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リクルーターとして成功するための7つの特性

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『The Happy Recruiter The 7 Ways to Succeed』の著者は、英国の大手人材ビジネス企業Reedの会長を務めるジェームス・リード氏です。

リード氏は本書のなかで、優れたリクルーターになるための7つの特性を挙げ、どうすればその特性を持ったリクルーターになることができるかを解説しています。

全編を通して、企業の人事部をクライアントとして個人事業や人材ビジネス会社で働くリクルーターを対象として書かれていますが、採用活動をするときの心構えには共通点が多く、企業で働く採用担当者の参考にもなるはずです。

リクルーターとして成功するための7つの特性

リード氏は、成功するリクルーターには7つの特性があるといいます。そして、それぞれのリクルーターのイメージを動物に例えています。

  • 信頼関係を築きやすいリクルーター(イルカ)
  • 関連知識のあるリクルーター(アリクイ)
  • 準備が整ったリクルーター(クモ)
  • 素早いリクルーター(野うさぎ)
  • 逆境に強いリクルーター(カメ)
  • 思慮深いリクルーター(フクロウ)
  • 報われているリクルーター(ミツバチ)

7つの特性は一度にすべてを使うものではなく、場面によって必要に応じた組み合わせで発揮されます。ここでは、7つの特性がどのようなものなのか、そして7つの特性を持ったリクルーターになる方法を紹介します。

1.信頼関係を築きやすいリクルーター(イルカ)

信頼関係を築きやすいリクルーターは、イルカのように同じグループにいる人たちとコミュニケーションをとるのが好きです。イルカは基本的に単独では行動しません。仲間と密接にコミュニケーションをとることで、グループに足りない部分をフォローしながら成功することができます。

電話やミーティングで、クライアントや候補者と長い時間を過ごすリクルーターにとって、「信頼関係を築きやすいこと」は7つの特性のなかで最も重要です。温かくオープンで話しやすい雰囲気を作り出すことができれば、クライアントや候補者との関係が長く続くでしょう。

関係が長く続けば信頼につながります。そして、その信頼は、次の特性である「関連知識のあるリクルーター」の基本となります。

信頼を築きやすいリクルーターになるには

人を喜ばせる人になる

リクルーターの仕事は、意図的に人と人をつなぐことです。クライアントと候補者両方の幸せを考えましょう。候補者や関係者の名前を覚えることも信頼への第一歩です。

正直になる

正直であることは簡単なはずですが、実際には難しいものです。でも嘘をついてはいけません。例えば、職務記述書に正しいことが書いてない場合、勇気を持ってそれを訂正できますか? 自分の意見をはっきり言えることが大切です。

候補者にとっては、できないことを約束するリクルーターほど最悪なものはありません。大風呂敷を広げず、誠実に話し合うことで信頼関係が築ければ、ほかの応募先に関する話しにくい情報も正直に教えてくれるでしょう。

時間をかける

信頼関係は一朝一夕では成り立ちません。時間をかけて信頼されるようになります。

姿を見せる

リード氏によれば、クライアントと顔を合わせてミーティングをすると、電話だけで打ち合わせしたときよりも採用を成功させる可能性が4倍上がるという結果が出ています。実際に会うことで要望を深く理解でき、上手くいくことが多いようです。

自分らしく振る舞う

上から言われたままの言葉を繰り返す売り込みロボットになってはいけません。誰もあなたになることはできないのです。自分の良さを出すことができれば、競争が有利になります。

候補者を忘れない

「今日の候補者は明日のクライアント」という気持ちで、誰にでも親身に接することが大切です。リクルーターが候補者を支えることで、候補者は面接で落ち着いて自分の実力を出すことができます。

また求職者は、採用、不採用に関わらずフィードバックがほしいものです。もし不採用だった場合にも連絡を取り、助けになれることがあるかどうか聞きましょう。候補者が採用試験についての口コミを広げることも考慮に入れて誠実な対応をしてください。

