応募者の不安を取り除く!面接官が採用面接時に準備すべき説明資料
働く上でどのようなことが待っているのか、やりがいは感じられそうか。どのように目標設定がなされてどれくらいのハードルに挑戦すればいいのか。その目標を達成するうえで何に注意し、自身のどんな課題を克服すればいいのかを理解してもらいます。
それを理解した上で、働きたいと思えるか思えないかヒアリングすることで求職者の価値観に触れることが可能です。
また、将来的に待ち受ける課題は別として、最初に経験する業務でどのような課題が待ち受けているか面接の場で説明を行います。そうすることで、取り組む業務のハードルが超えられそうか求職者本人が事前に理解することができるのと同時に、将来一緒に働く先輩上司として「自分の成長に向き合ってくれている」という安心感を与えることができます。
本来は資料があればベストではありますが、職種・部署が多い場合には個別対応で説明を行っています。①②は口頭で説明し、③については今追いかけている目標予実進捗シートを一緒に見ながら話をしていきます。つまずきやすいところや、どのあたりに難しさがあるかなども含めて正直に伝え、その代わり得られる喜びも伝えることで働くイメージを固めていくとよいでしょう。
仕事の目標を達成し続けたその先に、自身のキャリアにはどんな可能性が待っているかも明確にしておきましょう。
「長期的に働けるかどうか」を応募者が考える際に、ここは非常に重要な要素となります。「長く働きたいです」と望まれる方の多くは、「安定している会社だと長く働けます」とおっしゃるのですが、私はそれだけでは不十分だと考えています。
求職者の中には、ずっと同じ仕事をしたいと感じる人と、自己成長を追求して高めていきたいと感じる人の2パターン存在しているため、会社の一員となるにあたり、その人の10年後20年後の未来がどうなっているか、どんな経験が得られるか、といった可能性を示します。
キャリアの選択肢が複数用意されていることは、向上心のある応募者にとっても非常に魅力的に写ります。キャリアの可能性が示してある“道しるべ”のような資料が一枚あると、非常にイメージもしやすく便利です。
会社の概要、仕事内容の説明、10年後20年後のキャリアの説明をした後に話しておきたいことがあります。会社の業界内での立ち位置や営業戦略・社会貢献性についてです。
自分が働くうえでのキャリアはイメージ出来ても、会社の経営戦略に強さが感じられなければ心の中に不安が残ってしまいます。同業他社と比べた時の自社の強み弱みを改めて理解してもらうことで、入社した際に会社からどんな働きぶりが求められるかを深く理解してもらうことができます。そしてビジネスの観点を持ちながら社会貢献性を語ることで、経営の強さに安心してもらうことが可能となります。
この場合は数値で表されている資料が非常に効果的なため、資本金・在籍人数・構成比・売上推移・顧客数・顧客属性・今後の営業戦略・中長期戦略・将来会社が叶えたいことなどを数字に落とし込んで資料にしていくとよいでしょう。企業成長の期待値を作り、この船に乗ることの安心とワクワクを同時に作りだします。
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