企業ニーズに合わせた採用手法の選択が大切!求人広告を作成する手順やポイントを徹底解説
様々な求職者に向けて自社の採用情報を発信することができる求人広告は、現在の採用活動においてメジャーな募集方法の一つです。しかし、一口に求人広告と言っても、新聞や求人情報誌などの紙媒体、求人情報サイトや自社ホームページといったWeb媒体など、求人広告を掲載できる媒体の種類は多岐にわたります。
求人広告を掲載できる媒体の種類
求人広告を用いて採用活動をはじめる場合、まずは媒体の種類や特徴をしっかりと理解しておくことが大切です。まずは、Webにおける代表的な媒体の種類について見ていきましょう。
●求人情報サイト
さまざまな企業の求人情報を掲載している求人情報サイトに求人広告を出稿し、採用活動をする方法です。インターネット上に求人広告を載せるため、24時間どこからでも求職者に求人を閲覧してもらうことが可能です。
採用条件はもちろん、会社の雰囲気や社員の声などの情報も届けることができます。
●ハローワーク
ハローワークに求人を出稿し、ハローワーク内に設置された端末や「ハローワークインターネットサービス」というWebサイト上から、求職者に閲覧してもらう方法です。各項目の文字数上限が厳しいことや、先輩インタビューのような独自のコンテンツを掲載することができないなど、求人情報サイトに比べると載せられる情報に制限がありますが、無料で出稿できるため、コストをおさえて採用活動を進めることができます。
●自社ホームページ
自社ホームページに求人情報を掲載し、求職者からの応募を募る採用方法です。自社ホームページのため、情報を自由に掲載することができ、「代表メッセージ」や「先輩社員の一日のスケジュール」といった独自のコンテンツも、文字数の制限なく掲載することができます。
広告出稿費などは必要ありませんが、アニメーションを活用したページや、デザイン性のあるページにする場合にはWeb制作会社の協力が必要になる場合もあり、その際には別途取材費や制作費が必要になります。 求職者の中には、求人情報サイトで企業の存在を知り、企業ホームページを見た上で応募するという人も少なくないため、採用専用の自社ホームページを作る企業も増えてきています。
●求人検索エンジン
求人検索エンジンは、インターネット上にある求人情報を自動で収集し、掲載してくれるのが特徴です。掲載している求人数が膨大なことから、利用する求職者も多い媒体です。基本的には無料で掲載できますが、より多くの求職者に発見されやすくするには、有料サービスの利用といった工夫が必要です。
●SNS
SNSを利用して求人情報を発信し、採用活動をする方法です。求人情報サイトなど他の媒体とは異なる求職者層にアプローチできたり、情報を自由に発信したりすることができるため、求職者により深く企業理解をしてもらうことが可能です。
媒体には無料のものと有料のものがある
無料で求人広告を掲載できる媒体は、採用コストを抑えられるものの、掲載できる情報に制限がある場合が多いです。逆に、有料の媒体では、自由に情報を発信できるものの、採用に至らなくても費用がかかる場合があります。
このように、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらの媒体の方が良いというものではなく、その時々の状況に合わせて、使い分けていくのがおすすめです。媒体を選定する際のポイントについては、次の章で説明します。
求人広告を作成する前の準備
採用活動に求人広告を活用しようと思った場合、求人広告の文面や条件などを考える前に、行っておくべき準備があります。事前の準備を綿密に行えば、求人広告の作成がスムーズになり、出稿後の効果なども測定しやすくになるでしょう。ここからは、準備段階でやっておくべきことを6つ紹介していきます。
1. 目標の設定
まずは、「いつまでに何人を採用したいのか」という目標を設定しましょう。目標が定まっていないと、急ぎで人材が必要というわけではないのに大規模な求人広告を展開してしまったり、逆に短期間で大量の人材が必要であるにもかかわらず小規模な展開をしてしまったりと、コストに対して思い通りの結果を出すことが難しくなってしまう可能性があります。
