veticaトップディレクター・内田聡一郎|採用責任者の視点
ある分野で成功を収めた人物は、自分ならではの哲学を持っているもの。長いキャリアの中で培った感覚や経験値を活かし、成功を導いています。では、そんな人物が採用活動をする際には、いったい何を意識するのでしょうか。
「企業の経営者やマネージャーが、採用面接においてチェックしている3つのポイントを知る」という趣旨の連載企画。第5回目は、原宿の人気サロンveticaのトップディレクターを務め、2018年春に新サロンLECOをオープンする美容師・内田聡一郎さんに迫ります。
新規店舗を立ち上げるにあたり、内田さんは現在進行形で採用活動を進めているとのこと。今やアイコン的な存在となった内田さんに、採用で重要視する求職者の要素を伺いました。
内田:対面時に伝わってくる温度感はもちろん、履歴書の文章にも意志はにじみ出ます。強い想いのある人は、真っ直ぐ僕をめがけて気持ちを伝えようとしていることがわかるんです。
実際、憧れの気持ちから応募してくれる人もたくさんいますよ。それはそれで嬉しいことですが、僕は美容師として一緒に働いてくれる人材を探しているのであって、決してファンに囲まれて仕事をしたいわけではないんです。僕の店で働くことで満足してもらいたくもない。だから僕は、そういう憧れや会社愛みたいなものはあまり考慮していません。
ここで美容師をやることをひとつのステップと考え、“最終的に自分がどんな存在になりたいか”という意志を主張してくるような人は、やはり魅力的に映りますね。
▲カオティックオリジンダブの大人気シザーケース「801N」を、vetica 内田聡一郎さんが監修したコラボレーションシザーケース「801U」。内田さんが細部までこだわり抜いて制作した逸品だという。彼の仕事への情熱は、こういった部分にも表れている。画像は https://www.chaotic-o-d.co.jp/user_data/brands/chaoticScissorsCase/801u.php より。
内田:僕自身、原宿に来て「自分があまりにも無個性である」という現実に直面したからです。もともと僕は目立たない子どもで、個性のなさにコンプレックスを抱き、貪欲にかっこよさやおしゃれを求めるようになりました。DJをやるようになったのも、そのためです。
僕の場合、いわば“サンプリングによって作り出した個性”というか、決して元からオリジナリティーがあったわけではありません。才能のある人からセンスを学んだり、いろいろなエッセンスを吸収したりして、今の自分があります。
そして、その自分ならではの個性をブランドとして打ち立てていくことで、ファッションモデルや美容師として生きてこれました。だからこそ、ここで美容師をやるにはブランディングが重要だと感じるわけです。
※「サンプリング」……既存の楽曲や音源の一部を切り取り、新しい楽曲に組み込む音楽の手法。DJなどでしばしば使われる技術。
- 人材採用・育成 更新日:2018/03/13
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