360度評価・多面評価とは|評価制度を解説するシリーズ
良い組織を作るために人事担当者がすべきことは、組織を構成する人材を得るための、採用や育成業務だけではありません。
せっかくの良い人材も、その働きを正しく評価し、見合った報酬を与えなければ、力を発揮することなく宝の持ち腐れになります。それを防ぎ、組織を円滑に回すために必要なのが「評価制度」です。
しかし、評価制度はその他の人事業務と比べて、指標や手段が多種多様で難しいところがあります。経営や人事側の意図が、一般社員になかなか伝わらないことも多々あるでしょう。
加えて、「完璧な評価制度はない」とよく言われるように、どの評価方式も一長一短です。適応を間違うと、組織にとって逆効果になりかねません。
そこで本連載では、各評価制度についての概要やメリット、そして適応にあたり注意すべき点などを解説していきます。第1回目である今回は、その中でも「360度評価」にフォーカスを当ててみましょう。
360度評価は、「専門家の見解よりも、一般的な人々の意見や感覚をまとめたほうが、予測精度の高さや適応力の高さを示すことがある」という思想に基づいています。つまり、個々人よりも多くの人が考えたこと(集合知)の方が、より正確であるという考え方です。
ただし一方で、集団浅慮(グループシンク)と言って、優秀な個々人が集まって、愚かな判断をすることがあるというのも事実。集合知は常に正しいというわけではありません。集団による評価が優れた集合知になるのか、愚かな集団浅慮になるのかによって、360度評価の成否は大きく左右されます。
では、どうすれば集団での評価が優れたものになるのでしょうか?次項目から解説していきましょう。
- 労務・制度 更新日:2017/05/30
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