採用責任者の視点 ― 株式会社ワイ・エス・エム 代表取締役 八島哲也
採用担当者が面接でチェックするポイントには、その人が社会人生活の中で学んできた「優秀なビジネスマンの持つ特徴」という暗黙知が表れるものです。だからこそ、その基準を知ることで、採用面接のスキル向上につなげることができます。
「企業の経営者やマネージャーが、採用面接においてチェックしている3つのポイントを知る」という趣旨の連載企画。第3回目は、LED導光板や特注照明、特注建築金物など設計・製造・施工を一貫して手掛ける株式会社ワイ・エス・エムの代表取締役・八島哲也さんにご登場いただきます。
「企業向け(toB)の受託製造のみを行う」という製造業者が多い中、ワイ・エス・エムはクラウドファンディングを活用して顧客向け(toC)の間接照明「HOOP(フープ)」を開発したり、地域の製造業者を集めて認知拡大のためのワークショップを計画したりと、数多くの新しいチャレンジを続けています。
ものづくりの未来を切り拓こうとしている八島さんは、どのような人と一緒に働きたいと考えているのでしょうか?
八島:その経験を通じて「自社の課題は何か?」や「どうすればその課題を解決できるか?」などを意識しながら仕事をする習慣が身についたと思います。
たとえば、私が代表取締役になってから早い段階で「会社の公式Webサイト」を開設しました。当時のワイ・エス・エムは「自社の得意分野や強みを情報発信できていないこと」が課題だと考え、それを外部に発信することで受注につなげたいと思ったんです。
実際に、Webサイトを立ち上げてからはそれを経由して仕事を発注してくれる会社が増えました。
また、クラウドファンディングを活用してtoCのプロダクトを開発したのにも理由があります。受託開発のみをやっていると、どうしても繁忙期とそうでない時期に案件量の波ができてしまうんです。
自社の製品があれば、案件量が落ち着いている時期に製造して在庫にしておけばいいので、空き時間を有効活用できると考えました。
八島:「きちんと挨拶ができる」とか「読みやすいメールを書く」といった日常業務はもちろん、製造業の場合は「わかりやすい図面を描いているか」などにも表れると思います。
たとえば私も図面を描くときには、製造業に詳しくない人が見ても理解できるような内容になるよう気をつけています。
また、これは当社の社員の例なんですが、誰から指示されなくても、自主的にユーザーのことを考え、安全面・品質面に配慮してものづくりをしています。例えば製品のバリ取り(材料を切ったり削ったりした際に材料の角にできる出っ張りを取り除くこと)1つとっても、使う人のことを考えてくれたりするんです。
これは、「ユーザーにとってなるべく使いやすい製品になってほしい」という思いやりがあるからこその行動ですよね。そういった日常の何気ない業務の中にこそ、利他の心の有無は表れるのではないでしょうか。
- 人材採用・育成 更新日:2017/11/21
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