経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
0 ty_saiyo_t03_job-interview-manual_211220 column_saiyo c_mensetsutechnicc_mensetsukan

【中途採用担当者向け】面接マニュアル(準備・質問・アフターフォロー)と適性テスト活用方法

/news/news_file/file/t-20211220150043_top.png 1

中途採用の担当者にとって、採用面接は重要な仕事です。採用担当者として優秀な人材を見極めるには、面接のおこない方や質問の仕方に工夫が必要です。自社の求める人材を採用することができれば、人材採用を通じて会社を活気づけることができるでしょう。

一方で、自社の社風や業務内容に合わない人材を採用すると、仕事の生産性が低下したり早期離職につながったりするということも。それでは、採用面接ではどのような点に注意すれば良いのでしょうか?

ここでは、中途採用の面接に必要な準備や、面接のおこない方について解説します。

面接前の準備

面接では、採用側にも準備が必要です。面接では、採用側にも準備が大切です。採用面接の準備が不十分であると、応募者に情報共有ができない職場のような印象を与えたり、応募者の能力や評価をしっかり評価できなかったりしかねません。

採用面接の準備には、主に「採用担当者のアサイン」「面接時間・場所の調整」「応募者の情報共有」「質問項目の共有・決定」「資料の準備」が必要です。まずは、採用面接に必要な事前準備について、お伝えします。

面接官のアサイン

採用面接を実施するにあたり、採用担当者は、面接官をアサインする必要があります。面接官にアサインする人材は、企業によりさまざまです。各部署の責任者や役員クラスが面接官を担当することもあれば、中小企業の場合には、代表者が採用面接に参加するケースもあります。

そこで、まずは代表者や担当役員と相談しながら、採用面接にアサインすべき人材を決めましょう。

面接日時の調整

次は、各面接官と応募者のスケジュールを確認し、面接日時を決めます。面接官や応募者のスケジュールを確認する時には、いくつか候補日を挙げてもらうようにしましょう。部署の責任者や役員・代表者は、会議などでスケジュールが埋まっていることが多いです。

また、中途応募者の場合にも、現職業務の都合があるため、採用面接の日程調整が難航しやすいです。採用担当者として、採用側と応募者側で複数の候補日をつくることができれば、スムーズに面接日時を調整できます。

応募者の情報共有

採用面接の前には、採用担当者と面接官の間で、応募者の情報を共有します。この時、履歴書や職務経歴書を提供することはもちろんですが、採用担当者として、メールや電話・事前見学での応募者の印象を面接官に伝えるのも重要な役割です。面接官の立場からすると、応募者の雰囲気や人柄がイメージできたほうが、面接でコミュニケーションをとりやすくなるものです。限られた情報を活用しながら、面接官と応募者の情報を共有しましょう。

質問内容の共有

採用面接では、面接官の間で、質問内容を共有することも大切です。誰が、どのような質問をするか共有していないと、質問内容が重複してしまいます。さらに、応募者の個人情報を詳細に聞くなど、採用面接の意図にそぐわない質問をしてしまうということも。こうしたトラブルを防いだり、応募者の能力や人格を適切に評価したりするためには、あらかじめ質問内容を共有しておくことが必要です。

資料の準備

採用面接前には、応募者に「企業理念」「業務内容」「労働環境」を伝えるためのツールを準備しておくと良いでしょう。例えば企業パンフレットのような資料があると、視覚的に自社の魅力を伝えやすくなります。

採用担当者の方のなかには「会社の魅力は言葉で説明すれば応募者に伝わる」と思っている人もいるかもしれませんが、これは認識違いです。なぜなら採用面接では緊張している応募者も多いため、面接官の説明だけで会社の魅力をイメージできるとは限らないからです。

応募者が就職後の自分をイメージしたり、自社の魅力をアピールしたりするためには、採用面接時に、パンフレットなどの資料を準備するのも効果的です。

肝心なことは、応募者が「就職した後の働くイメージ」を持てること。採用面接では、働いたりキャリアアップしたりしていくイメージを応募者自身が持てるように、自社の魅力をアピールしていきましょう。

質問項目の決め方

採用面接で、会社が求めている人材かどうかを判断するためには、応募者への質問がカギになります。面接官の重要な役割のひとつは、多角的な質問を通じて応募者の人柄や能力を見極め、優秀な人材を採用することです。しかし、「優秀な人材」と一口に言っても、会社の経営理念や社風・業務内容によって理想とされる人柄や能力は異なってきます。

