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トライアル雇用とは、メリットや導入方法を解説

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トライアル雇用とは、公共職業安定所が紹介する就業希望者を、企業が原則3カ月の試用期間を設けて採用する制度で、採用企業には奨励金が支給されます。この記事では、トライアル雇用に関して、制度が生まれた背景や目的、メリット、デメリット、導入の流れなどを企業側の視点で解説します。

トライアル雇用とは

トライアル雇用とは、公共職業安定所(ハローワーク)が紹介する就業希望者を、企業が原則3カ月の試用期間を設けて採用する制度です。3カ月の有期雇用経過後に、労使間で雇用の継続を判断します。

現在、トライアル雇用には、以下の4つのコースが用意されています。

  • 一般トライアルコース
  • 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
  • 新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース
  • 若年・女性建設労働者トライアルコース

企業は、この制度を利用することで、要件を満たせば、対象労働者1人あたり、一般トライアルコースで、月額最大4万円(合計最大12万円)の奨励金を受け取ることができます。

トライアル雇用と試用期間の違い

一般の採用でも、多くの企業が試用期間を設定しています。では、トライアル雇用と試用期間はどのように違うのでしょうか? 本章では、トライアル雇用と試用期間の違いを解説します。

  トライアル雇用 試用期間
契約の種類 有期雇用契約。 無期雇用契約または有期雇用契約。
期間の決め方 行政が設定したコースにより定められた期間。 労使間で決定した雇用契約書に定められた期間。
解雇の制限 トライアル雇用後は契約期間終了のため解雇に制限がない。 試用期間中、試用期間後に関わらず、契約期間中の解雇には、法律に定められた手続きが必要。

試用期間(試雇期間)とは、企業が人材を採用する際、入社から一定期間を設けて、業務に対する「能力・適性・就労態度」を判断する期間です。 労働基準法で定められている制度ではなく、労使間で交わされる雇用契約書などで定める規定で、一般的に1~6カ月程度で設定されます。 企業は、試用期間中といえども、明確な根拠なく簡単に解雇することはできず、解雇予告などの法律に定められた手続きを行う必要があります。

一方、トライアル雇用は、3カ月という期間に定めがある有期雇用契約です。契約期間終了後の雇用継続は、労使間で話し合い決定します。

トライアル雇用が生まれた背景と目的

当章では、トライアル雇用が生まれた背景とその目的を解説します。

企業の中途採用は、多くの場合「経験者募集」の形式をとり即戦力を期待した採用活動を行います。つまり、経験者でなければ、書類選考を通過しないケースが多々あります。一方で、さまざまな事情で、就業につく機会がなく、業務経験を積めなかった人材がいます。

この人材は、就労意欲があるにも関わらず、業務経験がない故に採用試験に通過せず、また、就職できないために経験を積む機会を与えられない負のスパイラルに陥ってしまいます。

トライアル雇用制度は、奨励金で企業の負担を小さくし、意欲ある就労者に業務経験を積む機会を提供し、雇用へと結びつける目的があります。

トライアル雇用の種類

トライアル雇用には、複数の種類があり、対象者が異なります。また、時代背景にあわせて対象者の変更や条件の変更も必要に応じて行われています。昨今では、新型コロナウイルス対応のため条件の変更が行われています。最新の情報は厚生労働省のホームページを参照ください。

一般トライアルコース

一般トライアル雇用の対象年齢は、当初は45歳未満でしたが、令和2年2月より、55歳未満に拡大されています。企業は、この制度を利用することで、要件を満たせば、対象労働者1人あたり、月額最大4万円(最大12万円)の奨励金を受け取ることができます。

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース

障害者を対象者としたコースです。雇用期間は、障害者は原則3カ月、精神障害者は最大12カ月とし、要件を満たすことで、労働者1名に対して、4万円~8万円が奨励金として支給されます。

また、週20時間以上の就業が難しい労働者に対して、障害者短時間トライアルコースが用意されています。

新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

新型コロナウイルス感染症の影響で離職し、これまで経験のない職業に就くことを希望している労働者を無期雇用へ移行することを前提に、原則3カ月間雇用する制度です。 要件を満たすことで、労働者1名に対して、2.5万円~4万円が奨励金として支給されます。

若年・女性建設労働者トライアルコース

35歳未満または女性が対象で、建設工事現場での現場作業に従事する業務に就労する際の制度です。中小建設事業主は、要件を満たせば、対象労働者1人あたり、月額最大4万円(最大12万円)の奨励金を受け取ることができます。

トライアル雇用導入の仕方

ここでは、ハローワークを利用した「トライアル雇用」の導入方法を解説します。

  • 企業側は、ハローワークに、「トライアル雇用求人」を提出します。
  • 企業 ハローワークから求職者の紹介を受け、面接などを行い、企業は採否を決定します。
  • 企業 雇用開始から2週間以内に、実施計画などの書類をハローワークに提出します。
  • 企業トライアル雇用終了翌日から2カ月以内に、支給申請書などの書類をハローワークもしくは。労働局に提出します。
  • 企業支給要件を満たした場合、条件に応じた助成金額が一括で支給されます。

トライアル雇用の確認事項

トライアル雇用を導入するには、詳細な要件を満たす必要があります。この条件を満たさなければ、助成金を受領することはできません。ここでは代表的な要件を参考として紹介します。

なお、最新の要件は、「事業主の方のための雇用関係助成金」を参照ください。

過去5年に渡り不正受給がない

過去5年間に助成金等について不正受給の処分を受けている場合は対象外なります。

事業主都合での離職を行っていない

特定期間内で、雇用保険被保険者を事業主都合で離職させたことがある場合は対象外となります。

トライアル雇用導入のメリット

奨励金が支給される

トライアル雇用は、要件を満たせば、奨励金が支給されます。

雇用のミスマッチを防げる

原則3カ月の有期雇用契約のため、労働者と企業の相性や、適正をみきわめて、今後の採否を決定できます。これにより、労使間の雇用のミスマッチを防止することができます。

採用コスト・工数が抑えられる

ハローワークから条件にあった人材が紹介されるため、求人広告費や、多数の応募者の選定などのコスト面、工数が抑えられます。

トライアル雇用導入のデメリット

補助金申請に事務処理が発生する

申請書類、計画書、支給申請書などの支援金申請のための事務処理が発生します。

支援金の入金までに時間がかかる

給与は毎月、労働者に支払う必要がありますが、支援金が入金されるのは、試用期間が終了したあとに一括して振り込まれるため、入金までに時間がかかります。

トライアル雇用は、企業側に支援金の支給や、ミスマッチを防ぎ、良い人材に巡り会えるメリットがあります。そして、就業機会に恵まれない人材に機会を提供し、未経験者に研修を行い業務経験を積ませて、社会に復帰させることで、経済全体への貢献もできます。上手に活用し、自社の発展と社会貢献を実現しましょう。

  • 人材採用・育成 更新日:2022/05/18
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