良い人材が来ない原因は“PR”不足! プロ広報が教える、採用力向上ブランディング術
多くの中小企業は、採用において「応募が集まらない」という課題を抱えています。この状態では、どれほど書類選考を頑張っても、面接に力を入れても、なかなか良い結果には結びつきません。
では、“なぜ”人が集まらないのでしょうか。自社と同じような事業内容・福利厚生の企業であっても、応募がたくさん集まっているところはあるはずです。その企業と自社は何が違うのでしょうか?
その理由として考えられるのは、自社の“ブランディング不足”です。「この企業がどのような企業で、どんな魅力を持っているのか」が求職者に伝わっていなければ、数ある企業の中から選んではもらえません。人は、興味のない企業に応募しようとは思わないからです。
そこで今回は、「どうすれば自社のブランディングが上手くいくのか」を広報のスペシャリストに教えてもらいましょう。ご登場いただくのは、化粧品会社であるドクターシーラボの広報グループ長、ファッションアプリを開発・運営するVasilyの広報マネージャーを歴任した後、現在はフリーランスとして多くの企業のブランディングを成功させているプロ広報・井関紀子さんです。
採用につながる企業ブランディングとは何か。その秘訣を探ります!
井関:実は、偶然ではありません。メディアがダイエット部を取りあげてくださった一番の要因は、先ほど話した“時代の流れ”にあります。
ダイエット部が始動した2013年頃は、「社会保険が破綻するのではないか」と言われ始めていた時期です。その前提があったため、“健康”のために努力している企業は、メディアとしても取り上げやすかったんだと思います。
このように、「世の中で何が話題になっているのか」をキャッチして、それに関連して自社の情報を発信する。それを意識するだけでも、メディアから取り上げてもらえる確率はずいぶん上がるんです。加えて、この「見せ方を工夫する」ということが、自ずと企業のブランディングにもつながってきます。
井関:はい。例として、私がVASILYで広報をしていた頃の話をしましょう。VASILYは「iQON」という、ファッションに関する情報を網羅的に得られるアプリを開発・運営していました。私は、単にそのアプリの機能を発信するだけではなく、「iQONによって、どんな世界が実現するのか」を意識的に発信してきました。
具体的には、「iQONによって、それまではあまり売れなかった商品が爆発的に売れるようになった事例」を積極的に紹介し、このアプリが世の中にどれだけ影響を与えているのかを伝えていたんです。
その情報は、若い求職者やモチベーションの高い求職者にとっては非常に大きな意味を持ちます。そうした人々は「自分自身の仕事が、どれだけ社会に貢献しているのか」に強い関心があるからです。
その企業が実現しようとしている未来を、丁寧に発信する。そうすることで、自ずと採用につながるブランディングは実現できるのではないでしょうか。
- 人材採用・育成 更新日:2022/12/12
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