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中途採用で埋もれないための認知獲得手法とは? 動画広告の活用ポイントを徹底解説!

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求職者の情報収集の手段が多様化し、企業が自社の情報を発信する採用広報の必要性が高まるなかで、動画を採用に活用する企業が増えています。

中途採用で動画を活用する場合、「動画広告」と「採用動画」という2つの選択肢があります。このうち、認知獲得の効果が期待できるのが、動画広告です。今回は、中途採用での動画活用をテーマにした企画の第2弾として、内容を動画広告に絞って徹底解説。

株式会社リチカの山田健太氏より、動画広告のトレンドや動画広告運用の注意点を、株式会社マイナビの安高隼平より、中途採用における動画広告活用のポイントをお伝えします。

※この記事は2022年6月15日に開催されたウェビナー「【採用動画ウェビナーvol.2】 埋もれない中途採用のための企業認知獲得手法とは? 動画広告を活用した採用広報のメソッドを解説!」の内容をもとに作成しています。記事内の情報や解説者の情報はウェビナー開催当時のものです。

動画広告市場の現状とトレンド

山田健太氏(以下、山田):まずは、動画広告市場の現状を把握しましょう。近年、動画広告市場は急速に伸びており、2025年には推定1兆円になるといわれています。

動画広告にも複数の種類があり、なかでも今、市場の半分近くを占めるのがインストリーム広告です。インストリーム広告とは、動画の再生前後または再生中に表示される広告枠のことで、代表的なものが、YouTube広告です。

動画広告市場の成長を下支えしているのが何かというと、動画広告の配信先の増加です。YouTube、TikTokといった動画系サービスの人気に比例して、動画広告枠が増加しているのです。現在では、主要なWebメディアの多くが動画広告枠を扱っている状況です。

クリエイティブの重要性

山田:動画広告が注目されている背景には、マーケティングにおいてクリエイティブ(広告のために作られた動画や画像などの制作物)の重要性が高まっている現状があります。下のグラフは、Webマーケティングにおいて、どんな要素がどれだけ成果(実際の購買)に貢献したかを示しています。

このグラフを見ると、クリエイティブの成果貢献度は47%です。ブランドやコンテンツ(内容)といったクリエイティブに付随する要素を含めると、成果貢献度は64%に上ります。

Webマーケティングでは、長年、ターゲティング(想定顧客層を絞り込んでマーケティング戦略を立てること)が最も重視されてきました。近年、ターゲティングよりもクリエイティブが重要になった大きな理由として、ユーザーの特性が多様化してきたことがあります。

一昔前であれば、想定顧客層が20代前半の女性であれば、そのイメージを設定するところからスタートしていましたが、最近では一口に20代の女性といっても、生活スタイルや好みはさまざまです。

さらに、個人情報保護の観点から、Web上で個人の情報を取得しにくくなってきていることも理由の一つです。

配信面に最適化することの重要性

山田:動画広告のクリエイティブ制作で特に注意したいのが、配信先メディアの配信面(広告枠)に最適化することです。

先にお伝えした通り、動画広告の配信先は非常に多様になってきています。どのメディアのどの配信面(広告枠)で見るかによって、表示のされ方は全く異なるため、それぞれに合わせたクリエイティブを作る必要があります。

参考に、Facebook広告の最適化事例と最適化できていない事例のイメージをあげます。

「Bad」「Good」の2種類の表示画面のいずれも、0秒時点の画面です。ユーザーはFacebookの画面をスワイプしながら見ていくので、この時点で興味のある情報だと感じてもらわなければ、指を止めてもらえません。

Badの例では、何の商材の広告なのかがすぐにはわからないため、離脱されやすくなります。一方のGoodの例では、テキストの視認性が高く、この時点でどんな商品の広告なのかが伝わるため、続きを見てもらいやすいでしょう。

また、Badの例では画面占有率の低い16:9の形式になっているのに対し、Goodの例では、Facebookのフィード面の大部分を占める4:5の形式になっています。

Facebook広告の最適化のポイントについては、Metaが「モバイル動画広告のベストプラクティス」を公表しています。

認知獲得に適した配信先とは

山田:どんなに魅力的な求人情報を発信しても、求職者が配信先のメディアにアクセスして広告を見てくれなければ、情報は届けられません。多くの人に見てもらうという観点から配信先を選ぶなら、必ず候補に挙がるのが、YouTubeです。

YouTubeの特徴は、月間ユーザー数が非常に多いうえに、幅広い世代に視聴されていることです。まだ転職活動を始めていない潜在層も含めた幅広い層に求人情報を届けられるため、認知獲得には最適な配信先といえます。

YouTube動画広告制作のポイント

山田:では、実際にYouTube動画広告を配信する場合、どんなクリエイティブを作ればよいのでしょうか。ここでは、複数あるYouTubeの広告枠のうち、最もポピュラーなスキップ可能なインストリーム広告を制作する場合を想定して、3つのポイントを紹介します。

