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大手企業を悩ませる中途採用面接のドタキャンと内定後の辞退。

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マイナビ転職が2015年3月に実施した『中途採用(正社員募集)に関するアンケート調査』では、大手企業は応募者の確保はできているものの面接のドタキャンと内定辞退に悩んでいる実態が浮き彫りになりました。

中途採用面接のドタキャン率、大手企業の2割が40%以上と回答

マイナビ転職の同調査によると、中途採用活動において中小企業が応募者確保段階で苦戦しているのに対し、大手企業は応募者の確保はほぼできているものの、中途採用面接時のドタキャン(連絡もなく面接に来ない)に悩んでいる様子がうかがえます。

従業員数1000人以上の企業では、8割は面接のドタキャンを経験、40%を超えるドタキャン率は2割を占めることが確認されます。(図1参照)

大手企業の面接ドタキャン対策、こまめに連絡をとる以外の得策はなし?

では、どのように面接のドタキャン防止策に取り組んでいるのでしょうか?

同調査によると、1000名以上の大手企業では「ドタキャンするような人材は不要」と割り切っている企業もありますが、「事前にこまめに連絡をとる」ことが対策の大半を占めています。
「食事付き」「車で送迎」といった策も出ていましたが、こまめな連絡以外にこれといった対策が見つからないのが現状のようです。

一方、ドタキャン率の低い中小・中堅企業の面接ドタキャン対策を見ると、単に事務連絡をとるだけでなく、「極力、メールのみのやりとりはしない」「電話の際に少し世間話のような会話を入れる」といった面接前から密にコミュニケーションをとり、努めて距離感を縮めようとする動きが見られます。中には確約書を締結する企業もありました。

また、知り合いや縁故からの紹介を優先して、応募段階でドタキャンをしない人材を確保している企業も見られます。応募から面接日までの期間中のコミュニケーションをいかに組み立てるかが重要であると考えます。

中途採用(正社員募集)の面接ドタキャンを減らす取り組み
(従業員数999人以下の中小企業より抜粋)

面接前の密なコミュニケーション

  • 面接前には本人へ連絡している(医療・福祉)
  • 面接以前に数回の接触を試みている(不動産・建設・設備)
  • 極力、メールのみのやりとりはしない(製造・商社)
  • 電話の際に少し世間話のような会話を入れる(サービス・レジャー)
  • 採用希望者の将来の希望や課題など、個人的なことでも聞けることは効く(その他)
  • 入社する意思の確認と確約書の締結(金融・保険)

信頼できる求職ルートの確保

  • できるだけ、知り合いや信頼できる人からの紹介や情報を重視する(その他)
  • ハローワークよりの紹介者の当日キャンセルが多い為、知人・社員からの紹介も並行して受け付けている(製造・商社)
  • 縁故で募集に繋げるなど、行きずりではない人間関係による募集を優先する(サービス・レジャー)
  • 紹介者に同伴で来社してもらう(不動産・建設・設備)

内定を出した後も、安心はできない!内定辞退防止策のあの手この手

マイナビ転職の同調査では、中途採用の内定を出した後の辞退率についても聞いています。従業員数1000人以上の大手企業では、2割強の企業において21~40%の内定辞退率が発生しています。内定を出した後も安心できるとは限らないようです。

内定辞退を減らすための取り組みは、企業規模問わず各社様々な工夫が見られます。

中途採用(正社員募集)の内定辞退を減らすための取り組み(抜粋)

内定後のスピーディーな対応

  • 最終面接後、出来る限り早期に内定を出す事。(その他)
  • 内定後の面談実施(その他)
  • フォロー面談(その他)

自社のアピール

  • 出来るだけ面接時に会社の魅力をアピールしています(製造・商社)
  • 弊社に入りたいと思われるように面接・面談する。(製造・商社)
  • 入社後の昇進プランなどを教える(運輸・交通・物流・倉庫)

早期の職場コミュニケーション

  • 早い時期から研修生として会社に来て貰う(IT・通信・インターネット)
  • インターン制度(製造・商社)
  • 職場見学、食事会(製造・商社)
  • 旅行付き(金融・保険)
  • 近しい業務を行っている社員との面談や食事会(サービス・レジャー)

早めの内定報告はもちろん、面談時には自社のアピールが意識的に行われています。内定報告後は、職場見学や一緒に活動するメンバーとの食事会を設定することにより、自社の社員としての意識を早めに醸成し、他社に移られないようにする意図がうかがえます。

内定後は採用担当者だけでなく、関係部署含めた職場全体をあげての協力体制が求められていると言えるでしょう。

今後の大手企業の取り組みについて

ここまでは中途採用担当者側の状況を取り上げてきましたが、実際に転職を考えている人は転職先に何を求めているのでしょうか。

マイナビ転職が2014年7月に20〜39歳の会社員を対象に実施した『仕事に関する意識調査』の回答では、転職すると仮定した場合の「転職先の条件」として「給与や福利厚生が良い」(65.0%)が最も高く、次いで「休日や残業時間などの待遇が良い」(51.8%)、「職場の人間関係が良い」(49.0%)の順に続きます。
一方「企業規模や知名度がある」は13%と最も低く企業規模は重視していない結果となっています。(図3参照)

上記『仕事に関する意識調査』の結果を見ると、大手企業へは「大手企業だから」ではなく、給与・待遇面が評価されて応募者が確保されている。ただし、より条件がよいところ、あるいは同条件でも職場の人間関係がよさそうなところがあればすぐに移られてしまうことが想定されます。

大手企業だからといって人材紹介会社へ任せっきり、必要最低限の事務連絡のみといった待ちの姿勢では欲しい人材の確保は難しくなると思われます。
面接までは人事採用担当者のコミュニケーション力、面接時は関係部署マネジャーのアピール力、内定後は関係部署メンバー巻き込んでのアピール力と、人事部門だけでなく職場全体の対応力が必要とされています。

  • 人材採用・育成 更新日:2015/05/27
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