気分が乗らないときでも適切な行動がとれるようにする

リクルーターの仕事で最もストレスになることは、人々の予想不可能な行動に振り回されることかもしれません。「ほかに応募している求人があるかどうか」を何度尋ねても答えてくれない候補者、何度メッセージを残しても連絡が取れないクライアントなどが、リクルーターをイライラさせます。

しかし、どんなときでもプロフェッショナルな態度で冷静な行動を心掛けましょう。

2.関連知識のあるリクルーター(アリクイ)

アリクイは、主に蟻だけを食べ、その目的に完全に適応した姿をしています。関連知識のあるリクルーターも、自分の専門分野について何から何まで熟知しており、その分野に完全に適応することができます。

現代は専門性の時代です。それは採用活動も例外ではありません。リクルーターも、会計業務、サイバーセキュリティ―、デジタルマーケティング、教育など、専門性のある求人に対応できる人が望まれています。

関連知識のあるリクルーターになるには

自分の専門を決めて知識を深める

興味を持つことができ、学ぶことを楽しめる専門分野を見つけましょう。専門分野は一つだけとは限りません。

知識はWEBサイトやソーシャルメディアなどのオンラインリソースだけでなく、クライアントや同僚、候補者からも得ることができます。

もし、会計業務ができる人材を採用するのが得意で、会計業務の採用を専門にするとしたら、得意な業界、企業の規模など、さらに細かく自分の得意分野を絞って知識を深めていきます。

専門知識を自分のセールスポイントにする

専門知識を身につけることで候補者に的確な質問ができるようになります。また、職種や業界を知れば、「どの時期が繁忙期で人材が必要か」といったサイクルも分かるようになるでしょう。身につけた専門知識は独自のセールスポイントとしてアピールできます。

ニーズに合う知識を持つ

専門分野を持つと、その分野の人材を探しているクライアントや、その分野で働きたい候補者のニーズに合わせた会話ができるようになります。必要な情報を集める力も上がります。例えば候補者を探すときに、どこを探せばよいか分かるようになるはずです。

専門知識には言語も含まれます。グローバル企業であれば、クライアントが話す言葉を使えることは、信頼を得るために、そして役に立つリクルーターになるために必須のスキルです。このように専門分野の知識を深めることで、様々なニーズに合わせられる関連知識のあるリクルーターになることができます。

3.準備が整ったリクルーター(クモ)

準備が整ったリクルーターは、どのような不測の事態にも備えができています。通りすがりのハエを捕まえるクモのように、チャンスを逃しません。彼らは準備や計画に投資をするのです。

準備をしっかりしておくことには2つの利点があります。ひとつは、予定していたことを最大限に活用できること。そして不測の事態になったときにパニックにならないことです。

準備が整ったリクルーターになるには

兵士のような段取りをする

兵士のように毎日スケジュール通りに過ごすことで、失敗を防ぎ時間を有効に使うことができます。電話連絡は午前中、ミーティングは水曜日、クライアント訪問は木曜日など、毎週同じ曜日や時間に同じ行動をして一貫性を持たせましょう。そうすれば不測の事態が起きたときにも対応しやすくなります。

また、重要なことを書きとめておく習慣があれば、同じことを何度も質問しなくて済みます。

堅実さを持つ

クライアントも候補者も堅実なリクルーターが好きです。特に候補者とは小まめに連絡を取り、採用試験の進捗状況や、面接に対する採用担当者からのフィードバックなどを伝えましょう。

候補者との強固なパイプラインを持つ

継続して優秀な候補者を紹介できるように、求職者とつながりを築くこともリクルーターが評価される要素です。アクティブに仕事探しをしている人だけに目を向ける必要はありません。

ある年にReedから企業に紹介した候補者の80%は過去の登録者で積極的な仕事探しをしている人ではありませんでした。彼らがReedからの連絡に興味を示した理由は、ほかの人材会社が声をかけなかったからです。

