【採用担当者向け】WEB面接(オンライン面接)の流れと失敗しないしないための見極めポイント
テレワークの普及に伴い、WEB面接(オンライン面接)は採用プロセスにおいて欠かせない手法となっています。しかし、対面での面接とは異なる特有の課題や注意点も存在します。
本記事では、採用担当者や面接担当者が知っておくべきWEB面接(オンライン面接)の基本情報、導入のメリット・デメリット、実施の流れ、面接担当者が注意するポイントを紹介します。
WEB面接(オンライン面接)とは
WEB面接(オンライン面接)とは、インターネットの動画・音声配信を活用した面接方法です。テレワークの急速な普及により、オンライン会議が一般的に用いられるようになった昨今、zoomやGoogleMeetなどのオンライン会議ツールを人材の採用面接に用いる企業が増えてきています。
WEB面接(オンライン面接)導入のメリット
応募者の間口が広がり、採用候補者を増やすことができる
WEB面接が普及したことで、応募者は自宅から簡単に面接を受けることができるようになりました。これにより、遠隔地や海外に在住している優秀な人材も、距離を気にせず応募しやすくなっています。地方在住者が都会での就職を希望する場合や、都会の人材が地方での就業を希望するIターン、出身地に戻りたいUターン人材の応募も期待できます。また、日本で働きたいと考えている外国人も、オンライン面接を通じて応募しやすくなっています。
面接の回数を増やし、多くの人材と面接できる
面接担当者は場所を問わず面接を行えるため、スケジュール調整が容易になりました。これにより、より多くの人材と面接を実施できるようになり、採用の機会を広げることが可能です。特別な面接会場を設営する必要もなく、待機室や小さな個室があれば面接を行うことができます。
面接辞退を減らせる
WEB面接は、スケジュール調整がしやすく、候補者のモチベーションが高いうちにスピーディに面接を進めることができます。移動の手間がないため、候補者は空いている時間に調整しやすく、面接参加が容易になります。これにより、面接の辞退率を低下させることが期待できます。
採用コストの削減
WEB面接を利用することで、交通費や宿泊費、面接会場の費用を削減することができます。これにより、採用活動のコストを大幅に抑えることが可能です。
なお、入社手続きの採用コストの改善について、詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
関連記事:入社手続きを電子化して採用コストを改善しよう
面接担当者のナレッジの共有
録画機能があるツールを使用し、面接を録画することで面接官の技術向上や評価ポイントの均一化が図れます。録画した面接を確認することで、不適切な面接が行われていないかのチェックも可能です。
ただし、録画を行う際には、事前に候補者や面接担当者に通知し、個人情報の管理を徹底する必要があります。
WEB面接(オンライン面接)導入のデメリット
コミュニケーションが取りにくい
WEB面接では、全身の動きや表情を把握しにくいため、コミュニケーションが難しく感じることがあります。応募者には、明るい環境での配信を依頼し、選考が進んだ段階で直接面接の機会を設けることが望ましいです。
システム不具合のリスク
オンライン会議ツールを使用するため、システムトラブルが発生するリスクがあります。 万が一のトラブルを想定して、別のパソコン、通信回線、WEB面接のアプリなど、バックアップ環境の準備をしておきましょう。
職場環境を伝えにくい
WEB面接では、職場の雰囲気を直接伝えることが難しいため、自社の採用ホームページを充実させ、候補者に職場環境を理解してもらう工夫が必要です。また、選考が進んだ段階で来社いただく機会を設けることも効果的です。
WEB面接(オンライン面接)実施の流れ
配信環境の確認(システム面)
WEB面接(オンライン面接)では、システムのトラブルが発生する可能性があります。必ず、事前に配信テストをしましょう。その際、実際にWEB面接(オンライン面接)に参加する人数がアクセスしたときに、滞りなくシステムが機能するかを確認することが理想です。
また、採用候補者と面接担当者には、インターネット接続が良好な環境からアクセスをしてもらうように、事前に告知しましょう。さらに、配信トラブルが発生し、実施できなくなってしまった場合の対応も事前に準備しておくことが重要です。
配信環境の確認(背景、照明、音声)
WEB面接(オンライン面接)を行う場所の環境を整えましょう。例えば、他の従業員の声が聞こえるなどのノイズの多い環境や、照明が暗い環境での面接は、採用候補者に悪い印象を与える可能性があります。
また、従業員の音声や背景に表示される情報から、会社の機密情報が漏れるリスクもありますのでセキュリティ対策をしっかり行いましょう。
面接担当者との打合せ
WEB面接中は、面接担当者間のコミュニケーションが取りにくいこともあります。面接担当者が複数いる場合は、お互いの役割や段取りについて、事前に面接担当者同士ですり合わせ を行いましょう。
採用候補者と日程を調整し連絡する
採用候補者と面接担当者の日程を確認し、WEB面接(オンライン面接)の日時を決め、メールなどの手段で連絡をしましょう。
採用候補者にWEB面接(オンライン面接)の手段を伝える
メールを送る際には、オンライン面接の手段やツールの使い方の情報を採用候補者と面接担当者に伝えましょう。必要な環境を告知し、アプリのダウンロードが必要な場合はその旨の情報を伝え、事前に環境を整えた上で面接に参加してもらうようにしましょう。また、表情が見やすいように明るい環境での接続を依頼しましょう。
なお、WEB面接のツールについて、詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
関連記事:採用面接はオンライン面接化! WEB面接ツールの種類や面接のポイントを解説!
