【2021年卒】
◆採用充足率「0割」の企業は前年比9.1pt増 36.6％、緊急事態宣言による外出自粛要請が長期化した地域では傾向が顕著に

2021年卒の採用充足率（採用予定数に対して現在採用が確定している割合）を聞いたところ「0割（採用が決まっている人はいない）」が36.6％で、売り手市場で人材獲得に苦戦していた前年よりも9.1pt増加した。なかでも中小企業や、緊急事態宣言による外出自粛要請の期間が長かった都道府県を含む地域（北海道・関東・関西・九州）は全体を上回り、その傾向が顕著となっている。理由としては、緊急事態宣言下では対面による選考活動は延期・中止されることが多く、オンライン採用に対応できた大手企業を中心に採用活動は継続されてきたが、外出自粛要請の影響が強い地域やオンライン採用への対応が遅れた中小企業では、選考の実施が遅れたことが影響していると思われる。

（図1）

◆インターンシップ実施率は56.9％と2016年の調査開始以来、最高の割合に

2021年卒のインターンシップ実施率は56.9％（対前年1.7pt増）で、2016年の調査開始以来、最高の割合となった。特に、上場企業では80.5％となっており、大手企業を中心に積極的にインターンシップを実施していることがわかる。学生のインターンシップ参加率は全体で85.3％（マイナビ2021年卒大学生広報活動前調査）で、新卒採用のなかでインターンシップ参加が企業・学生双方で「当たりまえ」になっている状況がうかがえる。

（図3）

◆2021年卒採用の問題点として「学生と対面でのコミュニケーション機会を十分に持てていない」をあげた大手企業は50.4％

2021年卒採用の問題点として最も多くあげられたのは「母集団（エントリー数）の不足」で45.4％だったが、従業員規模1,000人以上の大手企業に限定すると「学生と対面でのコミュニケーション機会を十分に持てていない」が最多で50.4％だった。新型コロナウイルス感染予防の対策として、早い段階からWEB化対応を進めた大手企業であったが、その分、対面でのコミュニケーション機会が減少したためだと考えられる。

（図4）

【2022年卒】
◆2022年卒で新卒採用を実施する企業は約8割

2022年卒の採用予定計画について8割の企業が「実施する予定」と回答した。採用数を「2021年卒並」と予定している企業が55.4％と最も多く、次いで「採用数は未定」が16.8％となった。新型コロナウイルスはいまだ収束しておらず、日本経済の見通しも明確ではない状況だが、企業規模に関わらず、2022年卒においても新卒採用の継続を予定している企業が多数派であるといえる。

（図5）

◆インターンシップ実施を予定している企業は、前年比18.5%増の73.7%。
インターンシップの全面的なWEB化への賛成意見は少ない

2022年卒のインターンシップについて聞いたところ、全体では73.7％が実施予定だと回答した。約2割は未定とのことだったが2022年卒向けも多くの企業で実施されるようだ。一部で検討されているWEB上でのインターンシップについては全面的なWEB化への賛成意見（「WEBで実施しても構わないが、なんらかのガイドラインは必要だと思う）+「全ての就業体験はWEBで実施できると思う」の合計）は1割未満と少なく、限定的な利用を望む声が多いようだ。

（図6）

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