マイナビ2022年卒大学生のライフスタイル調査<withコロナ編> ~ 学生生活はwithコロナでどう変わったか ~
◆理系の学生が週2.9日学校に行っているのに比べ、文系は週1.2日。関東の文系は週0.6日
新型コロナウイルス感染症流行の拡大は、22年卒として就職活動を行う予定の学生のライフスタイルにどのような影響を与えているのだろうか。
まずは「大学にどのくらい通えているのか」から見ていきたい。
学校に週何日通っているか(オンライン授業は除く)聞いたところ、全体の平均は1.8日だった。前年は4.1日だったので、その半分も通えていないことになる。文系は平均1.2日、理系は平均2.9日で、文系学生は週1日通っているかどうかという状況だ。年次推移でみると、調査開始の14年卒から前年21年卒まで、文系は3.8日~4.0日、理系は4.6日~5.0日の間で大きな変化がなく、今年急に減ったことがわかる。なお、学生の居住地別(4分類)で集計すると、関東地区とそれ以外で差が出ており、関東地区の文系学生は0.6日で、1日にも満たなかった。
また、0日(=「全く行っていない」)の学生の割合は、理系学生が18.3%であるのに対し、文系学生は44.9%と4割を超えている。関東地区の文系学生では、66.9%が学校に全く行っていなかった。
◆withコロナで学生のアルバイト収入は減少。定期的なアルバイトをしている割合も減少
新型コロナウイルス感染症流行の拡大は、22年卒学生の生活を支えるアルバイト収入にも影響していた。
アルバイトによる1か月平均の収入を聞いたところ、全体の平均は3万3,559円で、前年より5,914円減(15.0%減)だった。文系学生の平均は3万6,699円(前年比6,164円減)、理系学生は2万8,147円(前年比5,148円減)だった。アルバイト収入が月1万円未満の学生の割合は全体の35.3%(前年比5.0pt増)で、前年よりやや増えた。定期的なアルバイトをしているかどうかで収入の違いを算出したところ、定期的なアルバイトをしている学生の1ヶ月の収入平均は4万2,195円(前年比4,056円減、8.8%減)、定期的なアルバイトをしていない学生は5,743円(前年比2,169円減、27.4%減)で、定期的なアルバイトをしていない学生のほうが減収割合が大きかった。
◆「楽しさ」を感じているもの、男女とも「YouTube、動画鑑賞」の割合が大幅増。男子では1位に
40の選択肢から今「楽しさ」を感じているものをすべて選んでもらった。
男子の選択割合が最も高かったのは「YouTube、動画鑑賞」(44.8%、前年比6.9pt増)、女子の選択割合が最も高かったのは「会って話す」(53.8%、前年比2.8pt増)だった。
「YouTube、動画鑑賞」は女子でも2位(50.7%、前年比12.5pt増)で、男女とも前年より大幅に割合が増えた。withコロナの大学生活で、大学で友達と会う機会が減り、家で「YouTube、動画鑑賞」に「楽しさ」を見出す学生が増えたと考えられる。
前年は男女とも1位だった「会って話す」は、男子ではわずかの差で2位(44.7%、前年比5.4pt増)だったが、前年より割合は増えた。なかなか会えないからこそ、「会って話す」ことの「楽しさ」をより強く感じられるということもありそうだ。
その他、ステイホーム中に「楽しさ」を感じるものとして、男女とも割合が増加したのは「SNS(instagram、Twitterなど)を見る」(男子4位、女子3位)、「音楽鑑賞」(男子6位、女子4位)などがある。
男女差が大きいものを見ると、男子のほうが多い「ゲーム」(3位)「アニメ」(7位)はそれぞれ前年よりやや割合が増えた。一方、女子のほうが割合が多い「睡眠」(6位)「メイク・化粧」(9位)の割合は前年とあまり変わらなかった。
◆利用したことがあるサブスク1位は男女とも動画配信。ステイホームで利用率6割を超え大幅増
サブスクのサービスを26種類挙げて、それぞれ「利用したことがある」「やってみたい」「興味がない」の3択で聞いた。
「利用したことがある」割合が最も高かったのは、男女とも「動画配信」で、それぞれ前年より大きく増加し、6割を超えた(男子 63.4%、前年比16.4pt増 / 女子 66.5%、前年比24.9pt増)。ステイホーム中に「YouTube、動画鑑賞」に「楽しさ」を見出す学生が増える中、積極的に課金して「動画配信」を楽しむ学生が増えているようだ。「やってみたい」の割合は男子16.5%、女子17.7%で、今後もさらに利用率が伸びる可能性がある。
2位は男女とも「音楽配信」で、こちらも前年から大幅増となった(男子 60.2%、前年比13.3pt増 / 女子 64.7%、前年比15.9pt増)。「やってみたい」の割合は男子16.2%、女子16.6%で、「動画配信」とともに、さらに利用率が伸びそうだ。
男子3位の「ゲーム」(26.5%、前年比2.2pt減)は女子では7位、女子3位の「プリクラ」(27.9%、今年から項目に追加)は男子では14位と、ともに男女差が大きかった。
「やってみたい」の割合では、男子では「スポーツクラブ、ジム、ヨガ」(31.6%)、女子では「コスメ」(43.0%)の割合が最も高く、それぞれ今後普及が進む可能性が垣間見える。
◆興味のある社会問題は「伝染病・感染症対策」が前年の約5.5倍の大幅増で最も高い割合に
26の社会問題の中から興味のあるものをすべて選択してもらった。
全体で最も多く選択されたのは「伝染病・感染症対策※」(52.1%、前年比42.6pt増)で、前年の9.5%から約5.5倍増となった(※前年までは「伝染病対策」)。調査開始の16年卒の23.8%から前年まで年々割合が下がっていたが、日本を含む世界中での「新型コロナウイルス感染症」の流行を受けて、急増した形だ。また、前年までは薬学系の学生が比較的多い理系女子でやや高い割合だったが、今年は文系男子、理系男子、理系女子で1位、文系女子で2位と、文理男女問わず高い割合だった。
文理男女別のTOP5を見ると、「伝染病・感染症対策」以外に4つの分類に共通してTOP5にランクインした社会問題はなく、それぞれ特徴あるランキングとなっている。
「国際政治・民主化運動」は、香港の民主化運動が連日メディアに取り上げられたが、文系男子で2位(39.3%)理系男子で3位(36.5%)と男子で興味がある割合が高い一方、女子では低く、理系女子では2割を切っている(文系女子 27.9%、理系女子 16.1%)。
「地球温暖化」は、トランプ政権のパリ協定脱退や中国をはじめとするEV(電気自動車)へのシフトなど、大きな話題となることが多かったが、理系男子で2位(41.9%)理系女子で4位(36.5%)と理系のほうが興味がある割合が高い(文系男子 31.7%、文系女子 33.5%)。
「少子化・働く女性支援」は17年卒で選択肢に追加して以来、文系女子で6年連続の1位(58.3%)で、理系女子では2位(54.2%)だが前年まで5年連続1位だった。一方、男子では文理それぞれ女子の半分程度の割合だ(文系男子 29.8%、理系男子 23.9%)。
今年新たに追加した「医療崩壊・医師不足」は、理系男子で4位(31.1%)理系女子で3位(40.1%)に入ったが、文系では男女ともやや低く(文系男子 21.9%、文系女子 26.0%)、「伝染病・感染症対策」に比べて文理差が大きかった。
- 調査・データ 更新日:2021/02/09
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