社員の離職防止に向けた効果的な対策
こんにちは、若林です。優秀な社員が離職してしまうことは、会社にとってデメリットだと思います。採用した人財が長く活躍できる組織作りは、人事の皆さんも普段から試行錯誤されておられるかと思います。
私自身もまだまだ未熟ではありますが、チームを運営する立場にいるので、いかに個人個人が活躍し続けられる組織運営を行っていくかということはいつも考えています。現時点では、マネジメントの立場になってから7年間、部下から退職を申し出られた経験はなく、かつ会社から求められた採用成績はチームとして常に達成してきました。その中で培った離職防止に向けて私が心掛けていることをいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
上司として優秀な部下が離職せず自社での成長・貢献を望むようにサポートする方法と、人事として組織全体に対して出来る仕組み作りの2つの面から、離職防止に向けて実践できることを考えていきたいと思います。
マネジメントに必要なものは、相手への尊敬と愛だと思っています。自分で上司を選べないように、上司も自分で部下を選べるわけではありませんので、自身と考え方が真逆の人財もメンバーに在籍することがあります。
私自身マネージャーになりたての頃は部下から攻撃的になられることもありましたが、今振り返るとリーダーシップを取らなければという気負いや焦りが前に出てしまい、相手への尊敬を持つことや気持ちを汲み取る意識に欠けていたのかもしれません。尊敬をすること。攻撃的な態度を取られたとしても愛をもって対応することは上司になる立場に最低限必要な能力だと考えていました。
そのうえで、運営上ずっと意識していたことは“仕事を楽しんで出来るチーム作りをする”ということです。「楽しい」は、人によって違います。ですので、相手の求めている楽しさを知り、それぞれの「楽しい」に応えられる組織作りをしていくことを最も心がけてきました。
立場を利用して無理に指示を聞かせることはしないなど、相手への尊敬の気持ちを持ったうえで大切なことは、次の3つの段階を踏んでコミュニケーションを取ることだと考えています。
自らの希望と、強みを理解したうえで設定された期待値が掛け合わされた行動目標を与えることで、負荷が重い業務や、難易度の高い業務を任されたとしても、比較的モチベーションを自己管理してもらえるようになります。この3段階を踏む面談を、若手メンバーであれば細かく3ヶ月・半年に一度、キャリアメンバーに対しては半年・1年に一度など、相手に応じた間隔を見極めて実施していきます。
モチベーションが自己管理できるようになり、この組織にいる存在価値や、自身の目的を叶えられる在籍意義を創っていくことで、劇的にメンバーの離職は発生しにくくなると考えています。メンバーへの尊敬を持ち・権力の強要を上司である立場の人間がわきまえ、適切な距離を保ちながらメンバーが精神的な安全を認識できる環境で“楽しむ”ことを目的に仕事をしていくことが、一人ひとりがパフォーマンスを高く発揮するために重要な要素だと考えています。
マネージャーとしてのモチベーション管理や所属しているチームでの離職防止策だけではなく、ここでは人事としてすべき離職防止施策も考えていきたいと思います。
制度として人事が出来ることは、社員満足度の調査と各部における課題抽出・その後の対策フォロー、もしくは人事評価制度(待遇評価制度)の構築などがあります。その中で、社員満足度調査は、離職リスク要因が見えてきますので、非常に重要な施策の一つと言えます。
年間500名ほどの採用面接を行っていく中で、離職の最も多い要因と感じたのは、やはり人間関係があると考えています。結局、社員満足度調査を行ったとしても、出てくる問題点は人間関係の悩みだったり、コミュニケーション不足から来る自己評価と他己評価の乖離だったりするため、社員満足度調査を行うことでその状況確認ができます。
私見ではありますが、離職の要因の多くはコミュニケーションに起因するものと考えています。よほど福利厚生が充実していて、その組織に属していることが人生においてステータスとなる、収入の安定としてメリットが大きいということであればある程度のことは我慢できるかもしれません。しかし、世の中の多くの企業では人間関係か与えられる評価に納得できなくて退職するなどの傾向が非常に多いと考えています。
そういう意味では、社内を見渡してみても、離職が頻繁に発生する部署はある程度固定されてくるので、やはりその部署の中で何らかのコミュニケーションエラーが発生している、承認欲求が満たされない要因が存在していることが考えられます。
待遇面の改善や人事制度などの構築は大変重要な要素ではありますが、人事が介入すべきことして、社員満足度調査を行い、満足度の高低に応じて分析を行ったうえで要因をひとつひとつ確認していく草の根活動が、最も効果的だと思います。
組織の規模によっては、人事の草の根活動だけでは限界が見えてくることでしょう。大きい組織になるほど、現状を分析し各部署の役員へ改善提案する力が求められるようになります。
ですが、こうした働きかけは非常に意味のあることだと思いますので、ひとつひとつ手間と時間をかけて実施していただければと考えています。そのうえで、社員満足度が低いとされ、人事側から改善を求められたマネージャーの皆様に対しては、ぜひ前述しました①②③の形式での面談をメンバーの皆さんと実施していただきたいと思います。
私が今まで7年間、数十名のメンバーと一緒に働いてきて、部下から一人も退職者が出なかったことが効果の実証になっているのではと考えています。ぜひお試しください。
以上、社員の離職防止を対策するうえで重要な考え方をお伝えしました。個人的な見解も多分に含んではおりますが、そのうえで実績としては出ていると感じております。
メンバーの数字が思わしく出ていないときは、どうすれば数字が達成できるかを考えると同時に、その人が数字で貢献しにくいのであれば、その人の特技・強みを組織内でどのように行動に移せば貢献できるかを共に考えていくようにしています。数字はチーム全体で達成すればいいので、数字で貢献しにくい人は別の組織貢献で何が出来るかを一緒に考えていくことで自己肯定感を得られるように導いていきます。
実際にこのやり方をしてきて、毎年高い目標を掲げてきましたが、チーム内で補い合い、目標未達で終わったことはありませんでした。
今までの経験から、敬意をもってひとりひとりとコミュニケーションを取ることが離職防止に最も効果的だと感じています。この考え方が組織的に実践していくことができれば、おのずと社員の離職は減っていくと考えています。ぜひ、試していただければと思います。
- 人材採用・育成 更新日:2020/08/04
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