目標を決めて、その達成のためにはどのような方法が最適かを考えていくことが、求人広告作成の第一歩となります。
2. 広告出稿のスケジュールを把握しておく
求人広告の出稿にかかる時間は、使う媒体や自社の準備状況によって大きく変化します。例えば、求人広告用の文面や写真などを、これから取材をして作成していく場合には、社内インタビューの手配なども必要になってきます。急ピッチに進めても1ヶ月程度は見ておいた方が良いでしょう。
3. ターゲットの設定
目標を定めたら、採用したいターゲットを設定します。職種や雇用形態などの基本的な情報はもちろん、スキルや人柄、年齢など、求める人物像の部分も明確にしておきましょう。ターゲットが決まることで、使うべき媒体が定まってきます。
4. 媒体の選定
求人広告を掲載できる媒体には、それぞれにメリット・デメリットがあるため、目標や予算、ターゲットに合わせて選定していくことが大切です。媒体選定の際に注目すべきポイントを紹介します。
媒体によって求職者層が異なる
若手求職者の割合が多い媒体や、女性の登録者が多い媒体、エンジニア志望者が多い媒体など、求人広告の媒体によってメインとなる求職者層は大きく異なります。 経験豊富なキャリア層を採用のターゲットにしているにもかかわらず、未経験者や第二新卒のような若手が多い媒体を使っては、高い効果が期待できませんから、媒体ごとの特徴を見て判断していかなければなりません。
媒体毎のプランにも注目
媒体によって、掲載プランの内容も異なります。同じ金額でも、媒体によって掲載期間や掲載順位が異なっていたりするため、出稿した際の効果にも違いが生じてきます。媒体ごとの求職者層の特徴などと併せて、しっかり確認するようにしてください。
媒体に応じて戦略を練る
「上位のプランを選択し、掲載順位を上げることで応募総数を増やす」、「下位のプランで掲載順位は低いけれど、スカウトメールなどに予算を使って採用したい人材に直接アプローチをする」といった具合に、同じ媒体でもさまざまな戦略を練ることができます。
また、求人情報サイトとハローワーク、自社ホームページとSNSなど、異なる媒体を組み合わせるという戦略も効果が期待できるでしょう。媒体によって求職者層や流入経路も異なってきますので、組み合わせることでより多くの人材に求人情報を届けることが可能になり、それぞれの媒体が情報を補完し合うことで、求職者の企業理解や志望度を高めることができます。
5. ペルソナ作成
媒体を選定したら、ペルソナを作成していきます。ペルソナを作成しておくことで、求人広告でアピールしていくポイントやコンセプト、文面などを決める際に役立ちます。また、出稿した求人広告の効果が思ったように出ない場合の軌道修正もしやすくなるため、非常に重要なステップと言えるでしょう。
そもそも「ペルソナ」とは
採用活動におけるペルソナとは、採用したい人材の具体的な人物像のことです。先に触れたターゲットに近いものではありますが、ペルソナはターゲットよりもより深いところの人物像までイメージし、つくり上げなければなりません。
ペルソナを作成するメリット
ペルソナを作成するメリットは大きく分けて2つあります。
1つ目は、求人広告を作成する時のコンセプトやアピールポイントを決めるために役立つという点です。
例えば、作成したペルソナが「自己成長」を強く求めている人物であれば、求人広告においても裁量権の大きさやキャリアステップなどを中心にアピールした方が、よりターゲットに訴求する内容になるでしょう。また、仮に打ち出したコンセプトをもとに作成した求人広告の効果が芳しくない場合には、ペルソナが求める要素を再度イメージし直すことで、新しいコンセプトやアピールポイントを探すこともできるようになります。
2つ目は、採用に関わるメンバー全員がイメージを共有できるという点です。
