優秀な社員の離職を防ぐ、社員満足度を向上させる4つのポイント
役員会議で決まったことは、社員まできちんと伝わっているでしょうか? 企業が目標を達成するには社員全員の力を合わせることが必要です。そして期待をかけられることが、社員のやりがいとなります。企業のビジョンや、組織の方向性を社員全員で共有し、同じ目標に向かって進んでいるという意識を一人ひとりが持てるようにしましょう。
組織のなかで何が起きているのかわからない状態では、やる気は生まれにくくなり、そんな状況が続けば、優秀な社員は自分の力を活かせる職場を求めて転職を考えてしまいます。顧客との関係を築くのと同じように、組織やチーム内のコミュニケーションも向上させましょう。企業向けの情報共有ツールを利用するのもよい方法です。
アメリカの人材紹介会社MomCorpが2015年に実施した調査では、880人の回答者のうち75%が、柔軟な勤務形態は職場を選ぶときの重要事項であると回答しました。また、18歳から34歳の回答者の47%が、職場に柔軟な勤務形態がないために離職を考えたり離職したりしています。
ワーク・ライフ・バランスを重視する傾向はここ数年で特に高まっており、子育て中の女性だけでなく、男性や独身者にも柔軟な勤務形態を望む人が増えてきました。この傾向をうけ、在宅勤務や時短勤務、フレックスタイム制などを導入し、社員のワーク・ライフ・バランスを支援する企業も増えています。
特に、これから労働力の中心となるミレニアル世代(1980~2000年代生まれ)は、昇給よりもワーク・ライフ・バランスを大切にするといわれています。彼らの離職を防ぐためには、柔軟な勤務形態を提供することが欠かせなくなるでしょう。
社員が離職を決めると、その原因を聞くために退職者面談をする企業は多いようですが、離職が決まってからの面談では、どんなによいフィードバックが得られたとしても手遅れです。社員が離職してしまう前に何か手を打つべきでしょう。
有益なフィードバックを得るための手段として、人事担当者は、5年、10年と勤務を継続している社員と面談をしてみてはいかがでしょうか。この面談で、辞めずに勤続している理由を聞き取り、組織のよいところを伸ばすようにします。同時に、辞めたくなるようなことが起きていないかもたずね、問題の早期解決に努めましょう。すぐには解決できない組織上の問題であっても、今後の課題として上層部へ提案できるでしょう。
個別の面談では企業への不満を聞き取りにくい場合には、オンラインアンケートツールを利用して匿名のアンケートを実施する方法がお勧めです。
私たちは、1日の大半を職場で過ごしています。職場の雰囲気がポジティブで居心地のよいものであることは、仕事を続けていくうえで重要です。良好な雰囲気を維持するためにも、社員同士のコミュニケーションが取れ、気分転換ができるようなささやかな場を設けましょう。海外の企業では、金曜日の朝にモーニングティー用のケーキを配ったり、ピザやオードブルをつまみながらビールやワインで軽く乾杯できる社内パーティーを、月に一度、仕事のあとに開いたりする工夫をしています。豪華なイベントを開く必要はありません。毎日の勤務を少し楽しくできて、ほかの部署の人たちと交流できる場所を提供できれば成功です。
また、職場で社員の向上心が満たされることも離職の防止につながります。技術の向上やキャリアアップにつながる研修プログラムへの参加を、積極的にサポートしていきましょう。
- 労務・制度 更新日:2017/01/21
-
いま注目のテーマ
-
-
タグ
-