Matchプロセスで採用活動の質を上げる
採用チームの役割分担では、リーダー、管理担当、採用担当、面接官と分け、責任の所在をはっきりさせます。例えば、リーダーの役割は、チームの人選をし、採用活動の重要性をチーム内に伝達することです。また、職務記述書の原案の作成や、部下が作った採用計画の承認もします。管理担当は、契約書や各種書類について責任を負う役割です。さらに、採用活動に係わるスケジュールの管理や、採用基準の取り決め、タイムキーピングなどを担当します。
採用担当のトップは、採用チームのメンバーに必要なトレーニングを受けさせ、高いレベルの採用試験ができるようにする責任者です。採用面接を実施する際には面接官の配置決めも担当します。面接官は、自分の面接技能を磨くことに専念します。具体的には、電話インタビュー、対話を通して考え方や意見を引き出すインデプスインタビュー、候補者の過去の経験から企業に必要な能力を持った人かどうかを聞き取る、コンピテンシー面接ができるようにします。各ポジションの行動計画をしっかり立て、全員が自分の役割に責任を果たします。
コンピテンシープロファイルは、候補者の知性、コミュニケーション、リーダーシップ、管理能力、性格(精神面の健康チェック)といった項目を軸に、企業に合う特性を持っているか確認するためのチェックリストです。管理能力の項目を例にすると「人に仕事を任せて達成することができる」「問題を自分の担当範囲内で解決できる」「企業の目標を達成するためにチームを活用する方法を知っている」「ビジネスにおいて洞察力がある」などの確認事項をもとに10段階評価をします。コンピテンシープロファイルの見本(英語)は、本書と連動しているWEBサイト(http://www.danerling.com/)に公開されていますが、企業が求める人材をイメージしながら、確認事項を考えるといいでしょう。
電話インタビューでは、職務記述書や必要スキルを書き出したリストをもとに、見込みのある候補者を探します。ここで候補者数を約半分に絞ることによって、可能性のある人たちの面接に時間を多く使えるようになり、採用活動にかかるコストも抑えられます。電話インタビューをするときのポイントを挙げてみましょう。
- 面接の前段階のチェックなので、15分を目安に手短にする
- この段階では、仕事の内容に関する具体的な話をせず、候補者のスキルを確認することに徹する
- 複数の電話インタビューをする場合でも、候補者によって態度が変わらないようにする
- シナリオをあらかじめ用意し、そのとおりにインタビューする
インタビューでは、Yes/Noで答える形式の質問はやめ、候補者が自ら話せるようにします。例えば、ピボットテーブルのスキルと、財務分析の能力が高い人材を探しているときには、次のようなインタビューをします。
- タックスマネージャー(納税管理人)として、現在どのようにピボットテーブルを使っていますか?
- 売掛金回転期間を短くすることを任されたときのことを教えてください。どのような行動をして、どのような結果が出ましたか?
- 人材採用・育成 更新日:2019/01/24
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