優秀な人材を確保するために人事や総務が知っておきたい企業説明会の5G活用とは?
深刻な人手不足が続くなか、多くの企業では優秀な人材を確保するための採用活動に力を入れています。
このような状況のなか、多くの求職者にアプローチするために重要なのが企業説明会です。今後は新しい生活様式に合わせ、企業説明会もオンラインによる開催が進んでいくと考えられます。
そこで今回は、次世代通信規格である5Gを活用した企業説明会について詳しく解説していきたいと思います。また、現在注目を集めている「xR」の導入方法も紹介します。
企業説明会の最大の目的は、まずは多くの求職者に自社を知ってもらうことです。
しかし、せっかく企業説明会に出展したとしても、会場まで足を運ぶ求職者が少なかったり、他社のブースに求職者が集中してしまい、自社の説明を聞きたい求職者がなかなか集まってこなかったり、というケースも少なくありません。
そもそも企業説明会の会場が都心部から離れていてアクセスが悪い場合や、会場の場所が分かりづらいと求職者も参加しづらく、集客が低下してしまいます。
複数の企業が出展する合同の企業説明会の他にも、企業が単独で開催している説明会もありますが、開催する日程や場所などを事前に周知しておかないと求職者も集まりません。
企業説明会を担当するのは人事や総務などの担当者であるケースが多いですが、人手不足によって担当者の数が少ないと準備に十分な時間が確保できず、出展できる企業説明会も限られてしまいます。
多くの企業説明会は平日の昼から午後にかけて開催されるケースが多いため、当然のことながら会社の通常業務との調整も必要です。
人事や総務の担当者が少ないと、その分企業説明会に出展して求職者にアプローチできる機会も減り、優秀な人材に興味をもってもらうことも難しくなるのです。
企業説明会において集客に成功し多くの求職者に参加してもらったとしても、肝心の会社説明で自社の魅力をうまく発信できなかったというケースもあります。
これは、話し方や伝え方といったプレゼン力にも直結する部分であり、担当者によってもスキルの差が現れやすいポイントといえるでしょう。
会社の魅力を明確に分かりやすく伝えるためには、資料の見せ方や話し方などを工夫し、求職者に対してインパクトを残すことが重要です。そのためには、一連の流れを事前にシミュレーションし、話すテーマを具体的に絞っておくなどの対策が必要不可欠です。
これまでの4Gよりもはるかに高速・大容量である5Gを活用することによって、オンラインでの企業説明会も簡単に開催できるようになります。
5Gによって全国どこからでも企業説明会に参加できるようになると、首都圏の企業から地方の求職者に対してアプローチがしやすくなると同時に、地方の企業も首都圏在住の求職者に対してアプローチが容易になります。
求職者にとっては物理的な移動時間が短縮でき、スケジュール調整の労力も最小限に抑えられるでしょう。
また、企業の人事や総務担当者にとっても、全国各地の説明会に足を運ぶ必要がなくなり、社内の会議室などから多くの求職者にアプローチができるため、時間やコストの大幅な削減にもつながります。
これまで人事や総務の担当者が限られていて多くの企業説明会へ出展することが難しかった企業も、5Gによるリモート説明会が実現できれば優秀な人材獲得にもつながるはずです。
また、新型コロナウイルスが収束した後は、これまでのような現地開催での企業説明会も再開していくと考えられます。その際、会場内にWi-Fi環境が整備されていない場合や、アクセスが集中して通信速度が低下している場合であっても、5Gであれば企業説明会の様子を安定的にリモート配信することができます。
都心部だけではなく、全国各地から優秀な求職者を採用するための第一歩として、企業説明会への5G活用は大きなメリットがあるといえるでしょう。
企業説明会において自社の紹介を行う場合、一般的には資料を配布したり、会社紹介の映像やスライドを投影したりといったケースが多いものです。
しかし、実際のオフィスの雰囲気や広さなどは伝わりづらく、会社を訪問したときにギャップが生じることも少なくありません。また、新型コロナウイルスの影響によって企業訪問自体が難しくなったケースもあるでしょう。
そのような問題を解決するためのテクノロジーとして、「xR」が注目されています。xRとはAR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの総称で、ヘッドマウントディスプレイやスマートフォンなどの画面上から立体的でリアルな表現ができるテクノロジーです。
たとえば、ヘッドマウントディスプレイにVR映像を投影すると、周囲360°どこを見回しても現実世界のような空間が広がり、まるで現地に立っているかのような没入感のある体験ができます。
この技術を活用すれば、たとえばオフィス内の雰囲気を体験できたり、実際に現場で働いている従業員の目線に合わせて業務を見学できたりといったことも可能になります。
言葉や写真だけでは伝わりにくい内容も、xRで表現することによってその企業や仕事の魅力をダイレクトに伝えることができるのです。
xRのような先進的なテクノロジーを採用活動に取り入れている企業はまだまだ少ないため、他社に先駆けて導入することで多くの求職者から注目を集めることもできます。「xRに触れてみたい」と興味本位で企業説明会に参加した求職者も、実際に説明を聞くうちに業務内容に興味をもってくれる可能性もあります。
また、「先進的なテクノロジーを積極的に取り入れている企業」というポジティブな印象も与えることができるため、企業のイメージ戦略としても有効です。

これまでのインターネット上のコンテンツといえば、テキストや静止画、動画などがメインでした。これらのコンテンツに比べ、ARやVRといったコンテンツは圧倒的にデータ量が大きく、従来のネットワーク環境の下では大きな負荷がかかってしまうことが予想されます。
その結果、たとえばVRコンテンツが途中で止まってしまったり、画質が大幅に低下して快適に閲覧できなかったりといった問題が生じる可能性があるのです。
将来的には、xRによってリアルタイムで会社紹介映像をストリーミング配信する方法も想定されますが、そのような場合においてもネットワークの遅延は致命的です。安定的かつ高品質なxRコンテンツを提供するためにも、5Gネットワークは必要不可欠な存在といえます。

企業説明会にxRを導入する際には、どのようなコンテンツをxRで表現するのかを明確に決めておきましょう。おすすめのコンテンツとしては、実務の様子や工場内の見学、オフィス内の紹介ツアーなどが挙げられます。
作業員にカメラを装着すれば実際の作業現場をリアルで体験できるほか、ドローンを活用して高所での作業風景を収めることも可能です。説明会のなかで作業の様子をライブ中継しながら紹介する際には、従来の4Gでは通信速度が遅く途中で映像が途切れてしまう可能性があります。
しかし、5Gを活用することによって大容量のxRコンテンツもスムーズに配信できます。
xRは一般的な動画とは異なり、専用の開発ツールを使用してコンテンツを制作する必要があります。また、全天球カメラ(360度カメラ)などの特殊な撮影機材も用意しなければなりません。
そのため、xRコンテンツを制作する際には、専門の業者と予算やコンテンツ内容、そして5Gネットワークの活用も含めて相談しながら決めていくのが良いでしょう。
新型コロナウイルスの影響によって、すでに多くの企業ではリモート配信による企業説明会にシフトしつつあり、新型コロナウイルスが収束した後も、この流れは続いていくと予想されます。
企業にとっては集客対策やコスト削減にもつながるため、メリットは大きいといえるでしょう。
企業説明会に5Gを活用することで、遠隔地からの開催が可能になることに加え、xRといった先進的なテクノロジーを活用した次世代の採用活動も進んでいくはずです。
人材採用において他社との競争で優位に立つためにも、ぜひ今後は5Gの積極的な活用を検討してみてはいかがでしょうか。
- 人材採用・育成 更新日:2021/01/13
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