従業員満足度(ES)とは? メリットや調査方法、高めるコツも解説
1.企業理念・ビジョンへの共感
企業理念・ビジョンへの共感は、従業員満足度を構成する要素の1つです。企業理念やビジョンが社員の思いと一致していれば、社員は会社に対して誇りを持ち、積極的に自社に貢献しようと努力します。結果的に社員のモチベーションが保ちやすくなり、従業員満足度の低下を防げます。
2.マネジメントや評価に対しての納得感
マネジメントや評価に対しての納得感も、従業員満足度を構成する要素といえます。マネジメントとの関係が良好の場合や、適正な評価がされていると感じている場合は、マネジメントへの納得感が高まり、従業員満足度が向上するでしょう。
3.社会・会社業績への参画度
従業員満足度を構成する要素として、社会や会社業績への参画度が挙げられます。「自分の業務が社会や会社によい影響を与えられている」と感じることは、従業員満足度を向上させるうえで欠かせません。
4.職場での人間関係
職場での人間関係も、従業員満足度を構成する要素の1つです。職場で良好な人間関係が築けると、安心して自分の意見を発信でき、従業員満足度が高まります。一方で、職場での人間関係がこじれると、社員のストレスにつながってしまうおそれがあります。
5.快適な職場環境
快適な職場環境であることも、従業員満足度を構成する要素として重要です。社員が活用しやすい福利厚生や、ワークライフバランスが実現できる就業規則などを提供することで、社員のモチベーションが高まり、従業員満足度が向上します。
1.生産性が向上する
従業員満足度が高まると、生産性向上につなげられます。社員のモチベーションが高まり、社員が能動的・自律的に仕事に取り組めるようになるためです。意欲的に仕事に取り組む社員が増えると、他の社員のモチベーションを高められるため、会社全体としてのメリットもあります。
2.社員が定着する
従業員満足度を高めることで、社員の定着率アップが見込めます。社員の帰属意識が高まることで、人材の流出を防げるためです。社員の定着率が高まれば、採用・人材育成へのコスト削減にもつなげられます。また、勤続年数の長い優秀な社員が増えることで、会社の業績が安定するでしょう。
3.顧客満足度(CS)が向上する
従業員満足度が高まることで、顧客満足度の向上に結びつけられます。顧客満足度は、CS(Customer Satisfaction)とも呼ばれます。従業員満足度が向上すると、社員のパフォーマンスが高まるため、社員が自社の商品やサービスに自信を持つようになり、商品やサービスの質の向上が図れます。
1.調査の目的を明確にする
従業員満足度を調査する際には、まずは調査の目的を明らかにし、社内に周知しましょう。目的を明確にせずに実施すると、課題に対する解決策を見つけられず、調査結果を有効活用できないこともあります。目的を決める際には、「社員の意欲を向上させるため」のように、可能な限り詳細に設定することが大切です。
2.設問を策定する
調査の目的を明確化したら、目的に沿った設問を策定しましょう。基本的な設問項目として、業務内容・業務負荷・人事評価制度・職場環境・上司・会社に関する項目などが挙げられます。ただし、設問構成は、一般職や管理職などの立場や役割によっても異なります。設問数が多すぎると回答者の負担になってしまうため、策定する際には注意が必要です。
3.調査を実施する
設問を策定できたら、調査を実施しましょう。回答内容に職場の人間関係やプライベートな内容が含まれる場合は、回答内容の守秘のために外部機関・第三者機関に委託する場合もあります。調査の目的や概要、開示範囲について、事前に社員に説明しておくと、調査の回答率を上げられるでしょう。
4.調査結果を分析する
調査を実施したら、結果を分析しましょう。集計方法は、単純集計・クロス集計・構造分析があります。それぞれ特徴が異なるため、適切に組み合わせて、課題や原因を明らかにすることが大切です。特徴は、以下の通りです。
- 単純集計:項目ごとの合計・平均値を集計する方法
- クロス集計:条件を設定し、それぞれの傾向を比較する方法
- 構造分析:設問間の相関・因果関係を分析する方法
5.対策・施策を検討する
分析結果をもとに、解決するための対策・施策を検討しましょう。労働時間や賃金、人事制度、福利厚生の見直しなどが一般的ですが、課題内容によって対策・施策はさまざまです。対策や施策を実施するためには、関係各所へ協力が必要となるため、会社全体を巻き込んで実施しましょう。
企業理念・ビジョンを社員と共有する
従業員満足度を高めるためには、企業理念やビジョンを社員と共有することが大切です。企業理念・ビジョンを社員個人の目標に落とし込むことで、社員のエンゲージメントが高まり、会社全体の一体感が増します。ミーティングや会議などで、企業理念やビジョンを確認する機会を設ける方法も、効果的です。
職場環境の整備・改善をする
職場環境を整えて改善することも、従業員満足度を向上させる方法の1つです。働きやすい環境を整備すると、社員のワークライフバランスとエンゲージメントの向上につなげられるためです。具体的には、テレワークや時短勤務、フレックスタイム制など、多様な勤務形態を提供する方法が挙げられます。
非効率な業務や残業が多いといった声が挙がっている場合は、自動化ツールの導入や新しい人材の確保が必要です。
評価制度を見直す
従業員満足度を高めるためには、評価制度を見直すことも大切です。人事評価が不適切だと、社員の不満を溜め込んでしまいかねません。公平性のある評価をするためには、複数の評価者が評価する体制を整えたり、評価者の教育をしたりするなど、評価制度を見直すことが必要です。
福利厚生を充実させる
社員が求める福利厚生の充実を図ることも、従業員満足度をアップさせる方法の1つです。具体的には、家賃補助の増額や、休暇の充実、手当の支給などが挙げられます。会社の状況によっては改善できる余地があるため、多角的に検討してみるとよいでしょう。
従業員満足度とは、会社で働く社員の満足度を示したもので、英語で「Employee Satisfaction」とも呼ばれます。従業員満足度を高めるためには、企業理念やビジョンを社員と共有したり、職場環境や評価制度、福利厚生を見直したりすることが大切です。
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- 経営・組織づくり 更新日:2023/07/25
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