「座右の銘」に見る就活を乗り切るための学生の知恵
座右の銘として挙がった四文字熟語で最も多かったのは「一期一会」、茶道の心得から出た言葉です。企業の採用担当者やセミナー会場で話した先輩社員、インターンシップやグループディスカッションで一緒だった同じ立場の就活生など、就職活動は多くの人との「出会い」であふれています。その一つ一つを一生に一度の貴重な出会いと考えて大切にすることが、就職活動そのものや、さらにその後の社会人生活をより良くすることにつながっていくということです。 インターンシップや面接で経験を積み重ね、内々定獲得に向かって進歩していく様子を表す「日進月歩」。面接での受け答えや、エントリーシートの記入を「一生懸命」やった就活生もいます。目的の達成を目指して自らに厳しい試練を課す「臥薪嘗胆」(中国の史書「十八史略」より)は、「お祈り」された悔しさを糧にさらに努力して、内々定獲得にまい進する様子でしょうか。情報の洪水に巻き込まれず、当初の第一志望を貫く就活生は「初志貫徹」を挙げました。
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」は江戸時代後期の米沢藩主、上杉鷹山の言葉から。その気になって活動すれば、内々定獲得という目的は「成る」という、まさに就職活動を体現する座右の銘です。「為せば成る」だけの人や「成らぬは人の為さぬなりけり」まで書いた人なども合わせて、最も多い41名の就活生が挙げました。 何度選考に落ちても、また立ち上がって次にチャレンジする「七転び八起き」。エントリーシート対策や面接対策を日々積み重ね、内々定獲得につながる能力を身に付ける「継続は力なり」。面接に遅刻したが理由を正直に話して好印象を与えられたなど、不幸が幸に、幸が不幸につながることもあるから、それで一喜一憂するにはあたらないとする「人間万事塞翁が馬」(『准南子』より)。面接には笑顔で挑もうという「笑う門には福来たる」(いろはがるた(京都)の1つ)。就活生が挙げる「故事ことわざ」からは、就職活動の様々な場面が思い起こされます。
悪い印象を与えるかもしれないから第一志望の企業のインターンシップに参加しないほうがいい、競争率が高いから志望業界を変えて活動しよう、質問したいけど見当違いだと思われるかもしれないからやめておこう。思い切ってやって失敗し「ああ、やっちまった!」と後悔するのが怖いと思う場面は、就職活動中にもよくあるようです。でも、あとになって「あのときやっておけばよかった!」と後悔するより、やって後悔する方が良い、というのがこのフレーズ。野球で言うと「バットを振らなきゃヒットはないんだから、思い切って振っていけ」となります。「あのときちゃんと質問すればよかった」「ダメ元で面接を受けておけばよかった」と後悔しないよう、ここぞという場面では、勇気を振り絞って一歩踏み出そう。といったところで、最後は将棋の羽生善治竜王の言葉で締めたいと思います。
- 人材採用・育成 更新日:2018/09/26
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