IoTで建設・土木分野の就業環境を改善!最新の建設・土木現場とは
建設・土木の工事現場における作業自動化と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?
工事現場の重機類は、通常は人が操作するものです。工事現場の作業自動化などということは、今までは夢物語でした。しかし近年は、2020年からの5Gサービス開始を追い風としたIoTの普及が加速度的に広がったことで、重機類も遠隔で操作できるようなシステムが導入されはじめています。
現在、IoTのような最新技術を応用して、建設・土木現場の就労環境を改善する取り組みが各社で推進されています。国土交通省での建設・土木分野のスマート化の取り組みとして『i-Construction』と呼ばれる施策では、就労環境改善が重要項目として定義されています。
今回はIoTを中心に最新の建設・土木現場の内容についてお伝えしていきます。
IoTを導入すれば作業は人の手を離れ、機械で自動対応できることが多くなっていきます。
しかし、重機の操作などは建設機械施工技士などの資格が必須で、加えてデータから現場の異常を判断するにも有識者が必要です。ただし、データの取得目的さえ把握できていれば、データの内容はわかりやすいため、有識者であればデータから現場の状態を見通せます。
『i-Construction委員会報告書』の統計データによれば、技能労働者約340万人のうち、今後10年間で約110万人が高齢化等により離職すると出ています。現在の建設・土木の現場では、従来の3Kを払拭し、新しい3K(給与がよい、休暇がとれる、希望がもてる)を早急に定着させ、有識者の離職に歯止めをかけることが求められています。その観点からもIoTの力は必須といっても過言ではないでしょう。
大きな企業であれば社内IT部門を抱えている可能性もあります。しかし自社内にIT部門が存在しない場合は、外部からのITスペシャリスト採用も検討しましょう。特に建設・土木分野は、現場に関わるシステムの構築経験が豊富な人材の採用が効果的。現場の人員にとって使いやすいシステムは何か理解している人材であれば、IoTシステムを単純に導入するだけでなく、現場の事情を考慮したIoTシステムを構築できるでしょう。
また現場の職人は、コンピュータの使用に慣れていないこともあるため、労働環境の改善にあたっては、根気強い説明が必要になることもあるでしょう。
IoTを含むICTを積極的に取り入れることで、現場の重機の遠隔操作や品質管理の自動化などで労力を削減し、働きやすい建設・土木の就業環境の構築を目指していけます。また、デジタルツインなどで保全タイミングを予知することにより、突発的な故障の確率を抑制でき、事故や作業中止などのリスクを最小限にとどめられます。
IoTをはじめとした最新技術により、人手が必要な作業はどんどん自動化されていく傾向にあります。しかしながら、重機の操作や現場の状況判断に経験者が必要なことも事実なので、新3Kを早急に適用し、人材流出を防ぐことは必須です。IoTシステムのインフラ構築や保守・管理に対応するため、必要に応じてITスペシャリストの採用を検討する必要があるでしょう。
- 経営・組織づくり 更新日:2020/03/25
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