新卒採用計画の準備と立案の流れ
採用計画を立てる前にやること
新卒採用市場は、引き続き学生の「売り手市場」が続いています。
以前の採用結果や市場の動向などを踏まえ、まずは戦略立案に必要な情報を収集しましょう。
採用市場動向をリサーチ
採用計画を立てるためには、採用市場の動向を探っておくことが必要です。
まず、求人市場全体のマクロのデータは厚生労働省から出される求人倍率調査などを参考に分析するとよいでしょう。 求人市場のなかでも、とくに新卒採用に関する市場動向は、マイナビが企業や学生に向けて毎年調査しているデータも参考にしてください。 当サイト(新卒採用サポネット)の「調査・データ」でさまざまなアンケート結果を公表しています。
また、競合についても調査をしておきましょう。アピールポイントや採用条件・待遇、スケジュールなどを確認しておくと参考になるでしょう。競合といっても同業種だけではなく、地域や勤務条件といった点での競合もこれにあたります。幅広くリサーチし、採用市場全体の動向を分析しておくことで、綿密な採用計画をたてるのに役立ちます。
採用結果の振り返り
前年の採用結果を振り返り、改善点や課題点を把握することも大切です。採用した人数が目標に達していたか、入社した人物のスキルや人柄について社内での満足度はどうか、新入社員の定着率や満足度はどうかといった観点から、どこに課題があるのかを探っていきます。
エントリー者数、各選考に進んだ人数、採用人数が目標に達していなかった場合は、広報の仕方や採用スケジュールに問題があったかもしれません。社内から「希望していた人材とは違う」といった声があれば、採用基準の見直しが必要かもしれません。内定辞退が多かった場合、自社のよさを伝えられていなかったことや、内定者へのフォローが不足していたということが考えられます。
このように前年の採用活動からわかる課題を把握することで、次の採用活動をより有益なものにすることが可能になります。
新卒採用計画を立てる手順
- 中長期的な採用ニーズを把握する
- 選考基準を策定する
- 現場の採用ニーズをふまえ、採用部署と人数を決める
- スケジュールを立てる
- 募集媒体を選ぶ
中長期的な採用ニーズを把握する
採用する部署と人数を決める際には、事業計画や経営戦略などをふまえた中長期的なニーズを見極めることも大切です。具体的には、部署ごとの年齢別人員構成表を作成し、3年後から10年後に想定される人員構成をシミュレーションします。業績や今後の業務拡大などを見据えたうえで「いつ、どの部署で、どれくらいの人員が必要か」を把握することにより、新卒採用の必要な部署や人数を決めやすくなります。
選考基準を策定する
新卒採用では、主体性や協調性など定量化しにくい項目を重視することが多くあります。面接官によって選考に差異が出ないよう、求める人物像を明確にした採用基準を設定し、共有することが大切です。採用基準を決める具体的な方法は、「採用基準のつくり方―求める人材の見極め方と雇用ミスマッチを防ぐ方法」で詳しく紹介していますので、こちらもご確認ください。
現場の採用ニーズをふまえ、採用部署と人数を決める
事業の急成長や社員の退職など中長期的なニーズが必ずしも想定通りに進むとは限らないため、短期的なニーズにも目を向ける必要があります。これを把握するには、現場の声を聞くことが大切です。各部署に依頼して、必要な人材像や求められるスキル、希望人数などをヒアリングしましょう。
各部署からの要望を聞き取る際には、ヒアリングシートを活用します。新卒採用サポネットでは、会員向けに「採用基準策定のための現場ヒアリングシート」の雛形も用意していますので、ぜひご活用ください。
このように、将来の予測と現場のニーズをふまえたうえで、採用する部署と人数を決めていきます。
スケジュールを立てる
スケジュールは、採用活動を始める日から入社日までの全体スケジュールと、募集開始や会社説明会、適性検査やテスト、面接、内定者フォローなどタスクごとのスケジュールにわけて考えます。それぞれのタスクで、いつまでに何が必要かをリストアップしていき、タスクスケジュールを立てていきます。
このスケジュールに沿って、求人広告の作成や会場をおさえるといった業務の担当者を決定します。なお、スケジュールは途中で変わることも見越し、余裕をもって無理のない計画を立てましょう。
募集媒体を選ぶ
募集媒体には、自社のホームページで採用情報を掲載するだけでなく、就職情報サイト、合同説明会、大学での説明会など自社の求める人材への足掛かりとなるルートを検討します。定着しつつある就職情報サイトなどの利用をベースに、就職イベントや情報誌、SNSなど複数の媒体を活用して採用活動を行うのがよいでしょう。
まとめ
このように、分析を行い、順序立てて新卒採用の計画を作成することで、実際の活動をよりスムーズに行うことができます。 ただし、状況はつねに変化していくため、計画実行後も見直しや検証・改善を続けていくことが大切です。また、数値目標を立て、振り返ることで次年度につなげていくことも大切です。毎年の採用活動をよりよいものにすることで、企業としての成長も期待できるでしょう。
- 人材採用・育成 更新日:2020/05/28
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