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歴史上の人物に学ぶ人材マネジメントPART1 織田信長 編

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人事・採用といった活動は、今に始まったことではなく、世の中が変わっても本質がそれほど変わるものではありません。歴史上の人物に人事の極意を学ぶシリーズ、第一弾です。

あなたの会社の経営者、タイプは?

しばしば、ほととぎすの句に例えられる武将のタイプ。 長い目で多様性を重視しているフェーズの会社もあれば、攻撃を一点に集中させて急成長が求められている会社もあります。また、時代の過渡期になんとかして天下を取ろうとするフェーズか、天下統一後に安定の広まりを目指すのか。たいていの経営者のスタイルは、悠久の日本の歴史に行き着きます。
高度経済成長のビジネスモデルが崩壊し、新たな秩序が生まれようとしている今は戦国時代、それも最初に前例のない激烈な動きで天下を統一した織田信長をお手本にするのが相応しいのかもしれません。信長も一人きりで頑張ったわけではなく、さまざまな家臣を使って天下統一を成し遂げました。ここでは、信長をモデルに、信長タイプの経営者にとってどんな人材が必要なのかを考察します。

若い信長型経営者を経験と人脈でバックアップする明智光秀型人材

高貴な家の出で、和歌や茶の湯をたしなみ、信長に引き立てられ認められながらも最後には火を放った、信長よりも年上の光秀。認められることで忠誠は上がりながらも、その暴虐に耐えかねて最後には信長を手にかけることになります。

現代の企業にとっても、さまざまなフェーズがあります。将軍・足利義昭とのパイプ役としても期待された光秀のポジションをベンチャー企業で例えてみると、若いベンチャー社長のお目付役にもなりえる、幹部候補人材のポジションにあたるのかもしれません。若き熱情にあふれたリーダーと、年上のより実績ある社員の関係は、得てして主導権争いになりがちなのが普遍的摂理。光秀のような人材を採用するのであれば、信長との関係性に学ぶ部分は大きいでしょう。勢いを武器に敵を作って事業をガリガリ進めてゆくと、その尻拭いをしているパートナーの不満は知らぬ間に高まり、最後には敵に回ってしまいかねないという一面もあります。

逆に、この史実を踏まえ、経営者にとってこのような人材との付き合い方は、その懐に甘えることなく、尊重し、適切な距離を保つことと言えます。それがうまくいけば、信長の天下統一までをサポートしたように最高のパートナーになり得ます。

信長型経営者を、忠実な勤労で支える秀吉型人材

百姓の身分から足軽、下級武士、そして大名へと成り上がった秀吉。光秀よりは冷遇されながらも、与えられたチャンスを最大限に活かし、最終的には信長の後継者になりました。たとえ見下されても、どんな辞令にも従う秀吉は、上司からすると理想的な部下と言えるかもしれません。たしかに秀吉は、自らがのし上がるために尽くしたわけで、忠誠心があったかはわかりません。光秀が信長を手にかけなければ、秀吉がそれをしたかもしれません。しかし、存命の間は、自分のポジションの中で120%の忠実な努力をし、自分の存在意義を最大限に活かしたことは間違いありません。
現代で例えれば、業界内キャリアも学歴もない野武士的人材。「ゼロからなんでもやらせてください!」というタイプと言えるでしょう。若きベンチャー社長は、こうした人材にシンパシーを感じて登用するかもしれません。どんな扱いをされても、結果的に信長を手にかけることはなかった秀吉型人材。うまく育てることができれば、後継者にもなりうることを歴史は示しています。

敵を知り、己を知れば百戦危うからず。

自らの会社と経営者のタイプを見抜き、そして面接で向き合う人材を見抜く。これが、常に戦国時代であるビジネスを生き抜く秘訣です。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。採用の際にも、歴史の中に普遍的ヒントが常に隠されています。歴史とは、決して断絶された書物の中の出来事ではありません。いま目の前で行っている事業もまた、一挙手一投足が一秒後には歴史となると考えると、より人材採用も面白いものになるかもしれません。

  • 労務・制度 更新日:2015/04/30
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