例えば、競争が激しい情報通信業では、他社との差別化を図るために自ら考え新しいアイディアを発案できる人が求められますが、労務や経理を担当する事務職であれば、指示された仕事を的確におこなえる人材が向いているでしょう。また、医療・福祉職であれば仕事のスキルよりも人柄が採用の決め手になるということも。

このように、会社によって「優秀な人材」の基準はさまざまです。そのため、採用面接にあたっては代表者や重役・マネージャーなどと相談しながら、自社の求める人材を見極められるような質問を考えていきましょう。

採用面接でのNGな質問

採用面接では、応募者の人柄や能力を正当に評価するとともに、応募者の人権を尊重することが求められます。また、職業安定法では、採用面接の際に応募者に対して業務と直接関係のない質問をしてはならないと決められています。採用面接でトラブルに発展しないためにも、以下のような質問には注意が必要です。

1) 個人情報に関すること

本籍地、資産、居住地域・住宅状況、家族に関する情報など

2) 宗教や思想に関すること

信仰している宗教、支持政党、人生観、尊敬する人物など

3) 性に関すること

結婚・出産の予定など

上記は、職業安定法や男女雇用機会均等法に抵触するおそれがあり、基本的人権を尊重する観点からもNG質問に該当します。特に「個人情報」に関する質問は、信頼関係を築こうとしてうっかり質問してしまいやすい事柄です。もちろん現住所や職業歴など、採用に必要な情報の聴取は問題ありませんが、家族や家庭環境といった深入りした質問は、就職差別につながるNG質問です。近年では、採用面接における不適切な質問がSNSで拡散されるケースもあるため、面接官も自社の信用を損なわないように注意が必要です。質問項目を考える際には、「業務に関係のない質問をしていないか」を確認しましょう。

面接のスムーズな進め方

面接前の準備を踏まえたうえで、ここからは実際の面接について見ていきましょう。採用面接の時間配分やアイスブレイクの方法など、具体的な面接の進め方をお伝えします。

面接時の時間配分

採用面接の時間配分は会社によって異なりますが、応募者が1名、面接官が1~5名の場合、一般的には30~40分程度です。以下の時間配分を目安にしながら、自社に合わせた面接設計をしてみましょう。

  • ① アイスブレイク:応募者の緊張をほぐす(5分)
  • ② 応募者の能力や人柄を見極める(15~20分)
  • ③ 雇用条件の提示・すり合わせ(5分)
  • ④ 質疑応答(5~10分)

人材採用に力が入るほど質問内容から話が脱線し、面接時間が長くなりがちです。たしかに応募者の人柄や能力を知るには多角的な質問が大切ですが、面接時間が長くなるほど応募者の心理的負担が大きくなることに注意しなければなりません。予定時間よりも大幅に長い採用面接は、応募者の心象を悪くし入職を敬遠されてしまいます。予定時間を超過しないように、面接前には参加メンバーで打ち合わせをしておきましょう。

アイスブレイクの方法

採用面接では、まずは応募者の緊張をほぐすことが大切です。応募者は面接官を前に緊張している場合が多いため、本音を打ち明けてもらうには面接官とコミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくる必要があります。

採用担当者のなかには、初めて会う応募者とどのような話題から話すべきか悩む方もいるでしょう。もっとも簡単で効果的なアイスブレイクの方法は、お互いの共通点を見つけることです。

人は、自分と共通点を持つ人に親近感を抱きやすいという性質があります。この性質は「類似性の法則」と呼ばれ、接客業や営業職が顧客と円滑なコミュニケーションをとるために使われる考え方のひとつです。採用面接の前に、履歴書や職務経歴書を読み込んでみると応募者との共通点を見つけやすいでしょう。なかでも居住地や出身大学・趣味特技は、共通の話題として話を切り出しやすい事柄と言えます。応募者にとっても、自分の身近なテーマを話題にすることで緊張感が少なく話を広げやすくなります。

応募者に魅力を感じてもらう方法

採用面接における採用担当者の役割は、応募者の人柄や能力を適切に把握することですが、一方で応募者からの信頼を得ることも重要な役割です。意外に思われるかもしれませんが、面接官の印象によって入職を決意する応募者も多いのです。面接官として、「この人のいる会社で働きたい」と応募者に良い印象を与えることができれば、自社の求める人材を採用しやすくなるでしょう。

