が納得いくまで転職活動をして、覚悟を持って入社の決意をするタイミングを見極めなければなりません。
そこで、応募者がほかの会社を受けているのであればできる限り(場合によっては、できないことも含めて)スケジュールに配慮するなどの対応を伝えましょう。
こうした転職活動状況に配慮する姿勢を示すことで、「人(=社員)を大事にする会社」であることを応募者にアピールすることができます。ひいては応募者の安心感と信頼にもつながり、意向が高まる可能性があります。
5.採用条件・要望は、客観的な視点でチェックし、過剰な要件はカットする勇気を持つ
募集部門から提示された採用条件を見極めることは、採用担当者の重要な業務です。本当にこの職務経験やスキル、取得資格は必須条件なのか、どんな志向性が必要なのかなど、募集部門とよく相談し、採用条件を調整してください。
募集部門は、あったらいいなという気持ちで採用条件に入れていることも少なくありません。その場合は、なくても良い条件なのです。
極端な話、希望条件を欲張ってしまうと、条件通りの人材を採用しても、仕事が物足らない、志向が合わないなどの理由で早期退職をしてしまうことがあります。採用担当者は、客観的視点を持って採用条件を調整し、募集職種に本当に合う人材はどういう人なのかを考えて採用しましょう。
これらの5つの工夫を選考に取り入れることで、内定辞退・入社前辞退・早期退職のリスクが低くなります。ぜひ、選考ポイントや選考プロセスを見直してみてはいかがでしょうか。
<選考ポイント・プロセスにおける5つの工夫>
- 人材採用・育成 更新日:2015/04/30
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