冒頭から5秒以内にキーメッセージを入れる

皆さんもYouTubeを視聴しているときに、興味のない動画広告を途中でスキップした経験があるのではないでしょうか。スキップせずに最後まで見てもらうためには、冒頭で興味を引く情報を発信する必要があります。

YouTubeでは、視聴開始の5秒後からスキップ可能になるため、一番伝えたい内容を5秒以内に入れると、離脱率を下げることができます。

15秒より長い動画にする

スキップ可能なインストリーム広告は、ユーザーが30秒以上視聴した場合、または30秒経過前に広告をクリックした場合に課金されます。

ただし、動画の尺が30秒以下の場合は、ユーザーが最後まで視聴すると課金されます。尺が短すぎると課金が発生しやすくなるので、無駄な課金を少なくするには、15秒より長い動画にするのがおすすめです。

音声を有効活用する

Facebookのような一般的なSNSの場合、音声をオフにして見るユーザーが多いので、音声をあまり気にせずに動画広告を制作するケースが少なくありません。

しかしYouTubeの場合、9割以上のユーザーが音声をオンにして視聴しているといわれています。ですので、YouTube広告に関しては音声の効果をしっかり活用することが重要です。特に、人の声が入った動画の視聴回数が伸びる傾向があるため、ナレーションを入れるとよいでしょう。

中途採用で埋もれずに認知獲得するには?

安高隼平(以下、安高):ここからは、採用に動画広告を活用する場合に知っておきたい知識、中途採用での動画広告の活用方法を解説します。

採用における動画広告とは

安高:近年、採用に動画広告を活用する企業は増えてきています。下記は、採用を目的とした動画広告のイメージです。

左は、静止画を使ったスライドショーで求人募集の情報を端的に発信する広告です。右は、先輩社員インタビューのダイジェストを絡ませながら求人情報を伝える広告です。

採用における認知の重要性

安高:動画広告の活用法の話に入る前に、採用において、なぜ認知が重要なのかを改めて確認しておきましょう。下記は、労働人口における転職活動者の割合を図で示したものです。

これを見ると、転職活動者は、労働人口の約5.3%に過ぎません。転職情報サイト、人材紹介といった従来の採用チャネルでは、この約5.3%の転職活動者にしかアプローチできませんでした。

しかし、スマートフォンやSNSが普及したことで、それ以外の層にも情報発信することが可能になりました。

少し視点を変えて、最近の新入社員の転職に対する意識を見てみましょう。下記は、マイナビが一般の新入社員を対象に実施したアンケート調査の結果をグラフ化したものです。

「今の会社であと何年くらい働くと思うか」という質問に対して、2019年~2021年のどの年度でも、2人に1人程度が、10年以内には転職すると考えています。つまりビジネスパーソンの大半は、いつかは別の企業で働くことを想定しているのです。

したがって、中途採用においては、すでに転職活動をしている転職顕在層がメインターゲットであることに変わりはないものの、転職を考えているもののまだ動いていない転職準顕在層や、まだ転職を意識していない転職潜在層にどうアピールしていくかが採用成功のカギとなります。

つまり、未来の応募者に自社の認知を広げることが、非常に重要になってきているのです。

採用活動のゴールは求職者に入社してもらうことですが、そのためには、まずは求職者に自社を認知してもらわなければなりません。

転職情報サイト、人材紹介といった従来の採用チャネルと、SNS・外部メディアを組み合わせて利用することで、転職顕在層を集客しながら、準顕在層や潜在層にも広く情報を届けて認知を獲得することが可能になります。

YouTube広告で求人情報を届けるコツ

安高:続いて、山田さんに伺ったYouTube動画制作の3つのポイントをベースに、YouTube広告で求人情報を届ける際のポイントを詳しくお伝えします。

冒頭で、求人情報であること+企業名・勤務地・職種を伝える

YouTube動画制作の1点目のポイントは、「冒頭の5秒にキーメッセージを入れる」でした。採用目的の動画広告の場合、冒頭でまずは求人情報だということを伝える必要があります。そのうえで、基本情報である企業名、勤務地、職種については優先的に盛り込みましょう。

さらに企業ごとに、競合他社より優位なポイントなど、これは訴求したいというPRポイントを選別して盛り込むとよいでしょう。

では、冒頭以外の部分は、どのように構築していけばよいのでしょうか。マイナビの調査によると、求職者が転職情報サイトに掲載されていると魅力的に感じる写真は次の3つです。

  1. 1. 人が映っているオフィス風景
  2. 2. 商品やサービスの紹介
  3. 3. 集合写真(配属先の先輩)

  4. ※マイナビ調べ「転職サイト利用者の行動特性(2020年実績)」

動画広告にも、働く人や商品・サービス、勤務場所が伝わるビジュアルを使うとよいでしょう。テキストと画像を効果的に組み合わせて、PRしたいポイントをわかりやすく訴求しましょう。