では、応募者の信頼を得るにはどうすれば良いのでしょうか。ポイントは、応募者に興味を持ち、相手の話をじっくり聞くことです。面接官が丁寧に話を聞き、オープンな雰囲気がつくれると、応募者も本音で話がしやすくなります。心理学では、信頼関係を築き本音で語り合える関係のことを「ラポール」と言います。「ラポール」を形成することで、お互いに安心や親近感を抱くことができ、良い人間関係を築くことができます。採用面接でも同様に、面接官と応募者の間に「ラポール」を構築できれば、応募者の入職の可能性を高めることがでるでしょう。

面接官から伝えるべきこと

面接官の一言は、採用成功率に大きく影響します。ある調査では、「応募者の約7割が採用面接を受けて入社を決意した」というデータもあります。面接官の言動は、応募者の入職を後押しする原動力になるのです。

応募者を入職につなげるために、 面接官としては ①自社が必要としている人材であること ②応募者自身のスキルを活かせる職場であること を伝えることが大切です。中途採用では、応募者は自分の能力や経験を活かしたいと考えている場合が多いため、採用側は応募者の承認欲求や自己実現欲求を満たすために、メッセージ性のある声かけが必要です。応募者自身の能力や経験を活かせるという期待を持たせることができれば、入職を後押しでできるでしょう。

応募者の人柄や真偽の見分け方

採用面接では、応募者が必ずしも本当のことを話しているとは限りません。そのため、面接官には応募者とのコミュニケーションを通じて相手の人柄や話の真偽を見分けることが求められます。新卒者に比べると、中途採用の応募者は社会人経験がある分コミュニケーション能力が高いのが特徴です。表情の作り方、声の抑揚のつけ方、ジェスチャーの仕方なども新卒者より優れているでしょう。中途採用の応募者はTPOに合わせた振る舞いができる人が多いので、会話を交わしているだけでは本質を見抜けません。

応募者との会話から本質を見抜くためには、質問に対する返答に「一貫性」と「具体性」があるか注目してみましょう。例えば、前職の退職理由と自社への志望動機に「一貫性」がない場合、応募者が面接官に嘘をついている可能性もあります。また前職の実績について「具体性」のある回答ができていない場合、実績をすり替えたり誇張したりしているということも。このように応募者との会話において「一貫性」と「具体性」に注目すると、人柄や話の真偽を見分けることができるでしょう。

     

適性テストを活用した応募者の見分け方

採用面接では、応募者の人柄や能力を見極めるために適性テストを使うのもひとつの方法です。中途採用の面接でも、適性テストをおこなう会社が増えている傾向にあります。採用担当者の主観的評価に加えて、応募者の人柄や能力を客観的に評価しようと考えが広まりつつあるのでしょう。

適性テストは「性格検査」と「能力検査」から構成されるのが一般的です。代表的なツールにはSHL社の「玉手箱」や「GAB」などがあります。適性テストを導入する時には、さまざまな商品を比較・検証し、自社の求める人材を抽出できるサービスを選ぶようにしましょう。

採用面接で導入される適性テストの主な目的は、早期離職を防止することにあります。従来のように面接官の感覚に頼った面接方法では、面接官の主観や経験がバイアスとなり、正確な人材評価ができないケースがあるからです。そうなると、採用してみたものの会社の社風や業務に合わず早期離職してしまう可能性が高まります。適性テストを導入することにより、応募者をより客観的に評価でき雇用のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

面接の質問ポイント

採用面接に慣れていない採用担当者は、応募者にどのような質問をすれば良いか悩むかもしれません。採用面接で欠かすことのできない質問には「志望動機」、「入社後のビジョン」、「前職で力を入れてきた仕事やプロジェクト」があります。ここでは、それぞれの質問の意図について説明します。

①志望動機

志望動機は、働く意欲を確認するために欠かせない質問です。入社意欲が高い人材が優秀とは限りませんが、一生懸命に仕事をするためには帰属意識が大切です。会社に貢献しようとする気持ちがあるかを確認しましょう。

また、最近では多くの会社がホームページやSNS、パンフレットなどを使って自社の広報をおこなっています。採用面接では、応募者がそれらの情報から会社の方針や業務内容を理解しているかどうかも確認しましょう。

