3社以上のインターンシップに参加した学生の特徴とは
2018年卒学生の4月末の内々定率は全体で23.0%(前年同月比4.1pt増)でした(2018年卒 マイナビ大学生就職内定率調査<4月>)。前年よりやや早いペースで内々定を保有する学生が増えています。文理男女別で見ると最も高いのは理系男子(28.4%、前年同月比4.3pt増)で、最も低いのは文系女子(18.1%、前年同月比3.3pt増)です。また、特に内々定率が高いのは、理系の土木・建築系(44.4%、前年同月比4.5pt増)、薬学系(38.0%、前年同月比0.6pt増)でした。 これとは別に内々定率に差が出る項目として、インターンシップ参加経験の有無があります。18年卒4月の調査では、参加経験ありの学生の内定率は27.9%であるのに対し、不参加の学生は11.4%と半分以下でした。ちなみに17年卒でも4月末の内定率で参加経験ありが27.1%、不参加が11.8%と、ほぼ同様の傾向でした(17年卒は広報活動開始前の活動調査<2016年2月に実施>と内定率調査<4月>の両方に回答した学生で集計)。 ここでもう一歩踏み込んで、インターンシップに参加した社数によって内々定率に差が出るか集計してみたのが下の表です。
ここからは「2018年卒マイナビ学生就職モニター調査」の3月と4月の活動状況の結果から、インターンシップに3社以上参加している学生の特徴を導き出し、それが内々定率の高さにどのようにつながっているのかについて分析していきたいと思います。 まずは就職活動における活動量について見て行きます。3月のモニター調査では、3社以上インターンシップに参加した学生は、エントリー社数、個別企業セミナー参加社数、エントリーシート提出社数、エントリーシート通過社数、面接受験社数のすべてで、インターンシップに不参加、1社参加、2社参加の学生の平均を上回っていることを示しました。このグラフに4月のモニター調査の各活動の平均社数を上載せしたのが下の表です。
3月調査の時点で、インターンシップ参加社数が多い学生ほど、エントリー社数や個別企業セミナー参加社数が多い傾向が出ていましたが、4月に入って多くの学生が選考を経験するようになり、エントリーシート通過社数や面接受験社数でも明確に差が出るようになりました。この図を見るとインターンシップ3社以上参加の学生の活動量は明らかに他を上回っており、これが内々定率が高い一因と考えられます。なお、インターンシップ不参加の学生は、他の学生に比べて内々定保有率が低いことから、4月に入って活動量を増やしたようで、最も活動量が少ないのはインターンシップ1社参加の学生になっています。そういった状況にあっても、インターンシップに3社以上参加した学生は引き続き活動量が多く、時期を問わず活発に活動する傾向にあるようです。 なお、エントリーシートの通過社数を提出社数で割って平均の通過率を出したところ、インターンシップに3社以上参加した学生の通過率は55.3%で、不参加の学生の53.3%と比べて、大きな差はありませんでした。
ここまで見てきたとおり、インターンシップに3社以上参加した学生は、インターンシップに参加した企業やそれ以外の企業から順調に内々定を得ていることが分かりました。これらの学生は多くのインターンシップに参加することで就業体験において数歩リードしている上、3月の広報活動開始後も他の学生より活発に活動していました。また、4月末時点で就職活動を継続する割合も高く、さらに内々定を得ていくものと思われます。それに比べ、インターンシップに参加しなかった学生や1社参加の学生は、行動量においても内々定率においてもやや出遅れている印象があります。ここまでで開いた差が今後6月を迎えてどう変化するのか、あるいは就職活動終了時における内々定先満足度において差が出るのかどうか、今後も分析を続けて行きたいと考えております。
- 人材採用・育成 更新日:2017/05/24
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