求人広告作成、書類選考、面接と、採用活動におけるそれぞれの段階で、担当するメンバーによって採用したい人物像がずれていると、選考がスムーズに進まなくなったり、ミスマッチが起きたりすることも少なくありません。ペルソナがあることで、関係者全員が同じ方向を向いて採用活動をしていけるようになるのです。
ペルソナを作成する方法
ペルソナを作成する際には、その人材が実在する人物かのように、事細かにイメージしていくことが大切です。名前、年齢、性別といった基本的な情報から、現在の仕事や与えられた役割、モチベーションの源泉、さらには生活パターンや、自社の求人を見つけるツールや時間帯に至るまで、具体的に描いて行くようにしましょう。次の項目を埋めていくようにイメージすることで、具体的なペルソナを設定することができます。
- 年齢や家族構成、職業、仕事内容といった基本的なプロフィール
- 趣味や一日のスケジュール、よく読む本などのライフスタイル
- 人生や仕事について感じている課題や目標
- 転職や求人に応募する動機と、応募に至るまでのプロセス
ペルソナが抱える現状の不満や、今後の希望などが見えてくれば、それに合わせて自社の強みや特徴をアピールすることができます。
6. コンセプト設定
明確なコンセプトやターゲットがなく、ただ単に自社の強みや特徴を一方的に紹介するだけの求人広告では、競合他社との差別化ができず、期待通りの効果を出すのが難しくなってしまいます。求人広告で効果を出していくためには、コンセプトを絞り、ペルソナを作成して導き出したターゲットに「刺さる」求人広告を作らなければなりません。ここからは、コンセプト設定の方法について紹介します。
自社の強みを分析する
コンセプトを設定するためには、まず自社の強みや特徴について、しっかりと分析していきます。この時に大切なのが、「働く人にとってメリットとなる強みを探す」ということです。「自社商品の性能が高い」ではなく、「商品の性能が高いので、アポイントが獲得しやすい」といった具合に、自社の強みが働く人にとってどのような効果をもたらしているのかまで分析しましょう。
ターゲットが求める要素を検討する
ターゲットとなる求職者が、就職や転職の際にどのような要素を重視しているのかをイメージすることも大切です。給料を上げたいのか、それともワークライフバランスを重視するのか、求職者ごとに想いはさまざまあり、それによって興味関心を惹かれるポイントも変わってきます。
「ターゲットが求めているのはどのような要素なのか」を分析するために、例えば、社内で活躍している人材に「入社の決め手となったポイント」をヒアリングしたり、面接に来た求職者に「自社のどこに興味を引かれたか」を聞いてみたりすることも有効です。
最も訴求力が強い要素をコンセプトに据える
自社の強みと、ターゲットの求める要素を分析できたら、その中から最も訴求力が強いであろう要素を、コンセプトに据えるようにします。「給料も高いし、休みも多いし、社員同士の仲も良い会社です」といった具合に、多くの要素を盛り込みすぎてしまっては、逆に印象が薄くなってしまい、興味関心を惹きにくくなってしまいます。
自社の強みをアピールしやすく、かつ求職者も求めている要素を一つだけピックアップし、コンセプトとするようにしましょう。
ここまでで紹介してきた準備を行ったうえで、いよいよ求人広告の内容について考えていきましょう。ここからは、実際に求人広告を作成する際のポイントを紹介していきます。
求人広告でアピールすべき要素
求人広告は、大きく分けて「キャッチコピー」「記事文面」「応募条件・労働条件」「社員インタビュー」の4つの項目で構成されており、それぞれが重要な役割を果たしています。また、求人広告は一度作成して終わりではなく、PV数や応募数などの数字を追いながら、PDCAを回して適宜修正していくことが大切。キャッチコピーを変えるだけで、応募の数や質が大きく向上することもあるのです。
ここでは、各項目の作り方や、アピールすべき要素について紹介します。
1. キャッチコピー