関連記事:【採用担当者向け】WEB面接(オンライン面接)の流れと注意したいポイント
WEB面接のロールプレイを行う
WEB面接の効果を高めるために、事前にロールプレイを行いましょう。まず、面接の目的や職種に応じたシナリオを作成し、具体的な質問や状況を設定します。次に、面接担当者と候補者の役割を割り当て、実際の面接のように練習を行いましょう。この際、時間を計りながら進行し、できる限り本番に近い環境で行うのがポイントです。
ロールプレイ後は、参加者全員でフィードバックを行い、面接担当者は候補者の回答に対する評価や改善点を共有します。候補者は面接官の意図や進行方法について意見を述べ、双方の理解を深めます。改善点を反映させた後、再度ロールプレイを行い、実際の面接に向けて準備を整えるとよいでしょう。
WEB面接(オンライン面接)の実施
WEB面接(オンライン面接)ツールは、起動するまでに時間がかかる場合があります。数分前には起動し、時間通りに開始できるように準備しましょう。また、録画を行う場合は、その目的を採用候補者と面接担当者に伝え、了承を得た上で録画を開始し、その後面接を進めましょう。
評価のすり合わせを行う
採用候補者が退出した後に、面接担当者のみで評価のすり合わせを行いましょう。また、同時に進行に問題がなかったか確認しましょう。
WEB面接(オンライン面接)の録画の確認
録画を確認し、面接担当者の対応の質を検証しましょう。「採用候補者にこちらの意図が正確に伝わっているか?」「採用候補者の意図をうまく引き出せているか?」「段取りに問題はなかったか?」など、改善点を話し合いましょう。また、他の面接担当者にも録画を共有し、ナレッジの共有と改善につなげましょう。
WEB面接(オンライン面接)で面接担当者が注意するポイント
カメラを見て話す
画面に映る採用候補者の顔を見て話すと、採用候補者側から見た場合、目線が合いません。目線が合わないと、採用候補者が不安に感じ、コミュニケーションも取りにくいものです。これは、カメラを見て話すことで、防止できます。目線が合うことで、候補者に安心感を与えることができます。また、表情やジェスチャーを大きくすることで、意図がより正確に伝わります。
ゆっくり、はっきりと話す
人間は、耳から入る音声情報が完全に聞き取れない場合、視覚などで情報を補い、言葉の意味を推測し理解しています。ところが、WEB面接(オンライン面接)は、これらの情報が限られてしまうため、相手に意図が上手に伝わらない場合もあります。採用候補者に正確に意図を伝えるためには、ゆっくり、はっきりと話すように意識しましょう。話がズレていると感じたときには、音声が聞きづらいことはないか確認し、意図が伝わらなかったことをお詫びした上で再質問を行ってもよいでしょう。
明確かつ簡潔に質問をする
質問は明確で簡潔にし、応募者が理解しやすいように心がけましょう。また、必要に応じて質問を繰り返したり、具体例を求めたりすることで、応募者の理解を深めることができます。
リアクションは大きく、確認をしながら進める
WEB面接(オンライン面接)は、前述の通り、相手に意図が伝わっていないこともあります。これを防ぐためには、相手に伝わっているか、確認しながら進行しましょう。また、反応も伝わりにくい場合があります。頷いたり、笑顔を見せたり、普段より大きなリアクションをとって、意思疎通をはかりましょう。
WEB面接(オンライン面接)で見るべきポイント
応募者のコミュニケーション能力
応募者がどれだけ明確に自分の意見を表現できるか、また質問に対する反応や理解度を観察します。特に、オンライン環境では非言語的なコミュニケーションが制限されるため、言葉遣いや表情に注目しましょう。
技術的な適応力
WEB面接中に応募者が技術的なトラブルにどのように対処するかを観察します。例えば、音声や映像の問題が発生した際の冷静さや、迅速に対応できるかをチェックしましょう。
環境の整備
応募者の背景や照明、音声環境にも注意を払いましょう。整った環境で面接を受けているかどうかは、応募者の準備度を示す指標となります。
面接官が知っておくべきWEB面接のコツ
WEB面接を初めて実施する面接官にとって、戸惑いや不安はつきものです。ここでは、スムーズに面接を進めるためのコツをいくつか紹介します。
事前準備とロールプレイを徹底する
まず、システムのトラブルを事前に防ぐために、必ず配信環境やツールの作動状況を確認しましょう。必要に応じて予備のデバイスを用意しておくことも重要です。 面接前に技術的な環境を確認し、使用するツールの操作に慣れておきましょう。また、面接の流れや質問内容を事前に整理しておくことで、スムーズな進行が可能になります。
面接後の振り返りは速やかに行う
面接が終わった後は、迅速に評価を行いましょう。志望度や理解度、コミュニケーション能力など、事前に設定した評価項目に基づき、候補者の強みや改善点を明確にしておくことで、より客観的な判断が可能になります。面接直後は印象が鮮明なため、このタイミングを逃さずに評価を行うことが重要です。
まとめ
採用候補者にとって、会社の面接会場で面接を行うのがアウェイでの試合ならば、自宅で行うWEB面接(オンライン面接)はホームの試合になります。つまり、採用候補者は万全の準備をして面接に望みやすい環境にあります。
WEB面接(オンライン面接)では、流暢でコミュニケーション能力が高くても、対面で話すと、イマイチでギャップを感じる場合もあります。臨機応変にコミュニケーションをとることができるか、採用候補者が想定していない質問をぶつけてみるのもよいでしょう。場所に制約されずに、面接の調整がしやすいWEB面接(オンライン面接)は、採用候補者の母数を増やし、選考スピードを上げることもできます。一方で、得られる情報が限られており、意思疎通が難しい側面もあります。当記事の「面接担当者が注意するポイント」を参照しながらコミュニケーションを図り、WEB面接の成功率を高めより多くの優秀な人材を見極めましょう。
- 人材採用・育成 更新日:2023/01/19
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