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今こそUターン学生にアプローチを ―オンライン就活の波に乗る

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令和2年度の 学校基本調査によると、全国の大学生・大学院生の43.6%が関東エリアの学校に、20.7%が関西エリアの学校に通っています。もし現状、自社への応募学生のほとんどが近隣の都道府県からなのであれば、全国の学生へアプローチを広げてみませんか?コロナ禍での就職活動のオンライン化は絶好のチャンスといえます。
「2022年卒マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査」によると、57.8%の学生が地元(Uターン含む)就職を希望しています。2017年卒対象の調査以降、地元就職希望率はゆるやかに下降していましたが、5年ぶりに増加に転じました。この調査の対象となっている2022年卒の学生は大学3年に進級する少し前からコロナ禍に置かれました。在学中に価値観が変わったことを示すものとして、大学(大学院)に進学した際の地元就職希望は50.9%でしたが、就職活動をしている現時点での希望は6.9pt増加しているのです(図1)。
要因として考えられることは2点、①就職活動のオンライン化で都市部企業の選考と同時並行で地元企業を受けるスケジュール組みが可能となったこと ②リモートワーク・テレワークが推進され、場所にとらわれず働ける可能性が高まっていることが挙げられます。

まず①について、例年地元就職希望の学生が懸念していたのは地元までの交通費・時間でした。その都度、新幹線や飛行機などに乗って移動するのは負担が大きく、時間の制約も枷となっていました。しかし、コロナ禍でのオンライン化により事情は大きく変わり、むしろ、今日ではコロナの終息が見込めないにもかかわらずオンライン対応していない企業については「選択肢から外れる」といった事態も起きています。対面で説明会を開催する企業には「なぜ対面で実施するのか」、納得のできる理由を学生は内心で求めている程です(図2)(図3)。

②について、学生アンケートでは、働く場所が自由になった際の理想として「地方に住みたい」は57.0%で前年比2.2pt増加、「東京に住みたい」という学生は12.7%で前年比2.4pt減少しました(図4)。コロナ前はオフィスに出社することが大前提であり、都市部に企業が集中しているため必然的に都市部の企業が選ばれてきました。しかし、インターネット環境があれば自宅でも仕事ができる、毎朝満員電車に乗って出社する必要がない、というのであれば話は変わってきます。家族、地元の友人、生まれ育ち慣れ親しんだ土地での生活は、一度進学で離れた学生にも魅力的に映ることは確かです。また、年齢を重ね、いつコロナウイルスにかかってしまうか分からない親族の近くにいたい、というのも地元就職を志向する一つの要素です。
より多くの学生に応募してもらうためには、採用選考スケジュールや採用選考方法を分かりやすく開示していくことが重要です。例えば、新卒採用を行っているのかがそもそも分からないような企業は、その時点で学生が受験候補から外してしまう可能性が高いです。他にも、書類選考が履歴書なのかWEBのESなのか、面接が対面なのかオンラインなのか明記されていない等、些細なことでも積み重なると学生は離脱していきます。コロナ禍でなかなか詳細を決められないケースもあるかと思いますが、決まっている事項からHPや就職情報サイトに明記しておきましょう。未定の場合は「いつ頃決まる予定か、決定後の連絡手法(電話・メール・マイページ等)」を知らせておくと、選択肢から外れる可能性を減らすことができます。あわせて問い合わせ先(電話番号やメールアドレス)を載せておくと、より親切です。学生がスケジュール帳にメモできるような、できる限り具体的な情報を、決定次第タイムリーに公開していきましょう。
「都市部の大学に通う学生が、本当に地元に帰って自社に入社してくれるのか?」という不安・疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。入社の意思決定に向けてもう一歩踏み込んで考えてみたいと思います。学生の志望度を高めるには、学生が「その地のその会社で(長い期間)働いていくイメージ」を持てるかがカギとなります。都市部の企業であれば給料・求人数・出会い等が多く望めます。生活費は高くつくかもしれませんが、大学の先輩が社会人として実際に生活している様子が何よりの信頼できる証拠です。では地元企業で同じように社会人生活のイメージを持ってもらうためには、どのような工夫をすれば良いのでしょうか。第2回インターンシップアワードで多摩大学の初見康行准教授はこう述べています。



(志望度を高めるインターンシップに共通していたコンテンツとは)

社員との交流をさらに「人数」「時間」「多様性」をいう切り口から見たとき、唯一統計的に有意と出たのは「多様性」だった。社員との交流をセッティングしたとき、より効果を発揮させるには、若手社員、中堅社員、管理職・マネージャー層、もしくは役員・社長といった多様な層との接点を持たせることが良い影響をもたらす(https://internship-award.jp/conference2019/report-10/
進学で地元を離れた学生が「地元での社会人生活」をイメージするには、実際にUターン就職をして働いている人、Iターン就職をして働いている人など、様々なバックグラウンドの社員の話が有効です。こういったプログラムはオンラインでも実施可能です。社内で協力を仰ぎ、ぜひ実施を検討してみてください。
      • 人材採用・育成 更新日:2021/05/25
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