2020年卒 マイナビ大学生就職意識調査
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区/代表取締役 中川信行)は、1979年卒(1978年調査)以来、大学生の就職意識(大手企業志向、企業選択のポイント、就職希望度など)を調査・発表しております。このたび調査回答数48,064件にて2020年3月大学卒業予定者の調査結果がまとまりましたので、ここに発表させていただきます。
■就職観では、例年同様「楽しく働きたい」がトップ。4割に迫る。
学生の就職観では、ここ10年以上変わらず「楽しく働きたい」(38.6%、前年比5.3pt増)がトップにあり、文系女子では4割を超えた。また、文理ともに男子の増加割合が大きい。(文系男子38.0%、前年比5.9pt増、理系男子36.8%、前年比5.8pt増) 2位もまた、例年同様「個人の生活と仕事を両立させたい」(24.4%、前年比0.2pt増)であったが、女子は文理ともに微減していた。「人のためになる仕事をしたい」(12.1%、前年比2.9pt減)、「社会に貢献したい」(4.8%、前年比0.9pt減)といった社会的意義を求めるものについては、18年卒以降3年連続減少している。働き方改革が浸透し、個人の生活と仕事の両立を前提として「楽しく働きたい」と考えている学生が多いとも推察される。国公立私立の大学属性別にみると、関東国公立のみ、「個人の生活と仕事を両立させたい」(28.9%、前年比2.8pt増)が「楽しく働きたい」(28.6%、前年比0.7pt増)を僅かではあるが上回っている。一方、その他私大では、「楽しく働きたい」(42.7%、前年比5.1pt増)が「個人の生活と仕事を両立させたい」(23.3%、前年比1.5pt減)を20pt近く上回っている。
■中堅・中小企業志向が上昇。大手企業志向との差が縮む。
売り手市場に後押しされて3年連続増加していた大手企業志向(「絶対に大手がよい」+「自分にやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の合計)は52.7%で前年より1.8pt減少した。一方、「やりがいのある仕事であれば中堅・中企業でもよい」+「中堅・中小企業がよい」が43.4%と前年を2.0pt上回った。特に文理とも男子にその傾向が強い。エリア別でみると 関東では大手志向が55.1%と全エリア中最も高いものの、前年と比べると3.3pt減少している。
■「安定している会社」が
「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」を抜いてトップに。
企業選択のポイントにおいて「安定している会社」(39.6%、前年比6.6pt増)が、01年卒からトップを譲らなかった「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(35.7%、前年比2.4pt減)を抜いてトップとなった。3位には「給料の良い会社」(19.0%、前年比3.6pt増)が続いている。文理男女の属性別にみると、文理ともに男子で「安定している会社」が4割を超えている。エリア別では関東においてのみ「自分のやりたい仕事ができる会社」(37.4%)が「安定している会社」(37.0%)を、僅差ではあるが上回っている。前述の大手志向の減少と合わせて考えると、自分のやりたい仕事でスキルを身につければ、転職しやすい環境があると認識しているようにみえる。
■学生が行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」が1位に。
「転勤の多い会社」も前年より増加。
行きたくない会社を聞いたところ、19年連続1位であった「暗い雰囲気の会社」(28.5%、前年比3.3pt減)を抜いて「ノルマのきつそうな会社」(34.7%、前年比3.8pt増)が、全体でのデータを取り始めた01年卒以降初めてトップに立った。また、「転勤の多い会社」(23.6%、前年比3.7pt増)が「仕事の内容が面白くない会社」(18.4%、前年比2.4pt減)を上回る4位となり、3位の「休日・休暇のとれない(少ない)会社」(24.9%、前年比0.5pt減)に迫る結果となっている。「転勤の多い会社」は、関東・関西の大都市圏では22%台であるのに対し、北陸では26.6%、東海では25.3%と比較的転勤を嫌う傾向がみられる。また、志望職種別でみると「ノルマのきつそうな会社」を敬遠する学生は、「総務・人事などの管理部門」を選ぶ傾向が強い。
■就職希望度、「なにがなんでも就職したい」は微減。2年連続で減少。
就職希望度について、「なにがなんでも就職したい」は、87.0%と僅か0.7ptではあるものの前年を下回り、昨年に続き減少という結果となった。ここ3年増加傾向にあった理系女子についても前年を2.0pt下回る88.5%であった。就職しなかった場合の進路について、就職希望度で「希望する就職先に決まらなければ就職しなくともよい」と回答した学生に聞いたところ、1位は「進学(留学、大学院進学)」(31.4%、前年比0.4pt減)で、「フリーター」(24.3%、前年比5.2pt増)が、「卒業して次年度就職活動をする」(21.2%、前年比2.6pt減)を上回り2位に入った。特に、「フリーター」との回答割合が大きいのは、エリア別では「北海道」(33.9%)、国公立私立の大学属性別では「その他私大」(32.6%)で3割を超えている。
■志望職種において、文系では「営業企画・営業部門」、
理系では「研究・開発部門」への志望が減少傾向。
回答時点での志望職種について全体でみると、「営業企画・営業部門」(24.3%、前年比1.7pt減)と「研究・開発部門」(8.9%、2.1pt減)が減少傾向にある。文系で配属される可能性が比較的高い「営業企画・営業部門」において、男子では3年連続、女子では2年連続減少し、相反して総務・経理・人事部門が2年連続増加している。理系では、研究・開発部門の減少傾向が強く、理系女子では「商品企画・開発・設計部門」(25.4%、前年比4.5pt増)への志望が高まっている。
■「海外勤務はしたくない」がさらに増加。16年卒以降最も高い割合。
海外勤務に関する志向では、海外の政情不安や貿易摩擦、テロ等の影響もあるのか、「海外勤務はしたくない」(55.7%、前年比4.6pt増)が2年連続増加している。理系女子では、6割強が海外勤務を希望していない。文理ともに、男子の増加割合が女子よりも大きい。「仕事内容に関わらず海外で勤務したい」と回答した学生の、7割近くが大手志向(「絶対に大手がよい」+「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」)である。一方「海外勤務はしたくない」と回答したうちの5割強が大手志向ではなかった。
調査名 | 2020年卒マイナビ大学生就職意識調査 |
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実施期間 | 2018年12月1日~2019年3月21日 (2019年卒は2018年2月1日~2018年4月10日) |
調査対象 | 2020年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点) |
調査方法 | WEB入力フォームによる回収 |
有効回答数 | 48,064件 |
内訳 | 文系人数 | 比率 | 理系人数 | 比率 | 合計人数 | 比率 |
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男子 | 13,341 | 40.2% | 8,789 | 58.9% | 22,130 | 46.0% |
女子 | 19,811 | 59.8% | 6,123 | 41.1% | 25,934 | 54.0% |
合計 | 33,152 | - | 14,912 | - | 48,064 | - |
エリア別 | 北海道 | 東北 | 関東 | 甲信越 | 東海 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 海外 | 合計 |
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数 | 1,787 | 2,075 | 15,828 | 1,109 | 5,792 | 1,420 | 10,932 | 2,945 | 955 | 5,142 | 79 | 48,064 |
※現住所エリアが海外の学生の回答については、回答数が少ないため集計結果は発表しませんが、全体の数値には含みます。
本調査に関するお問合せ |
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株式会社マイナビ 社長室 HRリサーチ部 メールアドレス:myrm@mynavi.jp |
- 調査・データ 更新日:2019/04/15
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