求人広告のキャッチコピーは、求職者が最初に目にするワードとなります。キャッチコピーで求職者を惹きつけることができなければ、記事文面を読んでもらえないでしょう。また、人が瞬時に認識できる言葉は13文字以内とも言われており、基本的には短く簡潔にまとめていきたいものです。限られた文字数の中で自社の魅力や特徴を分かりやすく伝えるためにも、以下のポイントを意識して制作してください。
コンセプトをキャッチコピーに落とし込む
準備段階で設定しておいたコンセプトをキャッチコピーに落とし込みます。ただし、「研修制度が充実している」ことをコンセプトに据えたからといって、そのまま「研修制度がとても充実している会社です」としてしまっては、メッセージ性の少ないキャッチコピーになってしまいます。キャッチコピーに落とし込む際には、次に説明するポイントを意識して、ターゲットに刺さるキーワードをしっかり選定することが大切です。
ターゲットに刺さるキーワードを選定する
例えば、「充実した研修制度」をアピールするのであれば、ターゲットが「なぜ研修が充実している会社を探しているのか」を考え、その気持ちに応えるキーワードを探していきます。
ターゲット自身が「未経験者であることを不安に感じている」と想定するのであれば、「経験者お断り!」といった言葉を使ってみるのも一案です。「未経験者でも大丈夫なんだ」という安心感を与えると同時に、その理由として「研修制度が充実しているから」だと記事文面で説明していく流れを作ることができます。
言葉をブラッシュアップする
キャッチコピーを作成する際は、「一目で意味を理解できるキャッチコピーにする」という視点を忘れないようにしてください。一目見た時に意味が分かりづらいキャッチコピーは、そこで求人への興味がそがれてしまう可能性があるためです。むしろ、シンプルで率直なメッセージの方が、企業の雰囲気や思いが伝わりやすくなることもあります。
キャッチコピーは一つだけでなく、いくつも案を作成し、言葉をブラッシュアップしていきましょう。ターゲットに近い年齢やキャリアの社員に、どれが最も印象に残るキャッチコピーかアンケートを取ってみるのも一つの方法です。
2. 記事文面
キャッチコピーなどによって求職者に芽生えた会社への興味を醸成させるのが、記事文面の主な役割です。求人広告の各項目の中でも文字数が多く、情報量も多いため、ターゲットとなる人材が求める情報をしっかりと届けなければなりません。
求職者が特に知りたい情報は、「どのような仕事をするのか」と「働くことで得られるメリットは何か」ということ。他の会社や仕事では得られない、自社ならではの魅力を発信することを心がけましょう。
仕事内容は具体的に分かりやすく
仕事内容は、求職者が非常に重要視するポイントですので、具体的に分かりやすく記載することを心がけてください。
例えば「営業職」なら、「BtoBなのかBtoCなのか」、「新規営業なのか、ルート営業なのか」、「扱う商品の知名度や、競合と比べての優位性は何なのか」など、盛り込める情報はさまざまです。仕事内容が具体的に記載されていることで、求人広告を見た求職者が自らの働く姿をイメージしやすくなり、応募につながる可能性が高まります。
自社で働く魅力を伝える
他の会社や仕事では得られない、「自社で働くからこその魅力」も、しっかりアピールしていきましょう。「キャリアステップの選択肢が豊富」、「裁量権が大きく自分のアイデアを仕事に反映できる」、「研修が充実していて成長できる」など、ターゲットとなる人材が最も魅力に感じるであろうポイントを、重点的に発信してください。
ターゲットに合わせて文体を工夫する
「社員同士の仲が良く、質問や相談がしやすい環境」と伝える文章が、まるで役所の書類のように硬い文体になってしまっていては、魅力を伝えきることはできません。ターゲットや打ち出したい魅力に合わせて、真面目な雰囲気を出したり、フレンドリーな雰囲気を出したり、使い分けていくことが大切です。
3. 応募条件・労働条件
応募条件や労働条件は、求職者が特に注目するポイントですが、会社の規定に沿ってある程度フォーマット化していることも多く、あまり意識せずに記載しているかもしれません。しかし、応募条件や労働条件の記載方法を工夫し、細かい部分まで明確に記載することで、求職者に安心感を持ってもらえたり、入社後のミスマッチを防いだりすることができます。