情報のアンテナを立てる

常に耳と目を開き、新しい動きを察知して対策をします。周りの企業で何が起こっているかニュースを確認することはとても大切です。例えば、会社が倒産すれば、クライアントにふさわしい才能のある人材が仕事を探し始める可能性があります。

4.素早いリクルーター(野うさぎ)

最高の候補者やクライアントを獲得できるのは、素早いリクルーターです。彼らは一瞬の物音に反応し、藪の中を駆け抜ける野うさぎのようなスピードを持っています。リクルーターの仕事は早い者勝ちのところがあります。競争相手に勝つには、少しでも早く適切な人材を集めなければなりません。段取りをよくすることで時間を短縮しましょう。

素早いリクルーターになるには

話す前に考える

明確で効果的なコミュニケーションをすることで、誤解をなくし、電話やメールの量を減らせます。例えば、クライアントから新しい依頼を受けたときには、それがどれくらいの緊急度なのか確認します。

ASAP“出来るだけ早く”で引き受けるのではなく、具体的な期日をはっきりさせてください。また、採用の依頼を受けるときには募集内容をメールで受け取るだけではなく、電話で詳しく聞きます。たいていの場合、クライアントからメールに書いてある以上の必要条件が出てきます。このような少しの手間で作業がスピードアップします。

先のことを考えて行動する

先のことを考えながら行動することでスピードアップできます。候補者が面接を受けた後、結果が出るまでに時間を要すると、候補者はほかの企業や人材会社に移ってしまう可能性があります。面接を見て見込みがあるようであれば、リクルーターは企業が早く決断できるように促しましょう。

優先順位を決める

重要度の高いものから順位をつけ、それに基づいて行動することで最大効果を生み出せます。

慌てない

素早さと慌てることは違います。採用試験をして適切な人がいない場合は、無理に採用してはいけません。採用後に上手くいかなくなるだけです。

5.逆境に強いリクルーター(カメ)

求人募集をしても候補者がなかなか集まらない職種があったり、せっかく採用した従業員が辞めてしまったりと、リクルーターの仕事は、しばしば自分の思い通りにはならず逆境に耐えることを求められます。そのような状況でも、カメのように辛抱強く進むことができる力が必要です。

逆境に強いリクルーターになるには

感情に弾力性を持たせる

リクルーターの仕事は人に関わるため、すべてを数字で予測することはできません。「見込み客に何度アプローチしても断られる」、「期待していた候補者が採用試験に現れない」など、自分でコントロールできないことで上手くいかないことがあります。

そのようなときのために、心の回復力を育てましょう。決意、忍耐、勇気を持ち、肝を据えましょう。楽観的な態度もときには必要です。また、会社の内外に上手くいかないときに話せる同僚や友人を持ちましょう。

クライアントとの関係を見直す

クライアントの要求のままに動いているところはないでしょうか? リクルーターの仕事は、クライアントの要求をこなすことではなく、専門家としての知識を生かし採用を成功させることです。

クライアントに従うのではなく、クライアントと同じ立場で採用を成功させたいのだと考えるようにします。この心構えにより自信が生まれ、どのような状況でも前に進めるリクルーターになることができるでしょう。

候補者を探す方法と管理する方法を見直す

候補者が見つからないときほどストレスになることはありませんが、諦めてはいけません。潜在的な新入社員が隠れていそうな場所を徹底的に探します。候補者を探す方法やリスト管理の方法を見直してみるのもいいでしょう。書籍に載っている候補者を探すテクニックは何でも試してみます。

とにかく諦めず粘り強くアプローチすれば必ず候補者が見つかるものです。

6.思慮深いリクルーター(フクロウ)

ギリシャ神話の時代までさかのぼると、フクロウの大きな目と神妙な顔つきは知恵を象徴しており、人々はこの鳥が「夜に物が見える内なる光」を持っていると信じていました。思慮深いリクルーターは、フクロウと同じように隠された力を持っています。それは「自己認識」という力です。

