「前向きな人、大歓迎」はNG!?自社への応募が何倍にもアップする求人広告の書き方
多くの求職者にとって、求人広告は「その企業の第一印象」となるものです。書かれている内容が魅力的であれば、企業に対して大いに興味を持ってくれるでしょう。でもそうでなければ、実際はどんなに良い企業であったとしても、求職者は見向きすらしてくれません。
にも関わらず、「他の企業の書き方を真似ておこう」「これまで書いてきた内容と同じような感じでいいや」と考え、惰性で作っている人事担当者は意外なほどたくさんいます。そうして作られた魅力のない求人広告が、数えきれないほどの応募を取り逃してきたこと、あなたは気づいていますか?
今回は、求人広告を魅力的なものにするコツをご紹介します。ここに記載されていることを実践するだけで、グッと求職者の心に届く文章が書けるようになるはずです。
さて、いきなりですがクイズを出します。次のフレーズの中で、求人広告として効果的で“ない”ものはどれでしょうか?
・コミュニケーションスキルの高い方、Wanted!
・前向きな人、大歓迎
・やる気のある人以外、いりません
・論理的思考の出来る人、集まれ!
この記事を読んでいるあなたも、似たような内容のものを目にしたこと、書いたことがあるのではないでしょうか。果たして正解は?実を言うと、全て効果的ではありません。なぜなら、これらのフレーズは「企業側から求職者側に対して要求している」内容でしかないからです。
求人広告を出す目的は、求人に対して応募してもらうこと。そして、面接を受けてもらうことです。だからこそ、求人広告に記載するのは求職者の視点から見て「この会社、良さそうだな」と感じさせる内容でなければいけません。
「企業目線」から「求職者目線」へ。これが、良い求人広告を書けるようになるための第一歩です。
星野グループがこうしたポリシーを持つに至ったのには、ある中心的な社員の死が関わっていたといいます。かつて大番頭として辣腕を振るった方の肺がんによる死が、社員の全面喫煙禁止、就職希望者に対する禁煙遵守につながったのです。
条件だけを見れば、「喫煙者にはチャンスを与えない」という施策は賛否が分かれるところでしょう。もしあなたが喫煙者であった場合、求人情報の中に「喫煙者不可」とあったなら、よほど就職したい企業でない限り、普通は受け入れるのが難しいかもしれません。
しかし、社員の喫煙を禁止するというトピックをあえて大々的に取り上げることで、「企業の持つストーリーやマインドに共感する求職者」が表れてくれるのです。これにより、他社の採用活動との差別化や、企業のブランディングが可能になります。
つまり「禁煙」のように、どんな企業でもできる施策であっても、そこに「ストーリー」を加えることで魅力的なアピールポイントにできるのです。これは、「自社にはアピールすべき特徴なんて無い」と考えている人事担当者にとって、大いに参考にすべき点でしょう。
また、同社は採用ページの中で「作業効率」「施設効率」「職場環境」といった観点から、企業として社員の喫煙を支持しない理由を説明しています。この理由づけにより禁煙への納得感を高めていることも、同社の施策が上手くいっている理由のひとつと言えるでしょう。企業の「ストーリー」と、それを裏づける「理由」は、必ずワンセットで考えるべきなのです。
時おり、担当する業務内容や必要なスキルの条件を、求人広告にびっしりと記載している企業を見かけます。ですが、採用を成功させるには、そのような書き方はなるべく避け、「ほどよく中途半端」にしておかなければいけません。なぜなら、記載内容があまりに事細かに書かれていると、そこにデメリットが生まれるからです。
具体的には、詳しい業務内容を読むことで「自分には無理そうだ」と考え、諦める人が出てきます。仕事のハードルが高いと感じた時点で、求職者は応募してくれなくなってしまうのです。そうなってしまうと、全てのことはできないが、能力そのものは優秀という人材を取りこぼしてしまいます。
求人広告の目的は、できるだけ多くの方に応募してもらうことです。だからこそ、そこであまりにもカッチリした条件を設けるのではなく、「これなら自分にもできるかも」と思ってもらえるように間口を広げた書き方をしておくことが重要です。
また、曖昧な情報があることによって「面接がより効果的になる」という副次的な効果もあります。これはどういうことかというと、求職者は多くの場合、求人広告を読みこんだ上で面接に臨んできます。その上で、内容に不明な点があれば、面接で確認しようと考えるでしょう。
確認する内容は、担当業務や残業、人間関係など様々なものがあると思いますが、それが求職者にとって「一番気になる内容」であるのは間違いないはずです。そこで聞かれたことを元にすれば、面接官は相手の人となりや価値観を判断することがより容易になります。
- 人材採用・育成 更新日:2017/11/07
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