②入社後のビジョン

中途採用の面接では、応募者に「能力や経験をどのように活かしていきたいか」についても質問してみましょう。成長意欲のある人材は自ら考えて行動したり、新しいアイディアを発案したりできるものです。中途採用では社員教育に費やせる時間が限られているので、即戦力として能動的に働ける人材かどうかが重要なポイントになります。そのため、採用担当者は、入社後の働き方について具体的なイメージがあるかどうかを応募者に確認するようにします。

③前職で力を入れてきた仕事やプロジェクト

採用担当者は、応募者の能力や強みを適切に評価する必要があります。これは、会社が求める人材を採用するためでもありますが、入社後の配置決めや、業務の割り振りの際にも応募者の強みが参考になるからです。応募者の強みを知るには、前職で力を入れてきた仕事やプロジェクトについて質問する方法がもっとも効果的です。中途採用の応募者の場合、誰にでも時間や労力を費やしてきた業務がありますから、前職の仕事やプロジェクトの様子を聞くことで応募者の能力を把握することができるでしょう。

このほかにも応募者の人柄や能力を見極めるには、多角的な質問を投げかけることが必要です。会社の求める人材かどうかを見極められるように、採用面接に向けて質問集を準備しておくと良いでしょう。

面接における評価設定のポイント

優秀な人材を採用するには、応募者のどのような要素を評価すれば良いのでしょうか? 求める人材像が不明瞭だと、面接の評価基準も曖昧になってしまいます。ここからは、応募者の評価設定について解説します。

①自社で働く意欲があるか?

採用面接を受けたからといって、必ずしも入社に強い意志があるとは限りません。応募者の多くは複数の会社の採用面接を受けていたり、内定をもらっていたりするでしょう。

確認すべきポイントは、しっかりと情報収集をしたうえで入社を志望しているかどうかです。会社の方針や業務内容を理解していないと、入職をしても社風や仕事が合わずに早期退職する可能性もあります。優秀な人材だと思って採用した社員が、能力を発揮しないまま数ヶ月で離職するということはめずらしい話ではありません。このような事態を防ぐためには、即戦力として自社で働く意欲があるかどうかを見極める必要があります。

②自社が求める仕事のスキルが備わっているか?

中途採用の場合、新卒採用に比べて教育に時間や労力を費やせない場合が多いため、会社にとっては即戦力となる人材の採用が望ましいでしょう。また、最近は教育に費やせる現場のマンパワーに余力がない会社も多いので、できるだけ教育コストの低い人材を採用できると現場の業務の負担を軽減できるでしょう。

③臨機応変なコミュニケーションが図れるか?

コミュニケーションスキルは、どのような部署においても必要な能力です。特に、部署の垣根を越えてプロジェクトをおこなう機会が多い会社では、初対面の相手とも円滑なコミュニケーションがとれる人材を採用することで、さまざまな業務を任せやすくなるでしょう。

「コミュニケーション」と聞くと“話すこと”をイメージする人も多いかもしれませんが、ビジネスでは相手の話を“聞くこと”のほうが重要です。人の話を聞きながら、相手の考えや気持ちに共感する行為は「傾聴」と呼ばれ、医療・福祉の分野ではクライアントとのコミュニケーションによく使われます。

近年では、ビジネスシーンでも「傾聴」が重要視されてきており、顧客との信頼関係を構築するコミュニケーション方法として取り入れられています。採用面接では、応募者が自分の考えを主張する様子もみながら、面接官の話に傾聴できているかどうかにも注目してみましょう。

以上のように「働く意欲」「仕事のスキル」「コミュニケーション能力」は、どのような会社の面接でも採用担当者が見るべきポイントです。もちろん、採用面接の評価基準は業種や職種によって異なります。

また、会社が求める人材像によって優先される応募者の能力も異なります。採用面接をおこなう前には、上記のポイントを踏まえながら自社の評価基準を明確にしておきましょう。

段階ごとの面接設計(一次・二次・最終)

一般的に、中途採用の面接では一次・二次・最終面接がおこなわれます。会社によっては一度の面接で内定者を決定することもありますが、応募者の人数が多い会社では、複数回の面接を通じて内定者を絞っていく作業が必要になります。面接の回数が多いと、自社にマッチした人材を採用しやすくなるメリットがあります。

ここでは、それぞれの面接をどのように設計していけば良いか、人選や面接のポイントをお伝えしましょう。

①一次面接

一次面接は、採用担当者がおこないます。一次面接では、応募者が社会人として基本的なコミュニケーション能力を備えているか、また自社の社員と協力できる協調性があるかどうかを見極めます。会社では、どの部署に配属されても社員同士のコミュニケーションが必要です。コミュニケーション能力が不足していると、「報連相ができない」、「業務をフォローし合えない」といった問題が起こり、仕事の生産性が低下するばかりでなく、社員同士のトラブルも起こりやすくなるでしょう。