思慮深くあることは、誰でもできることではありませんが、継続的な向上に不可欠です。

思慮深いリクルーターになるには

好奇心を持つ

好奇心を持つことは、状況が良いときでも悪いときでも、自分を向上させるために役立ちます。

例えば、5人の候補者をクライアントに紹介したにも関わらず、誰も面接に進めなかった場合、リクルーターはそこで「ダメだった」とあきらめてはいけません。「何が良くなかったのだろう」という疑問が持てるようにします。そしてマネージャーと話し合い、足りない部分を補強して新たな人材を紹介するべきです。

また、自分のパフォーマンスを上げるためにどうすればよかったか自己反省できることも大切です。

よい習慣をつくる

身についた習慣はなかなか止められません。そこで、悪い習慣ではなく良い習慣が身に付くようにします。上手くいった月を思い出してください。そのとき何をしたでしょうか?

普段より多くミーティングに参加した、クライアント訪問や電話をした、メッセージを送ったなど、いつものルーティンと違ったことをしませんでしたか? 成功した月が良い仕事のベンチマークとなります。それを習慣化させましょう。

周りの人たちと一緒に考える

ビルゲイツは「私たちはみな、フィードバックを与えてくれる人が必要です。そうやって上達していきます。」と言いました。私たちは成功者の彼の言葉を聞くべきでしょう。

何を学んだか振り返る

学び続けるなかで過去を振り返り、自分が以前よりどれだけ進歩したか確認することが、モチベーションにつながります。

7.報われているリクルーター(ミツバチ)

報われているリクルーターは、仕事のあらゆる側面において充実し、人から尊敬されています。その姿を、ハードワークから報酬を得るミツバチに例えましょう。ミツバチは努力の見返りとしておいしい黄金の蜂蜜を手に入れることができます。

リクルーターも、努力の見返りにかけがえのないものを得ることができる仕事です。

報われているリクルーターになるには

リクルーターの仕事を愛する理由を考える

リード氏は、「多少ひいき目はあるかもしれないが、リクルーターの仕事ほど報われるものはない」といいます。この仕事で誰かの人生を良い方向に変えるかもしれません。クライアントや候補者からは感謝されます。

そしてプロとしてコミュニティのなかで尊敬されます。自分がリクルーターの仕事を愛する理由も考えてみてください。

経済的な報酬を得る

金銭的な報酬は、やりがいのためには欠かせません。リード氏は、リクルーターが高い収入を得られる可能性を持った仕事だと説明します。

しかし経済的な安定をはかるために、ときには交渉が必要なこともあるかもしれません。特に採用枠を埋めるのが難しい求人を引き受けるときには、自分の価値に見合った給与がもらえるよう交渉しましょう。

精神的なやりがいと経済的なやりがいのコンビネーションが大切

リクルーターの仕事のよさは、自律的に活躍する場面とチームプレイヤーとして活躍する場面があるところ。そして、大きな報酬を得られる可能性があるところです。

この精神的なやりがいと経済的なやりがいのコンビネーションがリクルーターにモチベーションを与えます。ミツバチのイメージが思い浮かぶのは不思議ではありません。一生懸命に忙しく働き、自律的に新しい機会を探し、同僚と協力して究極の報酬を生み出すのです。

7つの特性を持つリクルーターになる

リクルーターとして成功するための7つの特性の概要を紹介しました。初めにも触れましたが、この7つの特性のすべてを一度に使うことはないかもしれません。しかしリクルーターとしてキャリアの様々な場面で、ニーズに合わせて引き出せるよう意識しておく必要があります。

ジェームス・リード氏の言葉は、採用活動に関わるあらゆる人の心構えに役立ちます。ぜひこれらの特性に目を向けてみてください。そして、自分に当てはまらない特性があるときには、それを手に入れるために何をすればいいか考えてみることが大切です。

タイトルThe Happy Recruiter The 7 Ways to Succeed
著者James Reed
出版社Virgin Digital(初版2019/5/16)
ISBN: 9780753554173

  • 人材採用・育成 更新日:2022/04/07
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