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コロナショックが新卒の就職・採用に及ぼす影響

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図1 「マイナビの掲載社数前年比較」出典:2021年卒マイナビデータ2020年3月6日時点

図2 「企業の主な発見ツール」出典:2020年卒マイナビ学生就職モニター調査(7月)2019年7月

図3  「新型コロナウイルス感染拡大が自身の就職活動に及ぼす影響」出典:マイナビ 2021年卒大学生新型コロナウイルス感染拡大に対する就職活動実態調査(2020年3月調査)

試験3日前にWEBテストに変更になりました。当然飛行機の予約などは済ませていたので、お金が無駄になってしまいました。判断はもっと早くして欲しいです。(北海道:理系男子)
マイナビなどの合同企業説明会が中止となり、就活生はどのように就職活動を進めていいのか分からず、不安になったりパニックになったりしています。そこで、企業の説明会はどうするのか、選考はどうなるのかを早めに明確にしてもらえるとありがたいなと思います。(福岡:文系女子)

このような要望が最も多く寄せられました。マイナビでもトップページに「新型コロナウイルスへの対応に関する企業一覧」を用意し、いち早く情報提供できるよう努めています。

インターネットを利用した説明会やホームページの充実など、人が集まるイベントを開くことなく企業の情報収集ができるような環境を整えてほしい。(福岡:理系男子)
WEBやOnlineで企業説明会を実施することが第一に求めたいことです。エントリーシートの電子化も進んでいるため、基本WEB上で行うこと変化はあってもしかるべきであるとも考えています。(大阪:文系男子)

このような状況ですから、移動を伴う地方学生や大勢が集まる会社説明会に不安を覚える学生から、WEB化を望む声が集まっています。一方で、出来れば直接話を聞ける機会を作ってほしいという声もありました。

今年はコロナウイルスにより、対面説明会が中止になる企業が増えたが、だからといって来年以降もWEBでの説明会にするということはやめてほしい。おそらく多くの就活生は説明会での質問や企業の雰囲気等を考えて臨んでいるはずだからである。(広島:文系男子)
対面での面接を希望したいです。回線の問題もありますし、やはり対面での方が相手の雰囲気を把握し、自分の意思が伝わりやすいと思うからです。また、WEBを通じて面接を行うことで、志望理由や自己PRを紙に書いて、相手からは見えない場所に置いて、カンニングしながら面接を受けたことがあるという友人がいたので、それを防止するためにも出来るだけ面接は対面が好ましいです。(東京:文系女子)

現在の環境ではWEBもやむなしだが、出来れば面接などの選考は対面でお願いしたいという声が多く寄せられました。会社説明会においても、会社の外観や職場の雰囲気を把握する機会が欲しいという要望も多く挙がっています。

2~4月のインターンやイベント、説明会が中止になってる分、選考期間を伸ばして欲しい。(大阪:文系女子)
企業の採用担当者に対して求めることは、インターンに行った人だけを選考の土俵に上げるのではなく、これから就活をする人にもチャンスがあるように配慮してほしい。(徳島:文系男子)
コロナや五輪開催などイレギュラーも多いため、安全に就職活動が行えるのなら秋採用がメインになってもいいのではないかと考えています。(神奈川:理系女子)

こちらも不安からくるケースが多いと推察されますが、広報期間の延長や選考時期の後ろ倒しを望む声も見られました。また、インターンシップ参加者だけが優遇されるのではないかという懸念を抱く学生もいることから、公平な選考機会を提供する必要が感じられる意見も見られました。
上記以外にも面接時にマスク着用を許可してほしいや、マスクの購入が困難なので、出来れば企業に用意してほしいなど、感染予防策の徹底や、それに付随する要望が多く記載されていました。

 ここから今後の動向について考えられることを記載してみたいと思います。正直、現在の状況がいつまで継続されるか不透明なので正確な予測はできませんが、一旦可能性の高そうなシチュエーションを検討し、そこから推察を行いたいと思います。

<学生側>
社員と直接的な接触機会のないまま、エントリーシートを記入
→志望動機が不明瞭な応募の増加
WEBで情報収集は行ったが、今一つ受験意欲が高まらない
→初期認知の高い企業にのみ受験集中
インターンシップ参加企業のみ選考が進んでいる
→視野が拡がらないまま内定獲得

<企業側>
大手企業はインターンシップ参加者中心に選考準備
→6月選考で大多数の内々定出し
中堅中小企業は個別企業説明会を実施しつつも、十分な学生数を集められない可能性
→母集団不足

双方の状況を勘案すると、以下のようなリスクが高まっているのでないかと考えます。

直接接触機会の減少→ミスマッチの拡大リスクを高める

採用の企業間格差拡大(中堅中小企業はより採用苦戦に)

現状のままでミスマッチの拡大リスクが高まるとこは容易に予想できると思います。特に中堅中小企業にとって、直接学生一人一人の理解を深め、自社に目を向けてもらう事で初めて志望企業として認識してもらえるようなケースでは、今回の状況はマイナスでしかありません。そこで、次善策として以下の事をご検討いただければと思います。

(大手企業や人気企業は)選考時期を明確に示した上で遵守し、学生の業界・仕事・企業理解の期間をしっかり確保する。
エントリーシート導入企業は締切り延長や後半の提出機会を設定し、余裕を持った提出期間を用意する。
選考機会をオリンピック後まで設定、若しくは採用の通年化で学生に公平な受験機会を提供する。

 
  • 人材採用・育成 更新日:2020/03/13
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