応募条件は「必須条件」と「歓迎条件」を分ける
何が「必須条件」なのか、何が「歓迎条件」なのかが区別されずに記載されているケースは少なくありません。本来は歓迎条件であったものが、求職者に必須条件だと思われてしまっては、応募に繋がらなくなってしまいますし、逆に、必須条件を歓迎条件だと思われてしまっては、採用に繋がらない応募をさせてしまうことにもなりかねません。
必須条件と歓迎条件を使い分け、それらがしっかりと求職者に伝わるようにしましょう。
労働条件は分かりやすく明確に
求人広告には、「勤務時間」「勤務地」「休日・休暇」「給与」「諸手当・福利厚生」などの労働条件を、分かりやすく明確に記載するようにしましょう。
例えば、「休日・休暇」について書く際は、「完全週休二日制」と書くだけでなく、夏季休暇や年末年始休暇の日数、年間休日を記載したり、「諸手当」について書く際は、「インセンティブ有」と書くだけでなく、「どのような条件を満たすとどれだけの金額が支払われるのか」を明確に記載してみましょう。
細かい部分まで詳細に書かれていれば、求職者の信頼獲得にもつながります。また、「残業が少ない」、「福利厚生が充実している」など、会社の魅力を発信する場としても活用できるため、細かい部分まで丁寧に記載することを心がけてください。
NGワードや記載してはいけないことが書かれていないかチェック
求人広告においては、原則として「年齢」や「性別」、「国籍・居住地」や「性格」を問うことはできません。そういった内容があった場合、掲載許可が降りなかったり、掲載中の求人広告が止められてしまったりする可能性があるため注意しましょう。
ただし、例えば性格について、「元気な人」はNG表現となりますが、「元気に挨拶できる人」と言い換えれば、それは「能力」を問うものとなり、記載が可能になる場合もあります。NG表現を避けつつ、自社が採用したいターゲットに届くように表現を工夫してみましょう。
4. 社員インタビュー
社員インタビューとは、企業の社員に入社理由や仕事内容、企業の魅力、今後の目標などについて質問し、記事としてまとめるものです。実際に働く社員の声は、よりリアルな社風や企業の印象を求職者に伝えることができます。
「この人のようになりたい」「この人と一緒に働きたい」と求職者に感じてもらえれば、志望動機を醸成することもできます。また、実際に企業で働く姿をイメージしてもらうことで、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。ここでは、社員インタビューを制作する際に押さえるべきポイントを見ていきましょう。
求職者が知りたい情報とマッチさせる
採用ターゲットとなる求職者が知りたい情報にマッチさせた社員インタビューにすることが大切です。
例えば、職歴の浅い第二新卒がターゲットの場合、「どのような教育体制が整っているか」、「未経験でも安心して成長できる環境か」といった点に興味を持つでしょう。
一方、ある程度キャリアを積んだ人材がターゲットであれば、「この企業でどのようなスキルを活かせるのか」、「他の中途採用者はどのような活躍をしているのか」といった点に興味があると考えられます。準備段階で設定しておいた採用ターゲットが知りたいと感じている情報をイメージし、社員インタビューの質問内容や構成を考えましょう。
ターゲットに合った社員を選ぶ
キャリア採用をする予定にも関わらず、社員インタビューの対象がキャリアの浅い新入社員では、求職者にとって仕事内容やキャリアステップがイメージしづらい内容となってしまう可能性が高いでしょう。また、営業職を募集するのに事務職の社員にインタビューした場合も、伝えられることに齟齬が生まれることになるでしょう。
募集職種やキャリアの年数、求める人物像など、採用ターゲットやペルソナの姿に近い社員を選んでインタビューすることをおすすめします。
社員一人ひとりのストーリーを表現する
社員インタビューは、どれだけ質問を深掘りできるかにかかっていると言っても過言ではありません。一問一答形式のようでは、社員本人の魅力も企業の魅力も伝えることができなくなってしまいます。
