人事担当者必見!経営者感覚を持ったHRになるためのMBAとは?
MBA(Master of Business Administration、経営学修士)というと、企業経営に関する知識やノウハウを高レベルで学ぶ、というイメージが強いのですが、専攻分野には、マーケティング、ファイナンス、情報管理など、さまざまな選択肢があります。
HR(Human Resources)もそのひとつ。そもそもMBAとはどんなプログラムなのか、HRを専門にするとはどういうことか、またそのメリットについてまとめてみました。
1年目はビジネス全般について学ぶ
MBAのプログラムのなかで、最も一般的なのが2年制のフルタイム・プログラムです。ビジネススクールや年次によって多少の違いはありますが、2年制プログラムの最初の年は、通常、次のような科目を中心に学びます。
- アカウンティング
- ファイナンス
- マーケティング
- オペレーション
- マネジメント
- ビジネス倫理
- 事業戦略
- 組織行動論
- データ分析
- 意思決定論
- ビジネスコミュニケーション
- 国際ビジネス
このような経営全般に関する科目の履修によって、経営についての考え方や必要とされる知識・能力などを身につけます。専門分野を学ぶ前の基盤づくりと考えればよいでしょう。
2年目は専門分野を選択
1年目で基盤をつくったあとは、いよいよ専門分野における知識や実践力の習得です。HRを専攻分野として選択する場合、この2年目から専門のカリキュラムを受けることになります。
HR専攻のカリキュラムは、例えば以下のような科目から構成されており、人事スペシャリストとして経営層や管理職レベルの職務を遂行することを念頭においた内容になっています。
- 人事戦略立案
- 報酬・人事予算の総合管理
- 人材獲得・育成
- 人事に関わる法務
- 保険・福利厚生
- 倫理問題
- 交渉スキル
- コンサルティングスキル
- コーポレートガバナンス
- チームワーク・リーダーシップ形成
以上のような科目を受講するほか、地元企業を訪問したり、数か月にわたるプロジェクト研究をしたりする場合もあるそうです。
どんなメリットが得られるか?
MBAプログラムの特徴のひとつは、実際のビジネスの世界で役立つ思考法や解決能力の習得を重視していること。HR専攻の場合も例外ではありません。ビジネスケースの実例を検証したり、問題の解決策を考えたりすることで、実践力を身につけます。
また、人事の立場からビジネスや経営全般を俯瞰する視点が養われること、人事の専門知識を深められること、などのメリットも。それによって、ビジネスリーダーとして活躍したり、転職・キャリアアップを成功させたりする可能性を広げることができるといえます。
パートタイムやオンラインで学ぶ選択肢も
MBAのプログラムにはフルタイムのほかに、パートタイム、オンラインコース、エグゼクティブ向けコースなど、いくつかの種類があります。
MBA取得のために仕事を辞めることはできないという場合は、オンラインのプログラムを検討するのも一手です。また、既にマネジメントレベルの職位についている方なら、経営リーダーとしての意思決定や、リーダーシップなどを学ぶエグゼクティブ向けのプログラムを選ぶとよいかもしれません。
時間、費用、英語力など総合的に考えて判断
HR専攻のMBAは、「人事スペシャリストとしてキャリアアップしたい」「人事トップを目指したい」「経営陣のひとりとして人事に関わりたい」という人に向いています。
ただし、取得までにかかる多額の費用と時間、かつ非常に高度な学習内容に取り組む意欲が不可欠。また、アメリカやイギリスのビジネススクールで学ぶには、当然のことながら授業内容を理解したり、ディスカッションに参加したり、プレゼンテーションをしたりするのに十分な英語力が必要です。
MBAの取得を目指すのであれば、今後のキャリアプラン、特に学びたい分野(例:トレーニング、労使など)、経済状況、自己の適性などを総合的に考慮して判断するとよいでしょう。
- 労務・制度 更新日:2015/08/04
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