経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
0 ty_saiyo_t01_second-new-graduate_211215 column_saiyo c_keywordc_keikakuc_shitenc_saiyousyuhouc_senryaku

第二新卒とは?採用する企業担当者が押さえておきたいポイントを解説

/news/news_file/file/t-20211215162037_top.png 1

昨今、HR領域で再注目されている採用手法があります。それが「第二新卒者」の採用です。

本記事では、この「第二新卒」とはそもそもどのような人材ジャンルなのか?なぜ、いま注目されているのか?採用のメリット・デメリットは?など、第二新卒に関する気になる疑問を解消していきます。

第二新卒とは

第二新卒に明確な定義はなく、企業ごとに定義している場合がほとんどです。参考として、厚生労働省が発表している資料には第二新卒の定義として、次のように記載されています。

“ それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね 3年以内の者とした(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)。”

多くの企業では「短期間でも社会人として働いた経験がある」点を共通解釈としており、新卒後でも就職経験がない人材に関しては「既卒者」という言葉が当てはめられることが多いです。

本記事における第二新卒者は、「卒業後3年以内で就職経験がある人材」とした上で話を進めていきます。

第二新卒が注目される理由

  • 採用市場の変動
  • 新卒入社後3年以内の離職

冒頭にて、第二新卒が注目される背景について「採用市場の変動」や「新卒入社後3年以内の離職」を挙げました。この2つがまさに、第二新卒に対する需要が高まっている最大の理由になります。

以下は、マイナビ転職が調査した中途採用状況にて、「今後1年間の第二新卒者の採用見通し」を尋ねた結果、第二新卒者に積極的な姿勢を示す企業が過半数存在します。また、同調査では新卒(第二新卒含む)採用を中心とした若手人材確保の重要性について尋ねたところ、2030年までに重要性が高まると回答した企業も半数を超えていました。※

※マイナビ転職 中途採用状況調査/2016年2月調べ

これらの結果から、「新卒者の採用と採用後の雇用維持が難しくなっている」ことが考えられます。

コロナ禍に関係なく女性の社会進出も進む現在において売り手市場は徐々に落ち着いていくとの見解が多いのですが、依然として売り手市場には変わりありません。この先、新卒採用合戦が激化すれば、きちんとした採用設計を行わないと、中小企業はもとより大企業ですら優秀な新卒者を採用するのに苦戦を強いられます。

そこで、新たな採用ジャンルとして注目され出したのが、第二新卒です。就職経験のある、卒業3年以内の人材には新卒者にはないメリットがあるのです。もちろんデメリットも無視できないので、その点も合わせて整理していきます。

第二新卒者を採用するメリット・デメリット

安定志向が強い現代社会の若者(Z世代)の採用は、企業の知名度や規模にも左右され、中小企業をはじめ、withコロナ、Afterコロナにおける採用市場は激戦が強いられるでしょう。そのような背景からも、第二新卒者の採用に魅力を感じている企業が多いことはさまざまな調査からも明確になっています。それでは、第二新卒を採用する際に得られる企業側のメリット・デメリットはそれぞれどのようなケースがあるのか。ここで詳しく解説します。

第二新卒者を採用するメリット

  • 良い人材を低コストで採用できる可能性が高い
  • 基礎的な業界経験や知識をもつ若手を採用できる
  • 採用後の教育コストを軽減できる
  • 社会人経験があり他社のカラーに染まっていない人材が多い

第二新卒者を採用するメリットは、まず第二新卒採用に積極的な企業はまだ多くないので、自然と競争率は低くなり採用活動にかかるコストが少なく済む可能性があります。第二新卒者にも優秀な人材はたくさん存在しますし、ポテンシャルや意欲だけではなく、ある程度の業界経験や知識を重視した採用活動が可能です。

また、採用後の教育コストについても軽減できる可能性があります。約3年とはいえ社会人経験があるので一般的なビジネスマナーは備わっている人材が多く、経験があるからこそ現場で柔軟に馴染んでくれます。教育にかけるコストが少ないほど、即戦力となったときのリターンが大きいというわけです。

さらに、中途ほどの社会経験はないため、新卒に近いかたちで会社に迎え入れられます。会社の精神やポリシーを染み込ませ、ゆくゆくは責任ある立場で会社を担っていく人材育成が期待できます。

第二新卒者のネガティブ要素に気をつける

第二新卒者の中には、前職の退職理由がネガティブな方もいます。そのため、前職との比較ばかりしたり、ラクで居心地の良い環境を求め受け身体質になっていたりするケースも少なくありません。もちろん、高いポテンシャルと意欲を秘めた人材は数多く存在するので、そこの見極めが大切です。

第二新卒者を採用するうえで気をつけなければならないのは、「採用活動において何を重視するか?」をあらかじめ明確にしておくことです。そうすることで、自社にとってどんな人材を採用することがメリットにつながるのかを判断できるようになります。

第二新卒者を採用する際の注意点

第二新卒者を採用するにあたり注意すべきなのが、新卒就職後3年以内での離職経験があることです。特に注意したいのは、就職後1年以内に離職している人材です。

会社と人材にも相性があるので、たとえ就職1年以内であっても離職するケースはあります。しかし、就業期間があまりに短いと利己的な理由から離職した可能性が高く、自社入社後も早期に離職するリスクがあります。

