セキュリティ対策&生産性向上を実現!テレワークの強い味方「デスクトップ仮想化(VDI)」
デスクトップ仮想化(VDI)とはVirtual Desktop Initiativeの頭文字からとった略語で、パソコン・スマートフォン・タブレットなどの「クライアント端末」で稼働させていたアプリケーションやデータなどをサーバ側で集中管理・稼働させることが可能になる技術のことをいいます。
クライアント端末の本体ではなくサーバ上の仮想マシン環境(仮想化基盤)に複数の仮想デスクトップを実装し、その中でアプリケーションなどを動かすイメージです。そのため、遠隔地にある別のパソコンなどからでも、仮想マシン環境にアクセスすることで、クライアント端末のデスクトップが反映されて作業・実行することが可能になります。
セキュリティの強さ①
セキュリティ面としての魅力は、VDIを導入した企業側のクライアント端末とサーバとのネットワーク間に流れるデータが暗号化される仕組みになっていること。そして、テレワークをはじめとした社外で作業を行うケースにおいても、扱うデータなどは企業のサーバ上にある仮想デスクトップに留まり、ユーザー側の端末に保持されることがないということです。そのため、もしユーザー側の端末を紛失してしまった場合でも、物理的な情報漏えいを防ぐことができ、セキュアにテレワークを実施することが可能になります。
セキュリティの強さ②
さらに、ユーザー端末と導入企業側のサーバ上にある仮想デスクトップ環境は、画面情報を転送する方式になっているため、実際に存在するデータのやりとりは行われません。つまり、ユーザー側のキーボードとマウスなどから発生する動作情報と、その動作が反映された画面情報のみがやり取りされるので様々なリスクを回避することができます。
VDIは、サーバ上で複数のクライアント端末を一元管理することができるため、ユーザーが使用するパソコンやタブレットなどの端末ごとにOSのパッチ更新やソフトフェアをアップデートする手間が省けることで人件費の削減に繋がります。また、アプリケーションのインストールなどの費用も削減することができます。このように端末ごとにかかる負担を解消することで、運用コストを必要最低限に抑えることができるというメリットがあります。もちろん、導入時にはイニシャルコストがかかってしまいますが、一般的にパソコンなどの機器やアプリケーションを人員の数だけすべて揃えて、バージョンアップや修理を行い、破棄するまでにかかる費用の総額を考えた場合、運用面で大幅なコストダウンを実現できるでしょう。
クラウド型とは、その名の通り仮想デスクトップをクラウドサーバに移行する方式のことです。既存プロバイダ(サービス提供事業者)が管理するデータセンターのサーバ上に構築された仮想デスクトップ環境を利用する導入方法で、DaaS(Desktop as a service)と呼ばれることもあります。メリットとしては、プロバイダが提供する稼働実績のある仮想デスクトップサービスを利用することにより、初期構築などの手間がなく、運用管理などを考える必要もないので安心してスムーズに導入できることです。一方デメリットは、プロバイダのクラウドサーバをそのまま利用することになるため、プランにより仕様がある程度決まっており、用途に合わせて自由にカスタマイズできないことが挙げられます。
近年、テレワークやBYOD(Bring your own device)などの導入が進む中で、働く場所や時間、使用する端末を自由に選択しながら、セキュアな環境で作業できるVDIは非常に有効な手法と言えます。導入する企業側にとっても、クライアント端末にハードディスクなどの記憶装置を拡張する必要がないため、紛失や盗難のリスクを最小限に抑えることができます。また、仮想デスクトップ環境の技術革新は年々進んでおり、これまで利用可能なアプリケーションの制限などによって実現が困難だった専門性や特殊性の高い業務が実行できるようになってきています。この機会に、運用する企業側も作業するユーザー側も継続的な柔軟性・安全性が得られるVDIを導入し、業務フローや環境を再設計してみてはいかがでしょうか。
- 労務・制度 更新日:2020/01/30
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