2021年卒 マイナビ大学生就職意識調査
■就職観:2021年卒も「楽しく働きたい」がトップ、
「人のためになる仕事をしたい」が3月に増加
就職観は、「楽しく働きたい」が35.8%(前年比2.8pt減)と2021年卒も例年同様トップとなった。「個人の生活と仕事を両立させたい」(24.3%、前年比0.1pt減)、「人のためになる仕事をしたい」(13.7%、前年比1.6pt増)が続く。新型コロナウィルス感染拡大が深刻化した3月をみると「楽しく働きたい」は31.1%と12月~2月の36.9%から5.8pt減少しているのに対し、「人のためになる仕事をしたい」は17.4%で、12月~2月の12.7%に比べ4.7pt増加している。ちなみに前年3月をみると「楽しく働きたい」は38.9%、「人のために働きたい」は12.8%と今年と大きな違いがみられた。新型コロナウイルス感染拡大という社会的な状況が、学生の就職観に例年と違う影響を与えているようにみえる。 国公立私立別でみると、「楽しく働きたい」はどのエリアにおいても国公立より私立の割合が高く、「個人の生活と仕事を両立させたい」や「プライドのもてる仕事がしたい」「社会に貢献したい」では国公立が私立を上回っていた 。
■企業志向:大手企業志向が01年卒以降過去最高の55.1%。
関東、関西の国公立では7割が大手志向
売り手市場に後押しされて3年連続増加していた大手企業志向(「絶対に大手がよい」+「自分にやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の合計)は52.7%で前年より1.8pt減少した。一方、「やりがいのある仕事であれば中堅・中企業でもよい」+「中堅・中小企業がよい」が43.4%と前年を2.0pt上回った。特に文理とも男子にその傾向が強い。エリア別でみると 関東では大手志向が55.1%と全エリア中最も高いものの、前年と比べると3.3pt減少している。前年は売り手市場ながらも高止まり感を見せていた大手企業志向(「絶対に大手がよい」+「自分にやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の合計)であったが、2021年卒では55.1%(前年比2.4pt増)と、2000年以降この21年の間で最も高い結果となった。中堅・中小志向は41.1%と2.3pt減少している。特に大手企業が多い関東・関西の国公立大学では7割が大手(「絶対に大手がよい」+「自分にやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」)を志望している。
■企業選択のポイント:「安定している」、「自分のやりたい仕事(職種)ができる」、
「給料のよい」がトップ3
企業を選択する場合にどのような企業がよいかを尋ねる設問では、「安定している会社」(38.3%、前年比1.3pt減)が微減ながらも前年に続きトップとなった。男女文理別属性でみると、文系男子41.4%、理系男子43.5%に対し、文系女子32.9%、理系女子32.7%と男女で大きく差が開いた。男子学生のほうがより安定を求める傾向にあるようだ。3位にランクインした「給料のよい会社」(19.8%、前年比0.8pt増)においても、文理ともに男子学生が女子学生を大きく上回る結果となっており、男子は女子よりも「安定」と「収入」を求める傾向が強いようにみえる。一方、「自分のやりたい仕事(仕事)ができる会社」や、「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」、「働きがいのある会社」では女子で割合が高く、女子はより業務において福利厚生の充実や自己実現可能な働き方を望んでいるようにみえる。
■行きたくない会社:学生が行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」
行きたくない会社を2つ選択してもらった。最も行きたくない会社に選ばれたのは、前年に続き「ノルマのきつそうな会社」(34.5%、前年比0.2pt減)であった。2位に一昨年までトップを続けていた「暗い雰囲気の会社」(29.5%、前年比1.0pt増)、3位に「休日・休暇が取れない会社」(23.4%、前年比1.5pt減)が入った。「ノルマのきつそうな会社」を文理男女別でみると、文系の割合が高い(文系男子35.8%、理系男子26.8%、文系女子41.2%、理系女子32.5%)。理系より、営業職に就く可能性が高い文系が、よりノルマについて不安を抱いているようだ。一方、「仕事内容が面白くない会社」(19.6%、前年比1.2pt増)や「給料の安い会社」(15.2%、前年比1.0pt増)では、いずれも理系の割合が文系より高い。志望職種別でみると、管理部門と広報・宣伝部門で、「ノルマのきつそうな会社」を挙げた割合が突出して高く4割を超えている。
■志望職種:文系の志望職種1位は「営業企画・営業部門」
理系男子1位は「研究・開発部門」、理系女子1位は「商品企画・開発・設計部門」
文理男女別で志望職種の割合をみると、文系男子では43.2%が「営業企画・営業部門」と回答しダントツの1位である。文系女子は、「営業企画・営業部門」が25.4%で1位、「総務・経理・人事などの管理部門」が僅差の22.8%で続いている。文系男子は、入社後配属される可能性が高い営業系の職種に志望職種を絞っているようだ。
理系では、男子が「研究・開発部門」が26.0%で1位なのに対し、女子は「商品企画・開発・設計部門」が25.8%で1位、「研究・開発部門」(23.2%)は2位という結果で男女で傾向が分かれた。
- 調査・データ 更新日:2020/04/23
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