このリスクを回避するには、採用活動時に次の事項をハッキリさせる必要があります。

  • なぜ離職したのか?(離職理由)
  • なぜ就職活動に失敗したのか?(自己分析の有無)
  • 前職の会社に対する思いは?(責任感の有無)
  • 前職で頑張り続けられなかった理由は?(仕事に対する姿勢)
  • なぜ自社へ入社を希望するのか?(志望動機とマッチング分析)

第二新卒採用は上記のことを明確にしなければいけないので、少々シビアな現場になります。しかし自社と第二新卒者、双方にとって「採用(就職)して良かった」と思える結果にするには必要なことです。

もうひとつ注意点として挙げておきたいのが「転職理由に対してある程度柔軟に考えること」です。

日本では新卒入社した仕事が自分にマッチしていなかったとしても、一度決めた職場でやり通すのが美学とする方も多からず存在します。

一方、海外では仕事をしてみてやりがいや楽しさ、その他のメリットを感じられなかったら早々に転職するのが一般的な見解です。意欲のない人材に長居されても困るので、企業側もこれを考慮した採用活動を行なっています。

第二新卒採用では、どちらかというと国内よりも海外の採用手法や視点で取り組む方が、より効率的に優秀な人材を確保できる可能性が高くなるといえるでしょう。

第二新卒採者の採用方法

新卒採用なら合同説明会への出展、新卒向け特設サイトを作成、インターンシップ制度の活用など色々な採用方法があります。しかし、第二新卒者を初めて採用する企業にとってそれは未知の世界なので、「一体どうやって採用するのか?」と疑問は尽きません。そこで、若年層へのアプローチに有効ないくつかの方法についてご紹介します。

第二新卒採用向けのサービスを利用する

現状まだ多くはありませんが、第二新卒採用向けのサービスを提供する求人サイトがあります。「マイナビ転職などの転職サービス」をはじめ、その他さまざまな転職エージェントの中にも第二新卒向けにサービスを提供しているケースもあるので、そうしたサービスに目を向けるだけで第二新卒採用がグッと身近になります。採用方法に関しては中途採用とほぼ変わらないので、安心して採用活動に取り組めるでしょう。

また、新卒採用向けの特設サイトなどに「第二新卒歓迎」などの文言を加えて、新卒者と同様に採用する方法もあります。

大学のキャリアセンターに連絡する(足を運ぶ)

大学のキャリアセンターは在校生向けのものですが、厚生労働省がまとめた「キャリア形成支援とキャリア教育の理解」の中(大学のキャリア形成支援をめぐる今後の方向性/P27)でも、“卒業後3 年程度はキャリアコンサルティングなどの対象として進路支援を提供すべき”としています。それに伴い、卒業後3年以内ならキャリアセンターを利用できる大学は数多くあります。なので、新卒採用後に離職し、第二新卒者として職を探している人材が集まっている可能性が高いのです。

大学のキャリアセンターに連絡するか、直接足を運んで第二新卒者を募集している旨を伝えられれば、優秀な人材を効率良く見つけられるかもしれません。

新卒採用時にキャリアセンターを利用している企業も多いので、そうした企業の採用担当者は一度キャリアセンターにコンタクトを取ってみましょう。

リファラル採用や採用広報などの手法を活用する

「リファラル採用」とは、自社の従業員から大学時代の後輩や知人を紹介してもらう採用手法のこと。「採用広報」とは、自社で発行・発信しているオウンドメディア(広報誌やWebサイトなど)やSNSを活用して会社の魅力や有益な情報をアウトプットしたうえで求職者に興味をもってもらう、まさにファンを増やす採用活動です。

近年では、どちらの採用手法も導入する企業が増加しています。マイナビが2021年1月に調査した「リファラル採用実施割合」では、企業全体の56.1%が導入しているという結果が出ています。リファラル採用は、順調に採用が進めばコストを抑えることにもつながる点もメリットといえるでしょう。「採用広報」においても、自社に興味・関心のある人材を直接集めることができるため、低コストかつ採用マッチング率を高められるところが魅力です。

採用のニューノーマルになりつつある第二新卒採用

新卒就職後3年以内に離職する人材は、以前ならあまり良いイメージは持たれませんでした。「石の上にも三年」という言葉があるからか、入社後はどんな環境でも3年間は頑張るというのが一般常識だったからです。

しかし、時代と共に採用市場が変化したことで、そうした人材にもスポットライトが照らされるようになり、ポジティブな印象が強い「第二新卒」という言葉をよく耳にするようになりました。今回ご紹介したように、第二新卒者の採用は企業の抱える採用課題や人手不足を解消する新たな手法になる可能性は大いにあります。

第二新卒採用の注意点を把握しつつ対策をしっかりと練れば、新卒採用や中途採用では出会えない優秀な人材を獲得するチャンスを得られるでしょう。

採用手法のニューノーマルとして注目度が高まる第二新卒。採用面において同業他社との差別化に苦戦されている企業や新卒採用や中途採用で失敗した経験がある方々は、ぜひこの機会に第二新卒という新しい選択肢で採用活動を進めてみてはいかがでしょうか?

出典:マイナビ転職「中途採用状況調査

出典:厚生労働省「若年者雇用を取り巻く現状

  • 人材採用・育成 更新日:2021/12/21
  • いま注目のテーマ

RECOMMENDED

  • ログイン

    ログインすると、採用に便利な資料をご覧いただけます。

    ログイン
  • 新規会員登録

    会員登録がまだの方はこちら。

    新規会員登録

関連記事