面接で嘘をついている相手を見抜く|ヒアリングの技術
身も蓋もない話ですが、面接には“小さな嘘”がつきものです。なぜなら、求職者は目の前の採用面接に合格できるよう必死のため、自分の熱意や実績を伝えようとするあまり、話を“盛る”傾向にあるからです。
こうした誇張された話を引き剥がし、求職者のポテンシャルを正確に推し量るには、徹底的にヒアリングして掘り下げていくしかありません。
そのための基本的なやり方は、王道ではありますが、「徹底的にロジカルに聞いていく」ということです。相手の主張する内容に、「それはなぜなのか」「どのように実現したのか」「それはいつなのか?」など、いわゆる5W1Hを意識しながら質問してください。
そうすると、どこかでスムーズに答えられず、あやふやになる場面が出てきます。そういった場合、嘘をついているか、喋っている内容に自信がないかのどちらかと判断して構いません。これだけだと少しわかりづらいので、会話の実例を挙げながら質問の仕方を紹介していきます。
● 具体的な事例を聞いていく
求職者「前職では、Webサービスの海外進出を推進・サポートする部署に所属していました」
面接官「なるほど。では、具体的にどのような業務内容だったのか教えていただけますか?」
● 具体的な数値や名称で答えさせる
求職者「はい。具体的には、現地のクライアント様との交渉・調整やサービスのローカライズなどを担当していました」
面接官「月に何回くらいクライアント様との交渉がありましたか?あるいは、もし差し支えなければ、どんな取引先があったか教えていただけますか?」
● 目的を達成するにあたり、工夫したこと、苦労したことを聞き出す
求職者「大体、月に10回ほど交渉のためのミーティングを実施する機会がありました。取引先企業は◯◯◯、△△△、□□□などです」
面接官「その業務を務めるにあたり、工夫したことや、苦労したことなどはありましたか?」
● 理由や根拠を徹底的に掘り下げる
求職者「他国の企業との調整作業では、自社の担当業務とそうでない業務の線引きを明確にし、それを書面に残すことを心がけました」
面接官「なるほど。では、なぜそういった作業が重要なのでしょうか?」
求職者「日本と異なり、海外企業の多くは『契約書に書かれていることだけをやる』という文化が強いです。そのため『これはやってくれと言わなかったけれど、きっとやってくれるだろう』という憶測でプロジェクトを進めてしまうと、失敗してしまうケースがあるからです」
といった具合に、どんどん掘り下げていきます。今回の事例ではしっかり受け答えができていますが、嘘をついていたり、話を誇張していたりする場合、たった数回のやりとりで回答があやふやになってしまうのです。
心理学の本などにもよく書いてあることですが、人間は後ろめたいときや嘘をついているとき、無意識のうちに表情やしぐさに出てしまいます。採用面接の場は、特に求職者側が緊張しやすいシチュエーションなので、そのような動作が表れやすいです。例えば、以下のようなケースは要注意となります。
求職者の話におかしな部分があったら、徹底的に聞き出すために質問を継続しつつ、相手の表情や仕草に目を配ってみてください。質問への回答内容とあわせてチェックすることで、回答の真偽を見破りやすくなります。
- 下を見る。目線を合わせようとしない。
- 突然、饒舌になったり、早口になったりする。
- 突然、黙りこんでしまう。話のテンポが悪くなる。
- やたらと体の一部に手をやる。
求職者の話におかしな部分があったら、徹底的に聞き出すために質問を継続しつつ、相手の表情や仕草に目を配ってみてください。質問への回答内容とあわせてチェックすることで、回答の真偽を見破りやすくなります。
- 人材採用・育成 更新日:2018/09/04
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