動画の尺は30秒以内、長くとも1分以内にする

2点目のポイントは、「15秒より長い動画にする」でしたが、長ければ長いほど効果があるわけではありません。

下記は、情報収集段階で動画視聴の経験のあるマイナビ転職のユーザーに、動画の試聴時間を聞いた結果をグラフ化したものです。

このグラフを見ると、30秒以内で視聴した人が、全体の約半数を占めています。まだ興味が醸成されていない段階では、動画視聴に長い時間をかけてもらうことは難しいことがわかります。

内容次第ですが、動画の尺は、できれば15秒以上30秒以内、長くとも1分以内にはおさめる必要があるでしょう。

ナレーションや働く人の声を入れる

3点目のポイントは「音声を有効活用する」、特に人の声を入れると効果的だと伺いました。求人情報動画であれば、ナレーションを入れるのもよいですが、自社の社員のインタビュー音声を入れるのも一つの方法です。

YouTube広告でのターゲティングの考え方

山田:YouTube広告におけるターゲティングの考え方についても確認しておきましょう。下の図は、ターゲットの絞り込み度合いと、配信されるユーザー数の関係を示しています。

ターゲットを絞り込むほど配信されるユーザー数は減り、ターゲット設定を緩めれば緩めるほど、多くのユーザーに情報を届けることができます。この前提を理解したうえで、どの層に情報を届けるのかを定める必要があります。

たとえば採用可能性が非常に高いユーザーだけに情報を届けたい場合は、上の図で言うと右側の点線でターゲットを絞り込む必要があります。一方、採用可能性があるユーザーに対して広めに発信したい場合は、左側の点線で絞り込むとよいでしょう。

ただし、YouTubeは転職専用のメディアではないため、大体の志向性で配信条件を設定することは可能ですが、過去の経験職種などで細かくターゲット設定することはできません。したがって採用の可能性は、結果を見ないと明確にはわかりません。

求人情報を発信するYouTube広告では、求める人材をメインターゲットに据えつつ、最初は幅広くターゲットを設定し、結果を見ながら調整していくのがベターです。

なお、YouTube広告を運用する場合、動画広告を見てもらうこと自体が認知につながるため、広告表示回数や視聴数が指標(KPI)となります。マイナビ転職のような求人媒体と連動させる場合は、そこに掲載されている求人広告のPV数や応募数も指標(KPI)となります。

中途採用での動画広告活用事例

安高:マイナビでは、採用広報のサービスの一つとして、求人ハイライトムービーという動画広告を提供し、マイナビ転職とあわせてご利用いただいています。

主に、求人広告だけでは埋もれてしまってなかなかPV数が増えない、より幅広い層にアプローチしたいといった理由で導入されており、実際に利用した企業からは、求人広告のPV数の増加、応募数の増加といった効果を得られたという声を多数いただいています。

実際に企業が求人ハイライトムービーを活用して成功した事例を2例ご紹介します。

導入事例1

ある教育業界の企業の事例です。こちらの企業では、スペックの高い経験者を求めていたため、ターゲットの母数が少なく、情報を届けるのが難しいという課題を抱えていました。

そこでYouTube広告を全国に配信し、広く周知をして網を張ることに。その結果、マイナビ転職の求人広告のPV数が増え、YouTubeの視聴数も多数に達しました。

特に、経験者が求人原稿を閲覧した割合は、動画広告を導入する前と比べると1.7倍に。YouTube広告を視聴後、そのままマイナビ転職にアクセスして応募した方もいたそうです。

導入事例2

次に紹介するのは、ビル管理メンテナンスの企業の事例です。募集職種は有料道路の料金所スタッフでしたが、業務内容が伝わりにくく、早期離職が多いことに悩んでおられました。

この企業の場合、高めの年齢層もターゲットにしていたため、YouTubeに加えて、Yahoo! JAPANのニュース面などにも動画広告を展開して、幅広い年齢層にアプローチすることにしました。効率的に情報を届けられるように、配信エリアは勤務地のみに限定。

その結果、動画広告経由で多数の応募が集まり、応募数が大幅に増加。以前の静止画による求人広告よりも多くの情報量を盛り込めるようになり、業務内容が伝わりにくいという課題の解決にもつながりました。

まとめ

安高:転職情報サイトへの求人掲載と動画広告を組み合わせて活用することで、ご紹介した成功事例のように、より多くのターゲットに情報を届け、認知を獲得することが可能になります。
今回はYouTube広告のポイントを中心にお話ししましたが、配信する媒体によって規格や課金方式、ユーザー層は異なります。動画広告のトレンドや基礎知識を理解したうえで、自社の採用広報の目的に適した媒体を選び、ターゲットに合わせた内容を発信することが重要です。

  • 人材採用・育成 更新日:2024/01/11
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