新卒採用でも職種別採用を導入しよう
インターネットの発展により、就職活動においても学生が入手できる情報量は飛躍的に増加しました。
採用活動を行う企業の情報発信も増えており、経営層だけではなく入社して2〜3年の「先輩社員」によるインタビューも、スマートフォンから気軽に読めるようになりました。
こうしたことから、企業のイメージや業種だけでなく、実際の業務内容や職種に興味を持ち、それを志望動機とする学生も増えています。
一方、従来のような総合職採用では、学生の希望する部署に必ず配属されるとは限りません。総合職での新卒採用では、様々な部署で業務を経験する「ジョブローテーション」という考え方を基本としているためです。
そのため、学生の入社後にミスマッチが生じ、早期退職につながってしまうケースも少なくありませんでした。生産労働人口が減少傾向にあり、社員の確保がますます困難になると予測されるなか、このような離職は企業にとっても乗り越えるべき課題の1つとなっています。
そして、こうした課題を解消する方法として注目されているのが職種別採用です。
職種別採用とは、事務系であれば「営業・マーケティング・人事・法務…」、技術系であれば「開発・情報システム・品質管理…」といったように職種ごとに求人・採用することを指します。前述したような企業と学生間のミスマッチが生じることがないため、早期退職のリスクを減らすことにもつながります。
職種別採用には、入社後のミスマッチを未然に防ぐという効果はもちろん、採用活動期間中においてもメリットがあります。
最近では企業研究の際に業種ではなく職種で企業を絞り込む学生が少なくありません。職種別採用の情報を積極的に発信することで、そうした学生に自社を認知してもらうきっかけとなるでしょう。
同時に、学生の持つイメージに囚われない採用活動が行える点も、職種別採用の魅力の1つです。
たとえば、食品メーカーには商品開発や生産、品質管理といったイメージが強いものの、製造設備の設計・管理などの業務が発生することから、実際には機械系学生も高いニーズがあります。
また、営業のイメージが強い金融系の企業では、思うようにエンジニア採用が進まないようなケースもあります。
職種別採用ではこうした職種にもスポットを当てつつ、効率的に採用活動を進めることができます。
「学生時代に学んだことは、社会人では生かせない」このような表現も、国内企業に職種別採用が浸透していけば過去のものになるかもしれません。
企業が職種別採用を導入することで、学生にとってはそれまで学習してきた分野を即実践できる可能性が高まります。入社後に自身の専門性をキャリアに生かすことができると意識することで、学生として学ぶことに集中できる環境も生まれるでしょう。
そして、企業にとっても高い専門性を持つ学生を受け入れることで、分野によっては中途採用と同様に即戦力となるような人材を獲得できる可能性もあるでしょう。また、即戦力ではなくとも、学生がその分野における業務の基礎となる知識を有していることで、教育コストの削減につながるはずです。
- 人材採用・育成 更新日:2020/07/09
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