データを用いて強い組織をつくる!「ピープルアナリティクス」の活用方法とは
採用を行ううえで、「採用のミスマッチ」は絶対に避けたいもの。「期待して入社したものの、いざ業務に取り組んでみたらミスマッチだった」という問題が起きれば、本人のモチベーションは激しく低下することでしょう。加えてパフォーマンスの質が落ちれば、周囲の生産性にも大きく影響します。
ミスマッチが起こる原因のひとつは、意思決定の際に採用担当の感情バイアスがかかることにあります。「この人なら頼れるかもしれない」、「あの部署に配属すれば、きっと活躍できるだろう」という理由から採用、配属した結果、思うような働きが見られないケースも珍しくありません。同時に、応募者が実施したその場限りの対策が偶然にもプラスイメージにつながれば、能力不足だったとしても選考を通過してしまうこともあるでしょう。
ただ、これらの判断基準はあくまでも採用担当の先入観であり、応募者の中にはイメージと実際の働きに差異があった場合はミスマッチとなります。だからこそ、ピープルアナリティクスは応募者の属性を分析、客観的な視点から「本当に自社とマッチするのか」をもとに採用を行うことに優れているのです。
ある企業では、カード型やウェアラブル型の機器を従業員に身につけさせ、休憩のタイミングやコミュニケーションを取っている相手、業務を行っている場所をデータとして収集しているといいます。ここで得られたデータを分析することで、数値的な面から業務効率を向上させるための取り組みが可能になります。
実際にアメリカのあるコールセンターでは、業務効率を重視していた背景から「シフトに穴を開けないため、休憩は各々でとること」を決めていました。しかし、ピープルアナリティクスとして従業員の行動を収集、分析した結果、「同じタイミングでチームごとに休憩をとったほうが、コミュニケーションが活発化、生産性が向上すること」が明らかになりました。この事例からもうかがえるように、ピープルアナリティクスでは、数値をもとに確実な業務効率の向上が叶えられます。
ピープルアナリティクスにより得られる従業員のデータからは、休憩スペースの設置や普段の席順など、職場環境の改善に向けたヒントを得られます。
職場環境の改善は、従業員と人事の間に生じたギャップによって大きな効果が得られないケースも見られます。「話題だから、この制度を導入してみよう」、「成功事例が多いから、新しくこの設備を入れてみよう」と人事の判断により福利厚生を追加しても、プラスにはたらくとは言い切れません。満足度の向上につながらないどころか、「社員の要望を拾ってくれない」という不信感がつのり、退職する社員が出てくることも考えられるでしょう。
しかし、ピープルアナリティクスでは実際の社員の行動にもとづいたデータを収集するため、本当に必要とされているものがわかり、職場環境の改善ができるのです。
- 労務・制度 更新日:2019/10/29
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