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主体性がない人の原因とは?特徴や改善方法などを理解して仕事に活かそう!

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仕事をしていると「この人、主体性がないな」と感じる同僚や部下が身近にいる人は少なくないのではないでしょうか。組織は、さまざまな個性が集まってできている集合体なので、価値観や考え方は人それぞれ。しかし、自らの意志で行動できずに、常に指示を待つ受け身の社員ばかりでは、組織が掲げた目標の達成は難しくなってしまうでしょう。そこで、主体性のない人は、なぜそうなってしまったのか。その原因や特徴、改善方法などを詳しく解説していきます。

主体性と自主性の違い

主体性とは、何もないゼロベースの状態から自分の意志で決断して行動すること。

自主性とは、ひとつのテーマ(物事や状況など)に対して率先して行動すること。

つまり、自主性がある人は、決められたことや仕事を率先垂範する存在であるのに対して、主体性のある人は、何もない状態から自身の意思でプロジェクトなどを生み出せるイノベーティブな存在です。主体性と自主性を同じ意味として捉えている方も少なくありませんが、実態はこのように全く異なります。

なぜ主体性がないと感じるのか

主体性の定義は「自分の意志・判断により責任をもって行動する態度または性質」とされています。そのため、主体性がないということは、自らの意志ではなく何らかの指示がないと行動できない受動的なタイプであり、仕事面でいうとロボットにも置き換えられてしまう可能性があります。

主体性がない人のよくある特徴

経団連が実施した「企業が採用選考を実施する際に重視する要素」の調査では、1位がコミュニケーション能力(82.4%)で、2位が主体性(64.3%)という結果がでており、多くの企業が採用ターゲットに求める要素のひとつとして注目されていることが分かります。では、“主体性がない”と感じられる人にはどのような特徴があるのでしょうか。いくつか例を挙げて説明していきます。

責任を取る事を避ける

組織の中には、部下として上司から与えられた仕事だけをこなすのが当たり前という人もいるでしょう。主体性がない人は、仕事はもちろん何事に対しても受け身であるため、自らの意志でアクションを起こさないのが特徴。上司などから与えられた仕事をただこなすだけで満足してしまうので、効率化を図ることや業務改善に取り組むことはせず、何かあった時に責任を取らなければならないような行動を避ける傾向があります。

自己肯定感が低くマイナス思考

自分に自信がないため、例え良いアイデアなどが浮かんだとしても意見や提案を発信することができず、何かと他人を頼る傾向にあります。また、チャレンジすることや自分ひとりの力で成功した体験がないため自己肯定感が低く、一度失敗しただけで、何をやっても無理だというマイナス思考が常態化してしまうのです。

意思決定力に乏しい

困った時は、相手に決めてもらうことが多い。そのため、選択を迫られても「どちらでも構わない」「何でもいい」というのが口癖になっているケースが多くあります。これは、相手を尊重して“あなたが決めていい”と促しているのではなく、自分自身が意思決定することで責任を負いたくないというのが本音である場合がほとんどです。

周りからの評価を気にする

自分が意見することによる失敗を恐れるだけではなく、嫌われたくないため発言や行動も消極的になりがちです。何事に対しても臆病になり、意思の弱さから周囲の意見に合わせることが当たり前になってしまうことも。また、基本的に小心者が多いので、常に人の目を気にしすぎてしまい「自分をさらけ出したらどう思われるのだろう」ということばかりを考え、不安になってしまいます。

モチベーションが低い

仕事はもちろん、自分が立てた目標に対しても無気力で向上心がないのは、主体性がない人の典型的な特徴です。責任をもって自ら行動する経験が少ないので、達成感などを味わうこともなく、ゴールするまでのプロセスに価値観を見いだすことができません。そのため、苦労してまで頑張る必要はないというスタンスになり、モチベーションはどんどん低下してしまうのです。

