ITスキル標準(ITSS)(あいてぃーすきるひょうじゅん(あいてぃーえすえす))
ITスキル標準(ITSS)とは、高度IT人材の育成を目的に必要となるスキルを数値化した指標のことである。2002年12月に経済産業省が公表し、2004年からは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が管理している。
実務能力だけではなくマネジメント・コミュニケーション能力など、ITサービスを提供するうえで求められる能力の基準を明確・体系化した。これによりIT企業はもちろん、情報システム部門を持つ一般企業から教育機関まで、さまざまな組織で通じる一定の基準としての役割を果たしており、多様化・専門化が進むマーケットの中でより効果的な採用戦略や人材育成に繋がることが期待されている。
そもそも人材を育成するには、キャリアパスを策定したうえで、必要なスキル習得を行うことが望ましい。ITスキル標準では11の職種に分け、さらに38種類の専門分野に細分化され、それぞれに7段階のレベル設定がなされている。そのため、ITスキル標準に従えば段階的にスキルアップができ、実用性の高いスキル指標として評価できる。また、市場に対して自身のITスキルを客観的に表すことが可能であり、ITパスポートや基本情報技術者試験など、ITスキル標準に応じた試験も多く実施されている。
更新日:2024/07/04