時間単位での有給休暇とリフレッシュ休暇の導入――ワークライフバランス2.0
小さなベンチャー企業なので、ワークライフバランスを考える以前に、社員の採用と定着率の向上が大変でした。大企業と比べてよい条件が出せるわけではなかったので。
最初にワークライフバランスという言葉に近い動きを取ったのは、今から10年以上前です。社員はみんな20〜30代だったので、各々のライフスタイルにおいて、恋愛をして、結婚をして、子を持つというのが同じ時期に重なっていたのです。
私自身は結婚が早く、最初の子供が生まれたのが23歳の頃でした。子育てをするのは大変だとわかった一方で、せっかくだったら自分も子育てに参加したいという気持ちもあって、休みを取ってみようと思ったのが一つのきっかけでした。そういう背景からワークライフバランスという言葉に興味を持つようになり、自社でも改善の取り組みをしていくことにつながったのです。
2006年頃からワークライフバランスの施策を導入しました。この時は、育児休暇の取得にフォーカスを当てすぎてしまい反省しました。現実的には、子育てをし始める社員はほとんどいなかったのです。
それと、大企業のワークライフバランスの取り組みを参考にしようとして、いろいろな制度を取り入れすぎたかもしれません。中小企業が大企業の真似しても、うまくいくわけがないのです。そうしたこともあって、ワークライフバランスという旗を下げていた時期があります。
私自身は子供が5人いるので、毎日いろいろなことが突然起きます。ですから、ある程度柔軟に働きたい。また、弊社で働く私と同世代の人たちの未来を開いていくためには、働き方も、休み方も、育児に関わることも含めて、柔軟に働ける環境づくりが大切なのです。
いきなり制度ができたわけではなくて、運用でこの辺りの取り組みをできるだけ柔軟にしました。そして「子供の保育園への送り迎えがあるので、出退社の時間を前後にずらしたい」など、そういう取り組みは最初から制度として決めていたわけではなくて、運用でカバーしてきたのです。
時間単位で有給休暇を取れるようにしたのもその一例です。実際、1日や半日も有給休暇がいらないのだけど、時間単位で取れたら便利だし、そういうのがあったらいいなという話の中で「じゃあ,みんなが使えるように制度化しようか」というふうに、みんなの声を聞きながら制度にしていったのです。
苦労したというよりは、実際に運用をしてみて、みんなのニーズに合わせて制度化してみたという感じです。一方で、制度の中にはリフレッシュ休暇というものもあります。これは、もともと「夏休みを取りましょう」というものなのですが、お盆の時期に夏休みを取りたくない人も多いので、通年で3日連続して休んでもらうことにしました。1日や2日だけ休むことはできません。「必ず3日連続で休んでもらいます」という制度です。
- 労務・制度 更新日:2019/04/25
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