2021年新卒採用は6月以降どのような動きになるのか ~「<緊急>2021年卒 マイナビ企業新卒採用予定調査~新型コロナウイルス感染拡大の影響~」より~
では、今後の採用活動についてスケジュール(図4)を見てみましょう。
先述したとおり、緊急事態宣言下では、「対面」で実施する活動を延期する傾向がみられたため、当初の解除予定であった5/7以降、5月下旬~6月上旬にかけて活発化していくであろうと予想されていました。しかし、実際には緊急事態宣言は延長され、5月14日、21日と段階的に解除され、最終的には25日に全国で解除されました。そのため、採用スケジュールについては、実施時期がなだらかに半月ほど後ろにずれ、5月末から徐々に活発化することになるだろうと考えられます。
そういう意味では、東京オリンピック・パラリンピックの開催が延期されたことにより、夏~秋にかけて採用活動が継続できることは不幸中の幸いであったと感じざるを得ません。
全く元通りにはならないだろうとみるのが一般的ではないでしょうか。
新型コロナウイルスの有効な治療法やワクチンが開発されるまで、ある程度、共存していく覚悟は必要であり、緊急事態宣言解除後も新しい日常生活のあり方を模索していくことになっていくでしょう。
4月に実施した同調査において「2021年卒 採用活動において懸念すること」を自由記述いただいたコメントがあるので、共起ネットワーク(図5)を作成し、採用担当の方の気持ちを探っていきたいと思います。
*自由記述をKH Corderを用いて分析。共起ネットワークとは…自由記述内でよく一緒に出現し共起する語を線で結んだ図。強く結びついた部分ごとにグループ分け・色分けされる。
自由回答で得た2021年卒の懸念では主に、以下のような回答が得られました。
■十分な機会が得られていないことに起因する応募者数減少への懸念
■WEB化によるコミュニケーション不足への懸念
⇒「ミスマッチ」「理解不足」「内定辞退増加」への懸念
もちろん多くが採用活動の実施、成功できるのかといった懸念でした。
そして、上記のような採用活動の結果に対する不安とは別で、
■採用選考の場が新型コロナウイルス感染拡大の場になってしまうのではという懸念
が挙げられました。
採用担当者、学生双方にとって感染リスクがゼロでない以上、今後、対面での会社説明会や面接が増えたとしても、感染リスクへの対策は並行して行われるだろうと思われます。
政府から出された「新しい生活様式」に照らし合わせて考えると
- 都道府県をまたぐ移動が必要な学生にはWEBでの実施も可とする
- 会場には消毒液を設置する
- セミナーや面接時もマスク着用を許可する
- 会場は常に換気しておく
- 学生同士だけでなく採用担当者との距離も2メートル以上となる座席配置を行う
など、方法は様々考えられます。
学生にとって就職活動は人生の大きな決断につながる大切な活動です。
様々な制約はありましたが、想定外の状況にどれだけ柔軟にそして前向きに取り組めたのか、また新しい価値観を取り入れることができたのか、学生にとっては大きな成長のきっかけになることでしょう。
企業側の採用活動においても、これまで以上にコミュニケーションを大切にしながら、新しい形式にチャレンジしていくことになるでしょう。
先行きが見えない状況だからこそ、今後もリサーチ等を通じて、どのような採用活動が今求められているのかを提示していきたいと思います。
本コラムで提示した調査は以下からもアクセスいただけます。
- 人材採用・育成 更新日:2020/05/29
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