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人事採用の「お助けサイト」を活用して、実務をよりスムーズに!

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人事採用の担当者は、煩雑で責任の重い業務を担っています。

そうした採用活動を円滑に進めるためには、公的機関が提供するさまざまな「採用担当者向けお助けサイト」が強力なサポートになります。

本記事では、そうした「採用お助けサイト」をご紹介し、採用活動に活用できる有益な情報を提供します。

厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET):job tag」

まず、ご紹介するのは、厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)、通称「job tag」です。*1

job tagは、求職者の就職活動や企業の採用活動などを支援しています。
サポート内容をみていきましょう。

job tagでできること

このサイトでは以下のようなサービスを提供しています。*2

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採用活動での活用

job tagを活用すれば、採用活動において、「新たに募集開始するこの職業に必要なスキルは何か」「どのような能力を持っている人を採用すれば良いのか」「過去にこの職業を経験した人はどのようなスキルや能力があるのか」を客観的に把握し、採用に役立てることができます。*3

以下の図1は、採用のステップごとの実施内容とjob tagを使った採用活動をまとめたものです。

実際の活用例をみてみましょう。

活用例:求人要件の整理

図1のように、1つ目のステップ「採用計画の策定」では、採用対象の人物像と業務内容を明確にします。

そして、次のステップが「求人要件の決定」です。

そのための「求人要件の整理」では、job tagをどのように活用することができるのでしょうか。

ここでやるべきことは、その前のステップで明確にした業務内容を担ってもらう人材には、どのようなスキルや知識が必要か、採用した人にやってもらう仕事はどのような性質かを考え、求人要件を決定することです。*3

ポイントは、要件をできるだけ詳細に具体化し、チェック項目や数値で評価できるようにすることです。

内容は、自社の企業理念や採用目的、各部署の意見に配慮し、必須項目と、それがあればよりよいという任意項目に分けます。

(1)「職業情報」の活用

求人要件の整理では、job tagの「職業情報」を活用すると、便利です。
job tagでは、約500種類の職業について、以下のような内容を分かりやすい解説文と数値データで提供しています。

  • どんな仕事なのか
  • タスク:職業に含まれるこまかな仕事
  • 就業するのに必要な学歴・資格・実務経験、労働条件(労働時間、賃金など)
  • 就労状況:就労者数、就労者の平均年齢
  • 仕事能力プロフィール:スキル、知識、仕事に対する興味、仕事に対する価値観など

また、それぞれの職業を具体的にイメージできる動画を掲載しています。

以下の図2は、「職業情報」で表示される項目です。

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(2)ワークシートの活用

job tagの活用ガイドには、ワークシートがついており、図2の項目を参考にして、ワークシートに記入することもできます。

図3の「job tag」がついている項目は、job tagの職業情報に載っている情報です。

また、アスタリスク「*」がついている欄には、職業情報に記載されている「しごと能力プロフィール」の中から、点数の高いものをみて、自社にとって重要な求人要件を記入します。

(3)「職務要件シート」の作成

job tagには、より詳しく人材像を明確にするための「職務要件シート」を作成する機能もあります。

job tagの「人材採用要件整理」のページにアクセスし、「職業検索」のボタンをクリックします。次に、表示された職業から求人する職業を選択してから、「次へ」をクリックします。*4

厚生労働省 job tag「人材採用要件整理」

後はサイトの指示にしたがって選択・編集すると、以下の図4のような「職務要件シート」が作れます。

その他のサービス

求人に関しては、この他に以下のような情報も提供しています。*5

求職者と求人企業のためのITリテラシーの目安

様々な業界・業種で必要と想定される、汎用的なIT活用スキルの目安が、レベル別に把握できます。

労働法の基礎知識

労働法の基礎的な知識を把握できます。

全国最低賃金一覧

求人したい地域の最低労働賃金を把握できます。

一般社団法人人材サービス産業協議会のウェブサイト

次にご紹介するのは、一般社団法人 人材サービス産業協議会のウェブサイトです。

採用する人材の年収の目安を把握する

同協議会は、年1回、『転職賃金相場』を発行しており、誰でも同サイトからダウンロードすることができます。*6

『転職賃金相場』は、国内の主要な人材紹介会社3社と募集情報提供事業者4社が業界を横断して調査して得た情報を載せています。*7

掲載されている職種は、中途採用の正社員の募集が多い職種と人材不足が深刻であるなど注目すべき職種。それらの職種について、求人情報で提示されている年収の最低額と最高額のおおよその範囲を示しています。

