2018年度<19年卒> キャリア・就職支援への取り組み調査
■1) 就職ガイダンスについて(P4-6)
2019年卒学生の就職ガイダンスについて、インターンシップガイダンスの参加人数が「増加」との回答が前年比2.2pt増の38.3%となっている。国公立大学は42.2%が「増加」と回答しており、インターンシップが学生から注目されていたことがわかる。就職ガイダンス全期間の延べ参加人数を経年でみると、2019年卒は2017年卒との比較で「減少」が5.5pt増の26.3%となり、かつ「増加」の24.4%を上回っている。同じく開催回数では「減らした」が増加傾向にある。売り手市場を背景に、参加人数が減少傾向にあることが開催回数にも影響を与えているようだ。就職ガイダンス開始時期については4月、5月に集中。2020年卒では4月開始の大学が41.2%と更に高まりをみせている。
■2) 求人(票)の受付や障がいのある学生への就職支援の取り組み・学校推薦状の発行について(P7-8)
求人(票)の受付社数を時系列でみると、2016年卒から2018年卒までの3年間は「増加」が5割を超えていたが、本年度は46.6%(前年比3.4pt減)と5割を下回った。一方「減少」は10.7%と前年より3.8pt増加しており、それぞれで変化があった。今年度初めて聞いた、障がいのある学生への就職支援の取り組みについてでは、「個別相談等の対応」が、全体で88.9%と抜きん出ていた。特に私立大学では91.4%と国立大学の80.2%よりも11.2pt多かった。「障がいのある学生のみ対象のガイダンス」についても、国公立の2.8%に対し私立は10.8.%と障がいのある学生に対しての就職支援により注力しているようにみえる。理系推薦時期は、3月以前の合計が14.9%と前年に比べ5.0pt増加しており、学校推薦状の発行も前倒しされている。
■3) 採用広報を目的としない企業を招いて実施する業界研究セミナーについて(P9-10)
採用広報を目的としない業界研究セミナーは.、全体で80.5%(前年比2.6pt増)の大学が実施している。国公立、私立で比較すると、国公立の87.7%に対し私立は78.4%と、約10pt実施率が高い。一方で参加人数は、「増加」が前年比4.8pt減少、「減少」が7.1pt増加と、実施率の増加と逆行する学生の動きがみえる。開催回数は、「前年度並み」が5.1pt増加、「増やした」大学は6.5pt減少していることから業界セミナーの開催回数は依然増加傾向にあるものの、実施率は落ち着いてきたようだ。開催時期については、2019年卒、2020年卒ともに10月~12月に集中しているものの、2020年卒では10月の割合が増加し11、12月が減少するなど前倒し傾向にある。
■4) 採用広報を目的とした学内企業説明会について(P11-13)
学内企業説明会実施率は88.3%と、前年とほぼ変わらない状況である。参加人数は「減った」が37.9%で前年を7.5pt 上回り、参加人数は減少傾向にある。特に国公立では半数近く(47.2%)が「減った」と回答している。開催回数を「増やした/増やす予定」は全体で19.9%で前年比4.1pt減少しているが、私立の20.6%に比べ、国公立は17.2%とその割合は低かった。開催回数を「前年度並み」とする大学が多いにも関わらず、学生の参加人数は減少傾向にあることから、この売り手市場の中で、学生が大学に先んじて独自の行動をしていることが推察される。
■6) 保護者向けガイダンスについて(P15-16)
保護者向けのガイダンス実施率(毎年実施と不定期に実施の合計)は、全体で60.6%であったが、国公立の35.2%に対して、私立は68.0%の実施率であった。また、年間の平均実施回数でも国公立の1.5回に対して私立は4.1回と、私立が保護者へより手厚い対応を行っているようだ。参加人数の増減を聞いたところ、「増加」は前年より6.5pt減の10.1%、「減少」は前年より4.4pt増の12.7%と、以前に比べて子どもの就職活動への保護者の興味が、若干だが減ってきているようにみえる。売り手市場であるという認識が放っておいても大丈夫だという安心感につながっているとも推察できる。
■7) 低学年次からのキャリア教育(正課)やインターンシップについて(P17-18)
キャリア教育の実施の有無については88.2%の大学が実施していると回答。早期からのキャリア教育(正課)が定着してきている。キャリア教育の実施回数を前年より「増やしている」大学は13.7%(前年比1.8pt減)で、前年まで続いていた増加傾向に僅かではあるが変化がみられた。大学で実施する、単位認定等を行うインターンシップの有無に関しては8割以上の大学が「ある」と回答した。国公立では86.8%と9割近い。「インターンシップの経験が学生の就職活動結果に良い影響を及ぼすと思うか」という質問では「(非常に+一定の)効果があると思う」という回答が96.9%にのぼり、低学年からのキャリア教育が職業観涵養や就職活動の一助を担っているといえる。有償インターシップについて聞いたところ、「(あまり+まったく)推奨したくない」が31.4%で、「推奨したい(積極的に含む)」の22.4%を約10pt上回っていた。
■8) グローバル人材について(P19-20)
日本国内での就職を希望する外国人留学生の全体の平均は18.3人と、前年の20.0人を1.7人下回っていたが、国公立では32.1人と全体平均を大きく上回っていた。外国人留学生に対する「就職支援を実施している(実施している+今年度実施予定はある)」大学は、全体の75.5%と3/4程であった。日本人の留学経験者への特別な就職支援については、「実施している」(実施している+今年度初めて行う予定がある)との回答は20.6%で、前年より僅かではあるが増加している。、支援を実施している大学で行っている内容は「留学出発前の就職ガイダンス」(62.2%)が最も多かった。今後注力したいプログラムでは「留学帰国後の就職ガイダンス」(53.1%)、「留学前の就職ガイダンス」(51.0%)が半数を超えており、留学前後のガイダンスに注力していきたいという姿勢がみえる。
- 調査・データ 更新日:2018/08/31
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