そのため、社員インタビューでは「なぜそう思ったのか?」を深掘りし、それに付随するエピソードを聞き出すようにしましょう。エピソードとともに社員インタビューを制作し、一人ひとりのストーリーを表現することで、社員や企業の魅力が伝わる内容となります。
求人広告と併せて求人LPを活用する方法
LP(ランディングページ)は、検索結果や広告などを経由して、訪問者が最初にアクセスするページのことです。志望度が高い求職者は、求人広告だけでなく、企業ホームページなどからも情報を得ようとする傾向にあるため、採用につながるLPを作れば、応募率の増加や企業理解を深めることが期待できるでしょう。
また、LPは1ページで完結するため離脱率が低く、内容に関しても企業ホームページなどと同様、自由に作成することができるのも強みの一つです。ここでは、求人LPを活用するポイントについて紹介します。
求人広告とトンマナを合わせる
トンマナとは「トーン&マナー」の略で、デザインやテイストの一貫性のこと。求人LPの特徴として、自由度の高さが挙げられますが、求人広告では真面目な雰囲気で写真や文章が作られているのに、LPではユーモアあふれる雰囲気になっている場合、それを見た求職者は、企業の本当の姿や様子が分からなくなってしまう可能性があります。
求人広告と求人LPを組み合わせる場合でも、トンマナを合わせてベースとなるデザインや雰囲気を崩し過ぎないようにすることが大切です。
求人広告に載せきれない自社の魅力を見せる
求人広告は文字数や写真の点数などに制限があるため、必ずしも自社の魅力のすべてを載せられるものではありません。そうした求人広告に載せきれない部分を求人LPで補完すれば、求職者に届けられる情報量が多くなり、志望度を高めたり、企業理解を深めたりしてもらうことができます。
ただし、むやみに多くの情報を載せるだけでは、最終的な目標である応募に繋がりづらくなる恐れがあります。求職者が興味を持ち、読み進めることで志望動機が醸成され、応募したいと思ってもらえるように、情報を掲載する順番や構成を工夫しましょう。
リスティング広告の活用など、ターゲット層に届ける工夫をする
求人LPの効果を高めるには、リスティング広告などを活用して集客に繋げる工夫をすることが大切です。自社求人と関連性の高いキーワードを選んだり、年代や地域などを絞ったりすることで、狙っているターゲット層に向けて情報を届けることができるようになるため、募集の効果を高めることができます。
求人広告の掲載写真を撮影・選定する際の注意点
求人広告では、文章だけでなく写真を掲載できる媒体も少なくありません。写真から伝わる情報量は多く求職者の目にも留まりやすいことから、目的をもって撮影・選定していく必要があります。明確な意図を持たずに社内を撮影しただけの写真では、場合によっては会社の印象を悪くしてしまうこともあるでしょう。
ここでは、求人広告の写真を撮影・選定する際の注意点について紹介します。
コンセプト・ターゲットに合った写真を撮影する
たとえば、第二新卒をターゲットとしているのに、写真に若手が一人も写っていなかったり、社員同士の仲の良さをアピールしているのに写真に写る人たちが個人で黙々と作業をしていたりしては、せっかく打ち出したコンセプトやアピールポイントが正しく伝わりません。コンセプトやターゲットに合った対象の写真を撮影することが大切です。
職場や仕事がイメージできる写真を掲載する
「社員同士の仲が良い職場です」と文章で伝えるよりも、和気あいあいとした社内の様子を撮影した写真の方が、求職者の不安を払拭しやすく、より興味を持ってもらいやすくなるでしょう。また、宣材用に撮影した商品の写真よりも、スマホで撮影した懇親会の写真の方が、求職者に働くイメージを持ってもらえるケースも少なくありません。写真を選定する際は、具体的に職場や仕事の様子が伝わるようなものを選びましょう。
著作権や肖像権に注意
写真を選定するときは、著作権や肖像権に注意しましょう。
