大学生は働くことに何を求めるのか:その特徴と変化
「保証」を志向する程度は、男子学生・女子学生とも2011年度まで高まったが、その後2004年度よりは高い水準にあるものの緩やかに低下する傾向が認められる。この傾向が意味するものを理解すべく、「保証」尺度を構成する項目での比較を行った。取り上げた項目は長期的な雇用の安定性を意味する「1つの会社でできるだけ長く働くこと」と、会社への忠誠心を意味する「自分を犠牲にしてでも、上司や会社のために目標を変更すること」である。
図3・図4から、大学生が1つの会社で長期的に働きたいという志向性は2004年度以降高まり、その水準を維持しているものの、自分を曲げてまで会社や上司に合わせようという志向性は低下しており、後者の動きが2011年度以降の「保証」を志向する程度を低下させている可能性が指摘できる。大学生の「保証」は「長期的に1つの会社で働き続けたいという意向を持ち、会社する忠誠心も重視する」という方向で高まったのちに、「長期的に働きたいが、会社に対する忠誠心は重視しない」という方向へと質的に変化していると言える。
- 人材採用・育成 更新日:2017/07/10
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