なにが原因で主体性がない人にさせるのか

育ってきた環境や過去の出来事、体験などによって人の価値観や考え方は変わります。主体性に関してもそれは同じで、幼い頃や社会に出るまでは自ら考えて行動に移せていた人が、何らかの原因によって意欲的な姿勢から消極的で受け身なタイプになってしまうケースも少なくありません。主体性を無くしてしまう原因は、一体どのようなものがあるのでしょうか。いくつかの例をご紹介していきます。

周囲の人間関係により受ける影響

周囲に責任感がある仲間やリーダーシップに長けた上司がいると、指示に従う機会が多くなります。どんな時でも率先垂範しながら指示を出してくれて、たとえ失敗したとしても責任を負うのはその仲間や上司。そんな人間関係に甘えてしまうと“楽をする”ことに慣れてしまうので、主体性の低下につながる可能性が高まります。

また、周囲に威圧的な人や我の強い人がいると、恐怖を感じて委縮してしまう場合や、意見しづらく我慢することに慣れてしまう場合もあります。そうした支配する側とされる側で成り立っているような環境では、弱さを痛感して自信をなくし、「怒られたくない」「否定されたくない」という怯えから、想いを発信することができなってしまう。それもまた、主体性が失われる原因のひとつです。

プライドの高さが邪魔をする

「失敗して笑われたくない」「妥協はしたくない」というようなプライドが高い人は、完璧主義になりがちで、不利な状態になりそうな時は逃げることを選択してしまうことがあります。要するに、何よりも自分自身のメンツを守りたいので、傷つくことや馬鹿にされない行動をするようになってしまうのです。そのため、失敗することや責任を負うことにも、他人が責任を負うことにも無関心。こうした自分本位の考え方の状態により、主体性は消滅してしまうでしょう。

過去のトラウマによるメンタル不調

幼い頃に強く怒られたり、大勢の前で注意されたりした経験がトラウマとなり、仕事でも上司や先輩から指摘されるとすぐに委縮してしまう人も珍しくありません。こうした、過去に負った心のダメージによって、打たれ弱く意見が言えなくなってしまい、無理をして自分の考えを通したり、他人と衝突することから逃げるようになる。その結果、ダメージの少ない道ばかりを選択する、主体性のない消極的な生き方になってしまうのです。また、自分の考えを抑え込み言われたことに従い続け、何かにトライすることから離れる日々が増えることも、主体性が徐々に削られてしまう原因といえます。

主体性がある人にする方法

働き方の多様化が進む中で、生産性の向上や仕事の成果が今まで以上に重視されています。つまり、企業が主体性のある社員を増やすことは、これからの時代を生き抜くために必要な経営戦略のひとつになるといっても過言ではありません。その実現に向けて、まずは主体性がない人の特徴や原因をしっかりと理解したうえで、何らかの対策を練る必要があります。ここからは主体性のなさを克服する方法をご紹介していきます。

方法1:自ら選択し決断をすることにトライする

断定的な発言を避けてきたことによって「なんでもいい」「どちらでもいい」が口癖になっている人に対しては、“自ら決断すること”を経験させる方法が有効です。まずは、“AとBの仕事をどちらから進めるか”などの簡単な決断からスタートするといいでしょう。その繰り返しによって、客観的に物事を捉えて自ら判断しつつ、なぜその決断をしたのかという根拠を示せるようになる。積み重ねた実績は自信へと繋がり、主体性が育まれていくのです。

方法2:内なる考えや意見を外に発信する

自ら行動を起こすのではなく、指示を受けることが常態化してしまうと、提案や意見を発信する機会は極めて少なくなってしまうでしょう。中には、仕事や組織などに関して考えることすら無くなってしまった方もいます。これらの状態を改善するためには、決断する機会を増やすトレーニングを続けることで得られる「根拠」がキーポイントになります。

物事を決断したり判断したりするうえで必要となる根拠は、自分の意見に自信と説得力を与えてくれます。そこで得られた意見は、言語化しやすく、しっかりと相手に届けることができるでしょう。企業側は、社員が発した意見が周りと違ったとしても、“いろいろな意見が発せられることで組織は活性化される”ということを社員のみなさんに伝えてあげてください。