中途採用では、社会人経験がある応募者を面接することになりますが、社会人経験があるからといってコミュニケーション能力や協調性があるとは限りません。専門的なスキルを重要視して仕事をしてきた応募者のなかには、コミュニケーション能力や協調性が欠けている人もいるでしょう。そのため、採用担当者は一次面接を通じて、応募者が会社に適応してうまく働ける人材かどうかを判断する必要があるのです。

応募者のコミュニケーション能力や協調性を評価するには、一次面接をグループ形式でおこなうのも良いでしょう。特に接客業や営業職では顧客との対話が業務の主軸になるため、グループ形式で面接をおこない応募者の対人スキルを直接評価するのもひとつの方法です。

②二次面接

二次面接は、現場の責任者がおこないます。二次面接の目的は、自社の求めるスキルが応募者に備わっているかどうかを見極めることです。中途採用の応募者は、新卒者と違って現場での実務経験があります。そのため、応募者の培ってきた実務経験が、即戦力として役立つかどうかを評価するのが面接官の役割になります。

注意点としては、豊富な実務経験を持っている人材が必ずしも会社のために能力を発揮できるとは限らないということです。中途採用では、前職との業務環境の違いから能力を十分に発揮できないという社員も珍しくありません。なかには「前の会社では違う方法だった」と主張し、会社の方針を無視してチームの輪を乱してしまうケースも。同じような仕事であっても、会社によって方針ややり方は変わってきます。二次面接では、培ってきた実務経験を自社に合わせてオーダーメイドできる人材かどうかを判断していきます。

③最終面接

最終面接は、会社の代表者や役員クラスがおこないます。内定自体は一次・二次面接の段階で決定していることも多いですが、代表者や役員が顔合わせをして応募者の入社の意志を確認します。また、応募者にとっては経営側の顔が見えるため会社への信頼を築く機会になります。信頼関係を築ければ、応募者も内定承諾を決意しやすくなりますし、会社のために働く意欲が高まりやすくなります。そのため最終面接は、応募者の志望動機や入社後の展望を聞いたり、経営側から会社のビジョンを伝えたりしながら、お互いの考えや思いを共有する場にできると良いでしょう。

採用担当者に誰をアサインするか?

採用面接においては、誰を面接官としてアサインすべきか悩むもの。採用担当者には会社が求める人材を見極めたり、応募者との信頼関係を築いたりする役割があるので、適性がない人材には務まりません。採用担当者の人選に悩んだ時には、次の4つの能力がある人材をアサインすると良いでしょう。

①人に興味・関心を持って評価できる「観察力」

面接官には、応募者の人柄や能力を見極める観察力が必要です。言葉や表情・仕草・ジェスチャーを観察できると、応募者の考えや気持ちを正確に評価できます。しかし、そもそも人に興味・関心を持てなければ応募者の言動を注意深く観察することはできません。強みや弱みは、相手のことを理解しようとするからこそ見えてくるものです。

職場では、同僚の仕事をフォローできる社員は観察力が高い傾向にあります。このタイプの社員は、普段から同僚の強みや弱みをよく観察しているので、問題が起こった時に適切なサポートができるのです。客観的な視点で人材評価をおこなうためには、観察力を備えた社員を採用担当者にアサインすると良いでしょう。

②相手の考えや気持ちを引き出す「聞く力」

採用面接では、応募者の考えや気持ちを引き出す力が必要です。面接官を前に緊張している応募者から本音を聞き出すには、応募者が話しやすい雰囲気をつくることが大切です。面接官が自分や自社の話ばかりをしてしまうと、応募者が自己表現する機会を失ってしまうため、相手の話をじっくり聞ける人材を面接官としてアサインしましょう。

聞く力のある人材をアサインするには、同僚や部下の相談役になっている社員を探しましょう。話しやすい雰囲気をつくれる社員のもとには、自然と多くの相談者が集まってくるものです。

③イレギュラーな事態に対処できる「対応力」

中途採用の面接では、イレギュラーな事態がよく起こります。新卒採用とは違い、応募者や面接官の都合によりさまざまなスケジュール変更を求められることも。採用面接の日程や入社時期の変更によって、スケジュールの再調整が必要になることも多く、会社側の対応に不備があると応募者の不信感にもつながりかねません。採用担当者には、イレギュラーな事態が起きた時にも迅速に対処できる対応力が求められます。

