採用要件とは、企業が求める人材像を具体的に定義したものを指す。その内容は、経験からスキル、人柄、性格、仕事に対する価値観まで多岐にわたる。
採用要件をあらかじめ作るメリットとして、面接官ごとの評価のバラつきが抑えられる事や、ミスマッチによる早期離職を減らせる事などが挙げられる。いずれも、少子高齢化を背景に、企業にとって若手人材の確保が急務になっている昨今、自社に合ったスキル・人柄を持つ人材を効率的に確保するために、必要不可欠となっている。 
採用要件の作り方として、これから進めていきたい事業や組織から逆算する「演繹的アプローチ」と、実際に自社で活躍している人材を参考にする「帰納的アプローチ」がある。いずれも実際に働いている社員を分析したり、インタビューを行ったりした上で、最終的には、架空のユーザー像であるペルソナに落とし込む必要がある。
 これら一連の手順の中には、主観的な要素も混じりやすいため、コンピテンシー診断をはじめ客観的な分析も取り入れることが望ましい。また、採用要件で定められた内容が多岐にわたる場合は、実際の採用活動に活かしづらいため、要件は必要最低限のものに留められるようにブラッシュアップする必要がある。