方法3:自分の目標は自分で立てる

主体性がない人は受け身であるため、自ら考えて計画を立てることに苦手意識を持っているケースが多くあります。つまり、成長意欲やキャリアプランがないこともあり、自らの目標設定をすることにとても苦戦します。自分から行動するということに慣れるためにも、まずは1週間や1ヵ月といった短いスパンで目標を設定してみましょう。

“達成に向けて何をするのか”などのプロセスもしっかりと設定し、それぞれの行動に対して期限を定めることが大事です。ゴールの時期設定だけではなく、小さな行動目標に対する期限を設けてもらうことで、進捗確認や今後の行動量やスピードを含め、戦略的に物事を考える癖付けができるようになります。

方法4:得意なことを伸ばし自信をもつ

ネガティブに物事を考えがちで、自分に自信がないから主体的に行動できないという悩みをもつ方もいます。そのため、得意とする業務や好きな分野の知識を伸ばすことに注力するといいでしょう。例えば、オフィスソフトが得意な人はさらにそのスキルを専門書で学んだり、資格取得のために勉強を始めたり、苦手なことを克服するのではなく、得意なことや好きなことを伸ばすことから始めると効果的です。

他者に勝る強みに磨きがかかれば、それが自信になりパフォーマンスも向上。社員一人ひとりの強みが交われば、企業にとっても大きな強みになります。

方法5:主体性のある人とペアを組む

自らの意見や考えを発信しつつ、行動に移せる主体性の持ち主は、普段見えないところで色々な工夫や対策を練っています。近くにいなければ分からない努力や姿勢に、主体性のない社員が触れる機会をつくるのも有効な方策といえるでしょう。

ペアを組み、日々の行動を共にし、会話を増やすことで少しずつ吸収できるものを増やしていく。今までにない発見があれば、仕事の流れがルーチン化してしまっている社員にとっての刺激になり、行動変容や組織全体の活性化にも繋がります。

人事が取り組めるオススメの方策

新入社員をはじめ、組織内のあらゆる部門で働く従業員との接点が多い人事部門。従業員が自らワクワクするようなモチベーションを高める方策について、常日頃から考えていらっしゃると思います。そんな従業員の主体性や自主性を向上させる取り組みとして、「カルチャーコード」の作成が注目を集めています。

カルチャーコードとは、その企業や組織の文化によって導き出された“行動指針”のこと。ポイントは、企業側からのトップダウンではなく、従業員たちが意見を出し合って定めるボトムアップ型の行動指針という点です。人事がオーガナイザーとなり、従業員が主体となって考え、設計することで、改めて組織の魅力や目的、自分たちの存在意義を再確認できます。従業員数の多い企業では、部署ごとにカルチャーコードを定めると良いでしょう。また、カルチャーコードの作成プロセスに関わった一員としての自覚が芽生え、行動指針に則った行動を自分ごと化して捉えられるようになり、組織に強い一体感を生む効果も期待できるでしょう。

社員の主体性を育み組織力を高めましょう

新人研修や各種支援制度など、社員が働きやすい環境づくりは多くの企業の中で進められており、ここ数年で大きく改善されてきました。悪質な労働環境や過度な残業にもメスが入り、テレワークや副業などがますます活発化するでしょう。

これから先の社会は、働き方だけでなく働く場所や時間などの選択肢が増え、社員一人ひとりの裁量も増えていくことが予想されます。従業員エンゲージメントの向上などに注力することはもちろん大事ですが、人材の流動化が加速する中で、今いる社員がより主体性をもって働けるように取り組むことが重要です。ぜひこの機会に、課や部署などの小さい規模から主体性を高めるメソッドや環境づくりにトライしてみてはいかがでしょうか。

出典:日本経済団体連合会「選考にあたって特に重視した点」より

  • 労務・制度 更新日:2021/12/07
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