④会社の方針や業務内容を魅力的に伝えられる「プレゼン能力」

採用面接では、面接官の言葉に魅力を感じて入社を決意する応募者も少なくありません。パンフレットやホームページに掲載されている文言よりも、面接官が説明する言葉には影響力があります。そのため、採用担当者には自分の言葉で会社の方針や業務内容を魅力的に伝えられる人材が望ましいでしょう。

採用担当者には以上の4つの力が求められます。もちろん、すべての力を備えた社員が職場にいないこともあるでしょう。そのような場合には、それぞれの能力を補填し合えるように採用担当チームを構成すると良いでしょう。

面接のスケジュール調整方法

採用面接には、自社の代表者や役員クラス・マネージャーなどのメンバーが参加します。それぞれの参加者のスケジュールを確認し、採用面接の日程調整をするのも採用担当者の役割です。しかし、中途採用の面接では、面接官だけではなく、応募者の都合によってもスケジュール変更を余儀なくなされることがあります。採用面接のスケジュール調整が遅くなると、応募者が他社に入職を決めてしまう可能性もあるため、面接日程はできるだけ早い時期に調節するようにしましょう。

採用面接の日程調整をスムーズにおこなうには、あらかじめ社内で面接の曜日と時間を指定しておくのもひとつの方法です。そうすることで、面接に参加するメンバーのダブルブッキングを防ぐことができ、スケジュール調整がおこないやすくなります。スムーズなスケジュール調整をおこなうためには、面接に参加するほかのメンバーにも協力をあおぎます。

面接・内定後のフォロー

採用面接が完了した後には、採用担当者が内定者に「内定通知書」や「雇用契約書」を渡すことになります。これらの書類は郵送することもできますが、できれば内定者に来社してもらい、face to faceで手渡しできると良いでしょう。書類を渡すタイミングで社内見学をしたり、社員とコミュニケーションをとったりできると、安心して職場で働けるイメージがつき内定辞退を避けられます。

内定者の入職後には、フォローアップも欠かせません。どんなに優秀な人材でも慣れない職場に不安を感じない人はいないので、入職後しばらくは仕事上の問題を抱えていないかモニタリングが必要です。フォロー体制が不十分な職場では、新入社員がスムーズに業務をおこなうことができず、会社への不満が溜まりやすいのでしょう。言い換えると、会社側が新入社員を丁寧にフォローアップできれば、職場定着率も高くなるということです。新入社員が自社の雰囲気や業務に慣れていくには人事担当者をはじめとするまわりのフォローアップが大切です。

急増するWeb面接のメリット

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、Web面接を導入する会社も増えてきました。採用担当者のなかには、Web面接の導入を検討している方もいるでしょう。Web面接には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

Web面接は、時間や場所の制限が少ないことがメリットです。中途採用の応募者は、仕事の都合で採用面接の日程調整がしづらい場合も多いため、Web面接を導入すれば、そのような時間や場所に制限があるケースにも対応しやすくなるでしょう。

また、Web面接はオンライン環境が整っていればどこでも実施することができるので、応募者にとっては交通費といった面接を受けるためのコストを抑えることができます。それによって、これまではエントリーが難しかった遠方からの応募者の増加も期待できるでしょう。

ただし、対面の面接に比べると、Web面接は相槌を打つタイミングや会話のテンポがとりづらいという特徴もあります。面接官の態度が応募者の不信感につながらないよう、事前にWeb面接のシミュレーションをしておきましょう。

まとめ

以上、中途採用の面接に必要な準備と進め方について説明してきました。採用面接を成功させるためには、採用担当者として応募者の人柄や能力を見極めることももちろん必要ですが、自社が求める人材像を明確にしておくことも大切です。会社が求める人材像を明確にすることで、採用面接での質問項目や評価基準が設定しやすくなります。

どのような人材を採用すべきか、経営側や現場の意図・ビジョンも踏まえながら採用面接をおこないましょう。

  • 人材採用・育成 更新日:2021/12/28
  • いま注目のテーマ

RECOMMENDED

  • ログイン

    ログインすると、採用に便利な資料をご覧いただけます。

    ログイン
  • 新規会員登録

    会員登録がまだの方はこちら。

    新規会員登録

関連記事