新卒一括採用(しんそついっかつさいよう)
新卒一括採用とは、毎年特定の時期に新卒学生を選考し、卒業後に入社する日本独自の採用制度である。
新卒学生を安定して就職させるために普及した仕組みで、「終身雇用」や「年功序列」とともに日本の人事システムを支えてきた。
新卒一括採用のメリットとしては、同時期に採用活動が始まるので大量に採用しやすい点や、一斉入社のため人材育成のコストや手間がかからない点が挙げられる。
一方で、デメリットとしては、学生が複数企業から同時に内定をもらうため、内定辞退のリスクが高い点や、1年以上かけて採用活動を行う必要がある点が挙げられる。
近年は新卒一括採用について考え直す動きもある。
理由は主に二つある。一つは、海外留学生のような通常の採用期間に活動できない人材を獲得するには、時期を問わない採用活動が必要だからである。政府からの「就職・採用活動に関する要請等について」にも日本人海外留学者や外国人留学生などに対する多様な採用選考機会の提供のため、通年採用などの取組みを行うよう言及されている。もう一つは、転職でキャリアアップを狙う若手社員が増えているため、新卒一括採用で入社した社員を長期間かけて教育することが困難になっているからだ。そのため、時期を問わない採用方法である、通年採用を行う企業も増えている。
更新日:2024/07/04