2017年卒 マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査
■1:最も就職したい都道府県と卒業高校都道府県(=地元都道府県)の一致率
□地元進学学生の75%が、地元県で就職したいと回答、地元外に進学した学生の倍
卒業した高校の所在地と最も働きたい都道府県の一致率を見てみると、全国の平均では、地元の大学に進学した学生(地元進学者)の一致率は地元外に進学した学生(地元外進学者)のおよそ倍であることがわかる。都道府県ごとに見ても、全体的に地元進学者のほうが高いが、東京、愛知、大阪、福岡等大都市を有する都府県においては、地元進学者、地元外進学者ともに一致率が他地域よりも高い傾向にある。地元進学者の一致率が9割を超えたのは、東京と長野だけだった。地元進学者と地元外進学者の一致率に大きな差があるのは、群馬、福島、鹿児島などである。反対に、一致率の差が最も小さいのは東京だった。大都市を有する都府県以外では、『大学進学時に地元に残るか離れるか』が地元で就職を希望するかどうかに影響しているようだ。
■2:地元企業への就職活動で最も障害に感じていること
□最も困っていることは「地元までの交通費」。「地元企業の数が少ない」「地元までの距離・時間」が続く
地元外に進学して、地元での就職活動を考えている学生に、現在最も障害に感じていることを聞いたところ、男女ともに「地元までの交通費」が選ばれた。「地元企業の数が少ない」「地元までの距離・時間」が次いで選ばれている。交通費や、距離・時間の問題は、企業が学生の進学先都道府県等に出向いて、自社を紹介する機会を持ったり選考の実施を行ったりすることで改善できるだろう。「地元企業の数が少ない」ことについては、全体的な企業数の増加を目指すほかに、まずは”現在ある地元企業のなかで、学生の『知っている』企業を増やすこと”が改善策として考えられる。地元企業を集めた、「学校近郊開催の合同説明会」は、全体のおよそ半分の学生が参加したいと思うと回答しており、地元企業就職希望学生は交通費や時間を削減しつつ、企業は学生の認知を高められる、双方にとって貴重な機会になり得そうだ。
■3:地元(Uターン)就職を希望する理由
□「自分の意思から両親の近くで生活したいから」「実家から通えて経済的に楽だから」がともに4割以上
地元(Uターン)就職を希望する学生にその理由を聞いたところ、「自分の意思から両親の近くで生活したいから」(46.6%、対前年5.2pt増)と「実家から通えて経済的に楽だから」(44.1%、対前年6.2pt増)がともに4割を超えた。女子については、地元進学、地元外進学の両方で「(自分の意思から)両親や祖父母の近くで生活したいから」が50%以上であり、「実家から通えて経済的に楽だから」も男子より高い割合である(地元進学女子:46.4%、地元外進学女子:51.4%)。「地元の風土が好きだから」は卒業高校都道府県による差が大きく、特に九州エリア(沖縄県を含む)では8県中6件が最も選択した「就職を希望する理由」である。
■5:地元(Uターン含む)就職を希望しない理由と実現すれば地元就職するかもしれないもの
□実現すれば地元就職するかもしれないもの1位は「働きたいと思うような企業が多くできる」が1位
地元(Uターン含む)就職を希望しない学生に理由を聞いてみると、前年2位だった「志望する企業がないから(36.2%、対前年0.5pt増)」が1位となり、「都会のほうが便利だから(35.0%、対前年5.1pt減」と順位が逆転した。実現すれば地元就職するかもしれないものについては、前年同様「働きたいと思うような企業が多くできる」「給料がよい就職先が多くできる」が上位となった。本年から追加した項目のうち、金銭的な補助に関する項目「奨学金を免除してくれる(16.1%)」「税金が多少免除される(16.1%)」「引越しや住居の費用負担をしてもらえる(10.5%)」はそれぞれ1割以上選択されており、金銭的な補助についてもある程度注目されていることが分かる。
- 調査・データ 更新日:2016/06/24
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