また、実際にその職種で採用が決定した人の特徴を各年収層ごとに示しています。

『転職賃金相場』の内容例

『転職賃金相場2023』の内容を覗いてみましょう。

転職賃金相場2023

このレポートで扱っている職種は以下の表2のとおりです。*7

表2の職種のうち、「労働市場において注目度の高い職種」に分類されているA・B・Cについては、コラムも掲載されていて、その職種への転職者を採用する企業にとって、有益な情報が提供されています。

公益社団法人 全国求人情報協会のウェブサイト

公益社団法人 全国求人情報協会のサイトでは、求人広告を掲載する際に広告をより的確に求人者に届けるための情報を提供しています。*8

また、求人情報の適正化を推進するために、動画や冊子、パンフレット、チラシなど、人材採用担当者の啓発のための資料を掲載しています。*9

採用担当者向けの動画

以下の動画では、採用担当者向けに、留意すべきさまざまな事項についてわかりやすく解説しています。*9

  • 「労働条件は詳しくわかりやすく」(1分53秒)
  • 「年齢制限の原則禁止」(1分52秒)
  • 「男女雇用機会均等法」(1分51秒)
  • 「久しぶりの採用」(1分24秒)
  • 「個人情報の取り扱い」(1分52秒)
  • 「面接時の留意点」(1分49秒)
  • 「社会保険の加入」(1分53秒)

募集採用を行う企業の担当者様 向け 動画シリーズ

また、以下は、企業の採用担当者と、求人広告の営業担当者向けの研修動画です。

  • ▶ 研修用動画 「シマリスの炎上(賃金の確認編)」(9分18秒)
  • ▶ 研修用動画 「コウモリのワナ(業態の確認編)」(9分45秒)
  • ▶ 研修用動画 「キツネのいいかげん(固定残業編)」(8分50秒)

求人広告の営業担当者様 向け 動画シリーズ

リーフレット

同協会では、採用に役立つさまざまなリーフレットも提供しています。*9

1)募集条件

求人広告に「委細面談」と書かれていても、求職者は入社後の具体的なイメージを描くことができません。期待する人物像に近い人に応募してもらうためには、具体的な仕事内容や労働条件をくわしく記載する必要があります。

2)年齢制限

現在は、求職者の属性ではなく、パーソナルな能力や適性で判断する時代です。
以下では、採用において年齢制限をしないことについて分かりやすく解説しています。

3)男女雇用機会均等法

従来の慣例にしたがって性別で仕事内容を制限しないことが、よりよい人材と出会う機会を広げます。

4)社会保険

通勤途中の事故やケガ、病気をはじめとする、さまざまな「万が一」のための備えが社会保険です。
従業員が安心して活躍できるように、社会保険について分かりやすくまとめています。

5)応募者への対応

応募者がたくさん集まったとしても、求人企業側が配慮や理解に欠けた対応をしてしまうと、応募者が辞退したり、入社後の活躍の障害になったりします。
応募者対応に関する疑問や相談について、分かりやすくまとめています。

6)個人情報

現在は個人情報に対する意識が高まっており、提出した履歴書の行方を気にする人が大変増えています。
個人情報について、実際にあった相談をもとに分かりやすくまとめています。

7)面接

面接の時間は、応募者を選ぶ大切な機会であるとともに、応募者を「やる気にさせる」チャンスでもあります。
面接時のポイントについて分かりやすくまとめています。

公益社団法人 全国求人情報協会 募集・採用の資料

「入社1年半時点の就業意識の実態調査」

同協議会は、大学または大学院を卒業・修了し、民間企業に就職した人を対象にして、入社直後と入社1年半時点で調査を実施し、それぞれの就業意識の実態をまとめています。*10

この調査結果から、転職意向や転職の実態を窺うことができ、中途採用の担当者にとって有益な情報が得られます。

おわりに

これまでみてきたように、現在インターネット上には、さまざまな「採用担当者向けお助けサイト」が開設されています。

充実した採用活動をより円滑に行うために、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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  • Person 横内 美保子

    横内 美保子 -

    博士(文学)。総合政策学部などで准教授、教授を歴任。専門は日本語学、日本語教育。高等教育の他、文部科学省、外務省、厚生労働省などのプログラムに関わり、日本語教師育成、教材開発、リカレント教育、外国人就労支援、ボランティアのサポートなどに携わる。パラレルワーカーとして、ウェブライター、編集者、ディレクターとしても働いている。

  • 人材採用・育成 更新日:2024/10/15
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