例えば、本人の許可を得ていないにも関わらず、すでに退職した社員が写ってしまっていたり、著作権のあるポスターが写ってしまっていたりした場合、途中で写真の差し替えが必要になったり、トラブルに発展する場合もあります。新しく写真を撮影する際には、周りの様子に十分注意し撮影するようにしてください。
また、「以前使ったことがある写真だから」といって、改めて確認することなく掲載するのも避けましょう。
応募者増加に至った求人広告の5つの成功事例
求人広告の各項目を作成する際のポイントについて紹介してきました。ここからは、実際に応募者数増加などの効果を出した企業の実例をご紹介します。
1. 必須条件を明確にした事例
アプリ開発エンジニアを募集していたIT企業のA社は、長年、経験者採用に取り組んでいました。しかし、転職サイト上での応募数が伸び悩んでおり、求人広告の内容を見直すことにしました。 これまでの応募条件は、即戦力となる理想の人物像をイメージして記載していましたが、必須条件を洗い出したところ、経験よりも年齢の方を重視していることが分かりました。そのため、若手採用を行うために未経験者歓迎とし、「若年層の長期キャリア形成のため」という理由で年齢を表記することに。
その結果、若手人材だけでなく即戦力クラスの人材も複数名採用することができました。
(※求人を掲載する際の年齢制限は原則認められていません。ただし、上記のケースのように、長期勤続によるキャリア形成の観点から、職業経験を問わず、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合には、上限年齢を記載することが認められます。)
2. 会社の雰囲気を魅力的にアピールした事例
インターネット上で音楽・動画を配信するサービスを提供するB社には、トレンドに敏感でクリエイティブな社員が多く在籍していました。
その雰囲気になじめる社員を募集するために、求人広告では明るい会社の雰囲気を強く打ちだすことに。経験者の若手人材の採用を目指していましたが、年齢を記載できないというルールがあるため、20代の社員の写真をメインで使用し、若手がイキイキと働いているイメージを伝えられるよう工夫しました。
その結果、B社の社風になじむ明るい若手人材を採用することができました。
3. ターゲットを絞ることで応募の質を上げた事例
飲食店の店長候補を募集していたC社は、「やる気を重視したい」との思いから、「経験不問でやる気のある人材」といった採用ターゲットを設定し、アピールしていました。
しかし、応募も少なければ、面接に来た人のマナーも良くないという悩みを抱えていました。「やる気を重視」や「経験不問」というメッセージが全面に出ていることで、「誰でもいい」と思われているのではないか、と考えて求人を見直し、あえてターゲットを絞り、福利厚生や休日休暇など、長く安心して働ける環境をアピール。
その結果、採用に苦戦しがちな飲食業でありながら、3名の採用に成功するとともに、応募の質が大幅に改善しました。
4. 印象的なキャッチコピーで競合との差別化を図った事例
未経験からのネットワークエンジニアを募集していたD社は、給与や福利厚生といった部分で競合に勝る部分が少ないことから、「トモダチ」をキーワードにしたキャッチコピーを作成。社員同士が友達のような関係性だから、わからないことも聞きやすく、のびのび働けるということをアピールしました。
競合他社の多い業界でありながら、コンスタントに採用数を重ねることに成功しています。
5. 研修制度の充実などをオリジナルの社内制度を使って表現した事例
建設業界向けの人材派遣業を営むE社は、施工管理職の募集を行っていました。特に研修制度に力を入れていた同社は、「社内スクール制度」や「未経験者向けの特別研修カリキュラム」があることを大々的にアピールしました。
キャッチコピーはもちろん、仕事内容や先輩インタビューなどの部分でも繰り返し触れることで、未経験者に安心感を与え、応募数・採用数ともに増加させることに成功しました。
まとめ
- 人材採用・育成 更新日:2023/02/02
-
いま注目のテーマ
-
-
タグ
-