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人材戦略とは、4つの柱と意識するべきポイントを紹介

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労働人口減少による人材獲得競争や業務の専門家、グローバル化により、企業経営の根幹となる「人材戦略」に変化が求められています。当記事は、「人材戦略」の軸となる4つの柱や「人材戦略」の立案プロセス、これからの「人材戦略」で意識するべきポイントを解説します。

人材戦略とは

「人材戦略」とは、企業が経営目標を達成するための人事・人材面での戦略全般を指します。
必要なスキルを持った人材を必要な人数採用し、適切に人材配置を行い経営計画の実現をアシストします。
労働人口の減少や人材の流動化が進む中、時代の変化にともない「人材戦略」の見直しが求められています。

経営戦略と人材戦略の重要性

企業を構成する重要な資源は「ヒト」、「モノ」、「カネ」「情報」と言われ、これを4大経営資源としています。
この4大経営資源の中で、もっとも重要な資源は「ヒト」といわれています。 「モノ」「カネ」「情報」は、それ自体が価値を生むことはありません。つまり材料です。これらの材料を動かして、価値を作るのは「ヒト」しかできないことです。
企業経営では、価値を生み出す「ヒト」をマネジメントする「人材戦略」が極めて重要なポジションを占めています。

また、「人材戦略」とは、経営課題を解決するための手段であり、経営戦略と人材戦略は一致している必要があります。

求められる人材戦略の変化

従来の日本型雇用は、新卒一括採用を軸として、過去の実績から同じ採用方法で同じ属性の同じような社員を採用し、企業がレールを引いてゼネラリスト人材を育てて行く手法を採用してきました。しかし、時代の変化に伴い、人材戦略の変化が求められています。ここでは、その要因を紹介します。

人材獲得競争の激化と流動化

少子高齢化による労働人口の減少により、人材獲得競争が激化しています。転職市場も活性化し、今後も人材の流動化が進みます。人材の流出を防ぎつつ、人材に選ばれる企業になる必要があります。

業務の専門化への対応

業務の専門化が進み、DX推進などの社内にいない専門的なスキルを持ったプロ人材の確保が必要とされています。これらプロ人材の中途採用や、社内で育成するための戦略が求められています。

グローバル化への対応

グローバル経済の発展とともに、国内での外国人労働者が増加しています。グローバル人材の活用に対応できる組織つくりが求められています。

人材戦略の4本の柱

人材戦略は、「採用」、「人材育成」、「定着率」、「配置転換」の4つの柱があります。ここでは、その特徴を紹介します。

採用

「人材戦略」の中でもっとも重要な要素は「採用」です。中期・長期事業計画をもとに、必要な要因を洗い出し、ターゲットを設定し、最適な人材を必要な人数採用することで、経営目標の達成に近づくことができます。

人材育成

新卒一括採用を導入している企業は、就業経験のない未経験者を自社の戦略に合うように、時間とコストをかけて、教育・研修を行い、育てあげる必要があります。
中途採用の場合は、企業理念や社内ルールの研修を最初に行う必要があります。そして、スキル不足がないか確認し、必要に応じて研修を行い、また、能力を発揮できるように、新しい職場での人間関係構築を支援することが大切です。

定着率

採用コスト、教育コストをかけた人材が退職してしまう。これは、企業にとって大きな損失です。特に、少子高齢化による労働人口の減少で新規採用は厳しい状況にあり、従業員が退職せずに安定して定着することが極めて重要になりました。従業員のロイヤリティを向上し、不満を察知し定着率があがる施策を準備する必要があります。

配置転換

人材の適材適所は、生産性を向上させます。人事異動をとおして効果的な人材配置を行えば、人材は成長し、組織が活性化します。また、管理職への抜粋や、部署の再編で、会社の方針を伝えることもできます。

人材戦略の立案プロセス

ここでは、人材戦略の立案プロセスを紹介します。

経営課題の洗い出し

前述の通り、経営戦略と人材戦略はシンクロしています。現在、抱えている経営課題を経営陣と話し合い、洗い出し、課題を解決する手段として人材を活用する方法を検討しましょう。

優先順位の設定

人材戦略には「採用」、「人材育成」、「定着率」、「配置転換」の4つの柱があります。洗い出された経営課題に照らしあわせて、どの柱から着手すべきか優先順位を策定しましょう。そして、あるべき理想的な姿を定義しましょう。

課題の把握と施策案の策定

取り組むべき柱とあるべき姿が決定しだい、その柱の現状を確認し、現場が抱えている課題を把握します。課題解決のアイデアを列挙し、実現可能な施策案をとりまとめましょう。

予算の立案とKPIの策定

施策案をベースに実行にかかる予算、工数をみつくろい、スケジュールを策定しましょう。また、PDCAを回すためにもKPIを設定し、施策の効果を測定できるように準備しましょう。

人材戦略の一例

A社の経営陣は、3年後に売上を2倍にする経営計画を立案しました。しかし、既存事業では、飛躍的な伸びが期待できないこともあり、海外市場の開拓を企画しました。
しかし、社内に適切な人材がいないため配置転換ではまかなえず、新規採用での課題解決を模索し、求人の予算600万円で3人の採用を計画しました。

また、社内制度も変更し、テレワークを活用した勤務地を問わない制度や、青天井の成果報酬制度を導入。優秀な海外人材を確保する戦略をスタートしました。

これからの人材戦略で意識するべきポイント

「人材戦略」は、自社の経営戦略が基本です。その上で、これからの「人材戦略」立案で意識するべきポイントを紹介します。

グローバル人材の活用

インターネットの発達により世界の距離は縮まりました、時代の変化に対応できるグローバル視点、価値観を持った人材が必要です。また、国内の少子高齢化による労働力不足をカバーするためにも、グローバル人材の活用を検討しましょう。

タレントマネジメント

「タレントマネジメント」とは、社員一人ひとりのスキルや経験をデータ管理し、人材の特徴を見える化し、そのデータを基に人材を管理する手法です。

「タレントマネジメントシステム」を活用して、適材適所への人材配置による生産性の向上、戦略的な能力開発、モチベーションを高め離職率をおさえるなどの施策を展開します。

人材の多様化

同じようなタイプの社員ばかりでは、組織が硬直し、時代の変化に柔軟に対応できなくなります。背景や考え方が違う多様な人材を活用する環境をつくれば、新しいビジネスチャンスや変化をもたらすことができます。

シニア人材の活用

高齢化社会の日本には、経験や知見を持った多くのシニア人材がいます。これらの人材を活用し外部の知見を自社に取り込む戦略を検討しましょう。

「企業は人なり」という言葉があるように、器である企業を動かしていくのは人材です。その人材をマネジメントする「人材戦略」は、企業にとって最も重要な施策です。経営環境が急速に変化するなか、自社の状況を把握し、変化に対応できる人材戦略を立案しましょう。

  • 経営・組織づくり 更新日:2022/06/01
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