中途採用の問題を他部署に押し付けていませんか?
皆様こんにちは。ブルーブルーエジャパン株式会社人事副部長の吉永です。 私は前職時代、アルバイトから社員になり店長、マネージャーを経験し、現職では人事として勤務しています。この経験をもとに、人事として中途採用を強化するためには何が必要か、私なりに人事が考えるべき中途採用の課題を解説いたします。
早速ですが、みなさまの会社では、即戦力として中途採用しても、すぐに辞められてしまう状況にお困りではありませんでしょうか。人材の需要が増えているにも関わらず、いつまで経っても採用と退職の繰り返しでは、採用、教育コストが嵩むだけで、企業力が疲弊してしまうことも…。なぜ採用してもすぐに辞められてしまうのでしょうか?
採用してもすぐに辞められてしまう理由は、中途社員が事前に持っていた仕事への期待と現状にギャップがあるからだと考えられます。
例えば、店長職などマネージャー候補にあたる人材を中途採用しても長続きせず、昇格する前に辞めてしまう場合、現場の育成状況を紐解くことで問題が見えてくることがあります。
私の経験したケースでは、マネジメント経験のある中途社員が入社した場合、自社のオペレーションだけを覚えたら即戦力になるものと考えられていたため、育成は現場のアルバイトスタッフ任せになり、店長にステップアップするためのキャリアプランや、目標が与えられることなく時間が過ぎているという問題がありました。
中途社員にしてみれば、仕事の内容も明確にならず、自分の役割として何を求められているのかわからなくなる状況にフラストレーションがたまる一方であったことでしょう。
中途採用社員に対して、新卒社員と同じように扱い、独自の文化を押し付けるなど、受け入れる側の問題も大きな退職要因となります。
マネジメント経験がある社員に対して、相手の経験などを否定し、「だから前の会社でもダメなんだ!」と口には出さないまでも態度や接し方が横柄なものになってしまったり、自社だけで使われている共通言語を説明もせずに進められる状況など、会話への参加はおろか、会話内容を理解することすら大変な状況では、帰属意識を高めることはできません。
多くの組織で、企業文化は、リーダーが作っていきます。そのため、上司は、入社したての社員の話に耳を傾け、これまでの経験を考慮したうえで、自社の仕事にチャレンジをさせて、失敗も経験させながら、自社の文化を吸収させる環境を提供する必要があります。
つまり、こうした上司の役割として重要な、職場の環境づくりを既存の社員に任せきりにしてしまうことで、文化の押し付けや中途採用社員と受け入れる側とができる原因となってしまっているのです。
もちろん採用された本人の努力も必要ですが、組織の受け入れる体制を見直すことも重要です。組織の年齢層、属性が近い場合は比較的馴染みやすい環境が作れるだろうと考えられます。
現場の本音を聞くことが重要です。現場は日々、目の前の仕事に追われる可能性が高い職場です。現実的に人員にゆとりがなくても、慣れと工夫でなんとか仕事が回っているのが現状だと考えられます。そうしたなか、今は人がいるから大丈夫と考えていることが多いと言えます。その考えは、現状を維持していくことのほうが、変化を受け容れるよりも業務に影響が少ないという消極的な現状維持からくるものです。そして中途採用は、扱いにくく、できたら新卒をとって欲しいと現場は思っていました。
こうした現場の現状と本音を把握して、短期・中期の計画を示したうえで、現状維持が本当に可能なのか、現場とのすり合わせをすることで採用は変わってくると考えられます。
- 人材採用・育成 更新日:2019/12/05
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